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J2 第8節 藤枝vs岡山 レビュー


この記事はポッドキャストで配信した内容の書きおこしです。配信はこちらからチェックできます!



どうも、ゼロファジです。
ファジサポ談話室。この番組はサポーターによるサポーターのためのファジアーノ岡山応援プログラムです。

今回はアウェイ藤枝戦のレビューです。結果からいくと2-2のドローということで、今節も勝つことはできませんでした。4戦勝ちなしということで、すこし首位との差も開いてきました。そろそろ勝ちたい。そして、これならいけそう!って手ごたえを感じたい!そういう試合が続いていますね。

試合の流れ


岡山はこの試合442のダイアモンドを再び採用。藤枝が3421なので、3バック継続で来るかな?と予想しましたが、戻してきました。坂本一彩が2試合欠場していて、2トップはソロモンとイグォン。試合前の練習で怪我?をした鈴木喜丈が欠場し代わりに高木友也が左SBで先発でした。また、連戦を考慮したメンバー選考もしないといけない。そういう状況でしたね。

この試合特筆すべきは風がとても強かったことで、序盤からロングボールが風に流される流される。選手は落下地点を予測するのが難しいので、ちょっといやな感じでしたね。あと、へんなボールになるのでバウンドも変な方向に飛ぶことになったりして、両チームの決定機を潰すという苦笑いするしかない状況もありました。風が一番強いDFだったかもしれないですね。

試合の流れとしては、前半の滑り出し。ペースをつかんだのは藤枝でしたね。ハイプレスも効いており、ボールを回収しては後ろからつないでいく。
藤枝は両WBへのサイドチェンジから1on1で勝ってチャンスメイクしていく形、そして中央でポストプレイからフリックを使ったり、中央経由でサイドに流して1on1を作ったりと中外どちらもバランスよく攻撃していました。

岡山はセーフティな入りを、ということもあったのかロングボールを裏や2トップに蹴っていく形でしたが、まあ、悪くない選択だったかなと。相手コートにはいると中盤に人を集める岡山がボールを拾う機会も多く、ソロモンの左足のシュートで決定機を迎えるなど、惜しいシーンもありました。ただ、相手コートに平面のパスをつないで入ることはやはりあまりできていないので、まだまだですね。

前半21分には右CKから柳の完璧なヘッドで先制。ボールも素晴らしいし、柳をフリーにできたデザインもよかった。待望の先制点が取れてここからは岡山ペースになっていきます。

24分には中盤で奪ったボールを輪笠がアーリークロス。それをソロモンが落としてムークがヘッドするもバーというビッグチャンス。ただ、ここもバウンドが変な方向に戻る感じで当てにくかった・・・。

前半、藤枝が岡山のDFラインとMFのラインの間をうまくつかっていたので、そこを消すためにやや低めに守備位置を修正します。FWの位置を低いところに設定した分、全体がコンパクトになり藤枝が使えるスペースが狭くなる。さすがの藤枝もこれには手を焼き次第に攻め手を失っていきました。

印象的なプレーをいくつか挙げておくと、

まずボールをつなぐの上手いチームってこういうことだよなぁと思ったのが、17分39秒あたりからの数秒間の藤枝のパスワーク。彼らはボールが来る前に見て、決めて、蹴れる。また受け手は出し手にパスコースを提供するために動く、これが早いんですよ。だから、こちらが後手後手になる。

逆に、43分30秒のシーンのように岡山がいいプレスをかけると、さすがの藤枝も見て、決めて、パスを蹴る難易度が上がります。するとつながらない。いかに、こういう難しいプレーをさせるか?逆に自分たちがボールを持つときは、いかに藤枝のようにパスがさばけるか?ここがポイントだと思います。

後半、風上に立った藤枝がボールをもち岡山はミドルゾーンでコンパクトに構える流れを継続。しばらくは、一進一退という形でどちらペーストも言えない展開でした。60分にはボランチも左CBも左に押し出して、その分WBが中に入り中央に厚みを持たせた攻撃から危ない場面を作られます。もちろん、人数をかけているのでカウンターのリスクはあるんですけど、このあたりが彼らの持ち味なのかもしれないですね。

64分にイグォンに代えてルカオを投入。後半の岡山はボールを持たずにロングボールをスペースに流してそこからプレスをかけてボールを回収。そしてシュートチャンスを作るこういう攻撃がほとんどでした。どうしてもボールを持つ時間が短くなる分、藤枝が保持する時間が長くなるんですが、やっぱ、ボールを持つスキルはレベルが違いますね。74分のシーンなんかほんとに見事に岡山のプレスをはがしてますし、ウチも開幕戦こんな風にできていたのになあ・・・と思いました。

その直後、押し込んでから左WB榎本のクロスを合わされて1-1の同点と。ここは、ちょっとポイントだったのであとでちょっと補足しようと思います。

さらにその直後、76分にはまたしても左WB榎本に抜け出されてクロス。それをバイスがなんとかかきだそうとしますがオウンゴールと。これはバイスは責任はないんじゃないかな。むしろ、リターンをもらう榎本をどうしてあんなにフリーにしちゃったのか?という方が問題で。これももう何度目かなぁという感じですね。

ムークと田中雄大に代えて、仙波と木村太哉を投入。右の木村太哉を活かしつつ藤枝を押し込むと、90分CKの流れからバイスが押し込みなんとか同点。

最終的には2-2でドローで決着、というゲームでした。


藤枝MYFCの印象


攻撃にかなり比重を置いたチームだなという印象で、3バックのチームですが右CBもガンガン上げていくし、ボランチも出ていくしと、とにかくリスクを取っていく威勢の良さは敵ながらあっぱれなチームだと思いました。

3421のチームで、ワントップに当てて落とす、フリックして抜け出すといった中央攻略の基本路線はキープしつつ、ワイドに強烈なアタッカーを持つという中外のバランスの良さ。このチームの両WBはほんとエグイですね。どちらもたぶん引き抜かれていくような選手じゃないでしょうか。実際榎本選手にはやられちゃったしね。

最終ラインを可変させて相手の守備のラインを突破していくのもこなれたもので、風がなかったら岡山ももうちょい振り回されただろうなと思います。あとは、出し受けのつながりもスムーズですし、パスを成立させるための準備ができているので早いですよ。岡山も前から捕まえるのはなかなか難しく、引いて構えるとなんとかいい感じにという対応でしたかね。

ただ、前プレはよくても引いて構えるときはポコポコスペースが空いたりと、ややもろい印象は否めないですね。あと、あまり長身の選手がいないので、クロス爆撃、セットプレーはちょっとしんどい。その点岡山との相性はイマイチだったのかもしれないですね。


失点シーン直前あたりの対応の話


岡山は交代して3バックへシフトして逃げ切るアイデアをもっていたんですが、失点して逆転されたことでそれを諦めた。そういう流れがあったようです。

そもそも、後半の藤枝は前半と違って左サイドにかなり人数をかけるようになっていました。具体的には左にシャドーが流れる、ボランチも流れる、左CBも上がってくる。そして左WBは中に入るというような感じで、重点的に攻撃してきた印象でした。

藤枝の左右のWBはストロングポイントなので、右WBは高木に任せ、左WBは河野だけじゃなくて、なるべく田中雄大もそえて2枚で対応するようにしていたんですね。これは前半見れば確認できます。

なぜそうするか?というと、まず左WB榎本選手がそれくらいいい選手だってことと、河野諒祐の守備力が不安だからだと思います。なるべく、河野と田中雄大で榎本を処理したい。もちろん、全部が全部は無理なので田中雄大がいけないときは、河野頼むな!ってことだったんだろうと思います。

ところが、1失点目のシーンは相手のボランチがこちらのブロックの前でボールを持ったので、田中雄大が出ないといけなくなった。その分、サイドにヘルプに行けなくなっているんですね。なので、サイドで榎本と河野が対面することになりクロスをあげられてしまって失点したと。

次に2点目も榎本がボールを落として、そのリターンをもらうべくニアゾーンに侵入しているんですが、ここ河野棒立ちなんですよ。自分のマークを簡単に手放しちゃってる。バイスが必死にカバーにいって触ったのでオウンゴールになりましたけども、ここはバイスを責めることはできないと思います。

3バックにするのがもうちょい早ければ、河野が抜かれても右のCBがカバーに入れますし、なるべくそういう風にしたいなと思っていた矢先で失点・逆転になったので、監督は「しまった・・・」と思っていることでしょう。連戦で誰を連れていくか?というところも難しいですが、早めに河野を本山に代えていれば、どうなったかな?というのはちょっとありますね。

あまり言いたくはないですが、河野諒祐は今年も同じ壁にぶつかっていますね。ボールポゼッションであまり力になれない。守備はほんとに信頼できないですし、ちょっとあまりにも失点に関わりすぎています。それに反するようにクロスは絶品と、非常にバランスの悪い選手になっていて、かなり使いづらいだろうなぁと。

岡山は今後どうするんだろう?


ここまでの8試合。2勝5分1敗と、1敗しかしていないのはポジティブにとらえていくしかないですね。今のチームを見ていて率直に思うのは、どういうサッカーがいまいるメンバーにフィットするんだろう?ということと、ちょっと「優勝」とかいったん忘れて足元見てやろうよ、ということです。

この試合でも後半ロングボールを蹴って相手と競り合ったり、相手がおさめた後からプレスをかけて回収していくってシーンがいくつかあります。現実的にはボールを丁寧につないで運んでいき攻撃のSTEP1をクリアするのはちょっと難しいんじゃないかな?と。できるようになったけど、もう秋ですとかじゃ勝負にならないので、まあ、この試合もだいぶボール蹴っていきましたけど、去年の後追いのようなことに結局なるのかなぁという気がしないでもない。

まあ、どんなサッカーしても勝ってくれたらそれでいいんです。理想を捨てることになってもね。ただ、今いる選手のポテンシャルがうまくかみ合うような形に到達してほしいなぁと。セットプレーが強いなら、そこの強みを軸にして「つまんねーな岡山は」とディスられても勝つ。みたいなのでも、自分は全然かまわないかなと思います。きれいなサッカーはもっとお金持ってからいくらでもチャレンジできると思うので。

しかし、それならそれで河野諒祐の例を出しましたが、いいところとよくないところのバランスがあまり良くない選手がいるので組み合わせや、弱点を隠してあげる手段。ここはかなりデリケートだなぁというのも感じていて。特に最終ラインは難しいなこりゃ・・・と思うことが多いですね。

このあたりはそもそもの編成面での難しさもあるのかなぁとは思うんですが、はたして木山さんはどういうアンサーを見つけてくるんだろうか?と思っています。

次に「優勝」のプレッシャーがかかっているんじゃないか?という点についてですが、これは去年を経験しているので「どのくらいでいくとどのくらいの高さまでいけそう」っていう経験値がある証拠でもあるな、と思っていて。

だから1戦1戦取りこぼせない!ミスできない!って話になるし、それが焦りにも緊張感にもつながっているんだろうなぁと。メンタルって難しくって、もうバリバリのプロでも自分たちのような一般人とあんまりかわらなかったりするんですよね。

負けたら・・・引き分けたら・・・というプレッシャーがかかってるということは、自分たちの可能性を感じているからでもあります。しかし、今はそれが足かせになっている状態なのかなぁと。

この試合でもそれを感じたんですよ。あの2失点目までの流れ、やっぱおかしいと思うんですよね。それだけなんとかリードして勝ち切りたいって思っていたからガクっときてルーズになっているんだろうと思うし、「ひとつ勝つ」がほんとに重いチームになってしまってるんじゃないかなと。これはあんまりよくないぞ・・・と思って。

だからこそ、ひとまず優勝とかは忘れよう、と。

今はそう言いたいなと思います。
昔、サッカー楽しんでる?って横断幕が掲げられたことがあると思うんですけど、ほんとそうだなぁと思っていて。

目の前のゲームを臆せずやってダメならダメでしゃーない。
とにかく縮こまってビビってるチームは見たくないですからね。
前向きにトライしていく、勇敢なチームになってほしいなと思います。

それじゃ、またね。









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