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J2 第9節 岡山vs熊本レビュー


この記事はポッドキャストで配信した内容の書きおこしです。配信はこちらからチェックできます!


どうも、ゼロファジです。
ファジサポ談話室。この番組はサポーターによるサポーターのためのファジアーノ岡山応援プログラムです。



今回からはホーム熊本戦のレビューです。連戦の真ん中の試合ということで、ミッドウィーク開催となった試合でした。

さすがに試合日のあとも普通に平日なので、休みがないということで。あんまりじっくり内容を詰めて推敲する時間がなかったので、今回はもう即興的にこの試合の印象についてバーっとしゃべる。みたいな回にしたいなと思います。

まず結果の方ですが、この試合はスコアレスドローということでこれで5試合勝ちなしということになりました。まあ、こういう結果に不満を持つ人の声もどんどん増してきていて、どねーなりょんな!?という声も上がると、そういう状況になってきてますね。しかし、この試合は全体的に見てここ数試合の中では最もポジティブな内容だったかなあと思いました。うん。このくらいのゲームができていれば出口はそう遠くないんじゃないか?と、そうであってほしいなという感じですね。

その試合の内容についてですけども、全体的に熊本がボールを持ち、岡山が構えるという形で進んだゲームでした。

岡山はルカオとイグォンの2トップ。前からの守備力を考えると、ちょっとどうかな?という2人でしたね。トップ下に仙波、アンカーには田部井を置き、右に田中雄大、左に佐野航大。右SBには河野諒祐。左には高木友也。GK堀田というスタメンでした。

熊本のフォーメーションは3133のような特殊な形。そして大木さんの戦術いわゆる"クローズ"と呼ばれるやつですけども、ボールのある周辺に味方の選手が密集して保持する、失っても即時奪回する仕組み。そして、大外にワイドアタッカーを配置してサイドチェンジを狙っていく。そういうサッカーだと思います。

岡山としては熊本の組み立てを邪魔したい。なので、2トップで熊本のアンカーへパスを受けさせないように邪魔して、ボールをサイドへ誘導してハメていきたい。このチームの基本的なプレッシングの振る舞いですね。

そうした狙いは前半からある程度うまくいっていて、熊本の攻撃を上手に防ぐシーンもありました。ところが、前半の中ほどからはボールを持って運ばれる。押し込まれる展開が続いて、いわゆるボールを持たれる展開になってしまうんですが、このキーマンは相手の右CB黒木のドリブルでした。パスコースはうまく遮断して守れていたんですけど、ドリブルで運ばれると思惑が外れてどんどん後手後手になっちゃうんですね。しかたないので、ブロックを下げて対応する。そうすると、ボールを奪う位置もFWの位置も低くなるので、ずっと岡山コートでサッカーをさせられるハメになる。

相手のコートでサッカーをする、を熊本に実演された格好でした。やっぱり、ボールを持てる持てないってのはこういうところで大きな差になるなと思いましたね。

しかし、前半の反省もあってか後半の岡山の守備は今季の中でもベストに近い内容だったと思います。熊本はほんとに多彩なビルドアップのパターンを持っていて、邪魔する側は大変なんですけど、後半そんなふうにあの手この手で運ぼうとしてくる熊本をうまく封じていたと思います。

途中から、3バック、そしてまた4バックに戻すなんていう珍しい変化もありましたがおおむね守備は安定していて、そこまで熊本に決定機を許さなかったのはよかったポイントだと思います。

そう、全体として見たときに決定機自体は多分岡山の方が多かったと思うんですね。柳のヘッドや、河井のボレー、ほかにももうちょっとというシーンもあったし。なので、どこかで獲れていれば!というところですが、そこがまだ遠い。なかなか難しいですね。

先に守備の話をしたので、次に攻撃の方の話をしましょうかね。この試合は、ロングボールも使っていたし、開幕戦のような繋いで剥がして相手コートに入っていく、攻撃のSTEP1をクリアしていくシーンが見られました。こういうの見たかったですよね!

そのロングボールなんですけども、これはつなぎを諦めたから蹴ったんだ!というわけじゃなくて、狙いがあったんだろうなあと思います。というのは、熊本がハイプレスに来るので、そのハイプレスがキツイと岡山が繋ぎにくくなるわけですよ。なので、熊本のハイプレスが行きにくいなって思わせたい。そのために、ハイプレスに来ても柳やバイスが蹴って、FWが競り合っていく。そして、こぼれ球を中盤で拾えば岡山はプレスを回避してボールを運べますから、それを狙っていこうということだったんじゃないかなあと。この試合、結構中盤で前を向けるシーンがあって「あれ?」って思ったひともいると思うんですけど、それにはこういう狙いがあったんじゃないかなと。

さらに、熊本はフォーメーションの都合上、真ん中にあまり人を置けない並びになっているんですね。熊本の前線はハイプレスに出る。中盤もそれに続く、しかし岡山がロングボールをFWに蹴ると、相手のCBは前に行かない。結局、ボールはDFラインとMFのラインの間に落ちることになり、それを岡山の中盤が拾って前を向く。こういうシーンが起こってきます。そうなると、熊本としては前からプレスに行くけど、ボールも獲れない。さらに、中盤で拾われてカウンターみたいな形で運ばれる。じゃあ、前から行くの効果なくない?ってなってハイプレスの効き目に疑問を持ち始める。

そこまで持っていけたら、熊本のハイプレスが弱まるので、岡山のビルドアップがしやすくなるのでボール運びましょうと。もしかしたらそんな思惑もあったのかなあと見ていました。

選手個人にフォーカスしておくと、まずは田中雄大。この試合後悔し涙を流していたと思うんですけど、相当悔しかったろうなと思います。というのも、ここぞ!というチャンスでことごとくミスが出て、はっきり言ってチームのチャンスを潰してしまっていました。

去年からここを通せたら点になる!というところで、決め切る。やり遂げる。というところが彼の課題かなあと思っていたんですが、この試合はそこがほんとにうまくいかなかった。だから、めちゃくちゃ悔しいだろうなあと。

まあ、でも、ここまで良くない田中雄大、特にボール扱いで良くない田中雄大も珍しいので、次、次!という感じですかね。彼はこんなもんじゃないと信じきっているので、多分壁を越えてもっといい選手になると思います。

あーそれから、攻撃面、守備面での貢献度はもうほんとに外せない感じになってきているので、本当に彼は岡山の柱だなと思うんですよね。攻撃でいくと、この試合は河野諒祐の弱点を消すために、田中雄大ががんばる役割を担っていましたし、いろんなことが求められてる。ちゃんとそういうがんばりを見つつ、彼が化けていくところを楽しみにしたいですね。

そして、前節失点の原因にもなった河野諒祐のところ。ここは木山さんの苦心がよく見えるようなゲームになっていました。

河野諒祐は、足元の技術があまりないこと、そして守備力が高くないことが大きな弱点なんですよね。多分その2つはJ2の平均的なサイドの選手の水準に届いてないんじゃないかなという印象ですね。ところが、去年のアシスト王なわけですよ。今年もすでに何点か絡んでいるように、彼を置くか置かないかでガラッと攻撃力が変わってしまう。そういう影響力のある選手だと思うんですね。

なので、木山さんとしては河野の弱点はうまく隠しながらゲームに使えるようにしたい。まず、足元の技術が低くてビルドアップにあまり貢献できない点については、この試合で少しアレンジを加えてきていました。

具体的には、もう河野をあらかじめ高い位置に送ってしまってスペースを開けて、田中雄大を降ろしてきて組み立てに絡ませる。という形ですね。これは何度か試合中見られましたし、かなり際どいシーンもありましたが、前後半この形から擬似カウンターっぽい流れで攻撃のSTEP1をクリアするシーンがありました。

次に守備対応の方。藤枝も露骨に河野の守備力の低さに目をつけて狙ってきましたが、熊本も当然狙ってきてました。なので、河野の守備力のカバーする必要があると。

ここには、河野が自分のマークに振り切られてしまった場合、柳をサイドに飛び出させてカバーする。そして、河野は入れ替わるように柳の位置に入るという形を何回か見せていました。

まあ、正直これは苦肉の策というか、柳がサイドに出て対応するってことは、中央でFWとバトルするのは河野になるわけで、リスクがあります。さらに、柳自身すばしっこい選手じゃないですからね。木村太哉なんて見たらわかるように、サイドの選手ってああいうのが多いので、柳がついていけないパターンもある。

実際この試合、河野が振り切られて、柳が出てきたけど、柳も振り切られてクロスをあげられるというシーンがあって。

まあ、なんとも悩ましいな、という感じなんですが。そこまでしてもやっぱり外せないほど、河野諒祐のキックの評価は高いんだなあというのを実感した試合でしたね。

こんなふうに、監督も選手も勝つために細かい調整をしてより戦えるように努力を重ねているのは間違いないです。

なかなか辛抱する時期が長いですが、そんなに遠くない未来に出口はあると思うので、もうしばらく耐えて勝利を待ちたいなと思いました。

ということで、熊本戦のレビューでした。

じゃあ、またね。



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