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J1昇格へのみちしるべ~過去10年のデータから見る昇格ボーダーラインを探る話

どうも、ゼロファジ(@Zerofagi)です!


無事宮崎キャンプも終わり、開幕までのこすところ2週間ほどとなってきました。今年、ファジアーノ岡山は乾坤一擲、J1昇格を現実的な目標として獲りに行っています。2016年以来久しぶりに昇格の可能性を感じながら楽しめるシーズンとなってくれることでしょう。


そこで今回は、2012年~2021年までの過去10シーズンのデータを紐解いて、上位チームがどのくらい勝ち点をとり、どのくらいの順位で戦ってきたのかを調べてみました。過去のデータと比べて、今シーズン岡山がどういう足取りで上位を目指せば昇格に近づくのか?目安として使っていただけますと、より昇格レースのヒリヒリ感を味わっていただけるんではなかろーか?と思っております。

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※読むのめんどい!というひとはまとめだけチェックしてくれよな!

<説明>
成績上位6チームをピックアップし、それぞれの勝ち点と順位の推移を調べました。J2の全42試合を1~10節・11節~21節・22節~31節・31節~42節の4クールに分けて集計。それぞれのチェックポイントにおいて各チームがどのくらいの勝ち点をとり、どのくらいの順位であったか?をチェックすることができます。

では、実際に表を使って説明しときますね。

まず、一番左の1位~6位がその年の最終順位。42試合を4つのクールにわけ、10節、21節、32節、42節終了時の数字を抜き出してあります。

ここでは1位の磐田を例に説明していきましょう。42節の下の91これが最終勝ち点です。次の69は32節終了時点で勝点69だったということ。69のとなりの(1)は32節終了時点での磐田の経過順位が1位だったことを示しています。ですから、磐田はこの年4位→1位→1位→1位という順位経過で昇格を果たしたということがわかります。


それでは、まずばーーっとデータだけ貼り付けておきましょうかね。各チェックポイントについてはあとでしっかり取り上げていきますので、ここはさらっと目を通しておいていただければOKです。

J3に落ちるチームが少ない分勝点伸びた感
コロナ禍真っただ中で厳しかった年
この横浜FCは異常なチームですよ
80点越えが1チームもなかったのね
名古屋ですら75点で3位というJ2沼っぷり
2→1→1→1という札幌の逃げっぷりな
愛媛の5位は立派すぎる木山さん頼むで・・!
101点とかいう壊れチーム湘南の伝説
まあガンバとヴィッセルですからそりゃあ多少はね?
JFKの日焼けした顔を思い出す。ダヴィは元気かな?

自動昇格するために必要な勝点のボーダーラインは?


それでは、まずストレートイン。自動昇格圏内に入るために必要な勝点はどのくらいなのか?というところから見ていきましょう。これはJ2を見るうえでは大きな基準になるポイントなのでぜひ覚えておいてください。

ここ10年で2位以上に入ったチームを最終勝点の多い順に並べてみました。最低勝点は12年の湘南で75点。これ以上の勝点をとらないと自動昇格はまず無理と考えていいでしょう。

ボリュームとして大きいのが84点あたりなので、まず自動昇格できる目安として設定しておくといいのは84点あたりではないか?と思います。だいたい10試合で勝点21をとるペース。

ところが84点とっても昇格出来なかったチームがたった一つあります。それは2016年の松本でこの年3位。岩政・加地・矢島・赤嶺を擁した長澤ファジにPOで敗れ昇格を逃した年ですが、84点とっても届かない年もあったことは覚えておいた方がいいかもしれん。余談だけど、この時の岡山の勝ち点は65。松本との差は19もありました。まあ、あのときは勝ったけどスマンやで・・という気持ちでした。

ちなみに、85点以上獲ったチームで昇格出来なかったチームはありません。したがって85点とればほぼ勝ち確と考えていいでしょう。

さらに、PO圏内まで範囲を広げてみると最低の勝点は2015年6位の長崎で勝点60です。年によってばらつきがありますが、おおむね勝点70をとればどの年でも6位以内には入れるという結果になっています。したがって、PO圏内を目指すのであれば勝点70あたりが目安と考えておくといいでしょう。

まとめ 1

まとめ1
・自動昇格に必要な勝点の目安は84(10試合で勝点21ペース)
・勝点85以上は昇格ほぼ確定的
・PO圏内に入るために必要な勝点の目安は70

シーズン終了まであと10試合の時点で昇格チームはどのくらいの位置にいるのか?


さて、次にチェックするのはシーズンの4分の3が終わり、ラストスパートののこり10試合!という時点での各チームの位置どりについてです。ここは勝点を見るよりも順位に注目です。

一見してすぐにわかることは32節終了時点で5位以下のチームは自動昇格に届いていないということです。したがって、自動昇格を目指すうえでは32節時点で5位以内に入っておくことが必要です。

ちなみに右の方にラスト10試合でいくつ勝点をとったのか?を抜き出してみました。ここからわかることは、ほぼ各チーム20点近い勝点を稼いでおりラスト10試合で息切れして失速するチームはいないという事実です。2016札幌の15点や2017湘南の16点のようにやや失速気味のチームもありますが、この両者は32節終了時点で2位を勝点10以上も引き離していました。やや流し気味でもOKだったということでしょう。

32節ともなるとシーズン終盤に入っていきますので、ある程度チームも固まって上位陣が安定した力を発揮するようになってきます。したがって大崩れするチームが少なく、大逆転!のようなケースはあまり多くありません。あるとすると、戦力的に厳しくなり高いレベルを維持できないケースでしょう。ですから、総合的なチーム力・ベンチを含めたサブメンバーの強さが地力となって最後にモノを言う。そういう印象を受けます。

ではつぎに、PO圏内まで範囲を広げてみると、32節までには6位以上に入っておきたいところです。ここ10年のデータでは32節終了時点で60チーム中50チームが6位以内のチームでした。7位以下から追い上げてPO圏内に入ってきたチームもたくさんありますが、いずれにしても勝点20前後をとって猛烈な追い込みをかけていることがわかります。これは自動昇格組とおなじような勝点ペースです。

まとめ 2

まとめ2
・32節終了時点で6位以下だと自動昇格厳しい
・PO圏内を狙うなら32節終了までに6位以内

シーズン折り返し時点での自動昇格、PO進出の目安は?


開幕して対戦相手が一巡する21節終了時点、団子状態だったレース開始時からある程度順位にバラつきがはっきりする時期でもあります。各シーズンの上位2チームの21節終了時点の勝点を順位を抜き出してみると・・

まず、順位ですが2019年の横浜FCを例外とするとそれ以外のすべてのチームはすでにこの時点で6位以内にいたということがわかります。したがって、自動昇格を狙うのであれば折り返し時点までにトップ6に入っている必要があると言えそうです。

年間の目標勝点の目安が84ですから、21節終了時点では42あれば理想的なペースです。しかし、35や37の勝点でも後半鬼の追い上げを見せることができればストレートインの可能性もでてくると。

PO圏内まで広げてみると、こちらもまず一桁順位に入っておきたいところです。10位以下の順位から後半巻き返してPO圏内に入ることは不可能ではないですが、それでも12位や14位といった後方からPOに入るのもかなり難しいことは知っておいて損はないでしょう。

実際に2019年の横浜FCは21節終了時に勝点29で、そこから後半戦でなんと勝点50積んで2位に入っています。ハーフシーズンで50点ということは年間100点ペースですから、これは歴史に残る異常に強いチームであったと言えます。2013年の千葉は勝点30で13位から後半38点積んで6位。2013年の徳島は勝点26で15位折り返しで、後半勝点41積み上げて4位フィニッシュ。いずれにせよ、折り返しで大きく出遅れた場合優勝チームのペースに近い巻き返しができればPOは狙える、と思っておいてよさそうなデータが出ています。

まとめ 3

まとめ3
・折り返し時点で自動昇格を狙うなら6位以内
・PO圏内に入るなら一桁順位を
・出遅れたチームは優勝ペースの巻き返しができればPOも

スタートダッシュは必要?10節終了時点までの位置取りをチェックする


さて、最後は開幕してから10試合が終わった第一クールでのそれぞれの条件をチェックして終わりとしたいと思います。よく、スタートダッシュが大事!と言われますが、あらためてデータの上ではどういう記録が残っているのでしょうか?チェックしていきたいと思います。

ざっとみて気がつくことは、21節終了時点では6位以内じゃないとストレートインは難しかったのに、10節終了時点では一桁順位なら可能性十分だということです。開幕して10試合というとまだはじまったばかりでチーム力も固まってきていないし、入れ替わりの激しい時期です。

優勝ペースが10試合で勝点21ですから、そこからやや遅れたとしてもまだまだ巻き返すチャンスは十分にあるということでしょう。しかし、相手のあることですので上位に強い2チームがいてずっと2位以上をキープする2013年のG大阪とヴィッセル神戸のようなパターンもあります。目安としては勝点18あたりは少なくともとっておきたいところでしょう。

PO圏内に広げてみると、ひとつ大きな特徴があります。それは11位以下と大きく出遅れても巻き返してPOに入ってくるチームは実力あるJ1経験チームがほとんどということです。

2019 横浜FC 12位 2019 徳島 14位 
2018 大宮  15位 2016 千葉 15位
2016 京都  14位 2014 千葉 17位
2014 山形  15位 2013 徳島 14位
2012 横浜FC 16位

もともとポテンシャルの高いチームが出遅れて巻き返してPOまで食い込んでくる。こういう現象がわりと頻繁に起こるのがJ2ということですね。しかし、これは裏を返せばポテンシャルの低いJ1未経験クラブは出遅れたらPOはムリゲーだということです。なんとかPO圏内に入りたいクラブは10節までに一桁順位に進出しておく必要があるでしょう。

まとめ 4

まとめ4
・10節終了時点で目安の勝点は18
・少し出遅れても巻き返し可能
・PO圏内狙うなら一桁順位にはつけておきたい
・地力あるチームは出遅れてもPOまでなら


まとめ 5


ということで、ここ10年のJ2のデータを参照して上位チームがどういう勝点と順位の経過をしていたのか?をチェックしてみました。

ざっと一年、フルシーズンのことを考えると、やはり自動昇格するチームに求められるのは継続して10試合勝点21のペースを作れるポテンシャルの高さです。当然一年間だといいときもわるいときもあるはずで、不調やけが人も出てきますが、そうであってもペースを守れるチーム力の高さ、選手層の厚さを感じます。

一方、プレーオフ制度が優勝クラスから一段落ちるJ2クラブに希望を与えていることも改めてわかりました。出遅れていても優勝チームクラスの勝点ペースで10試合戦うことができればPOをうかがうことは十分に可能です。それでも、PO圏内はJ1経験クラブで抑えられてしまいますが、J1未経験クラブもPOに進出した例はいくつもあります。

ファジアーノ岡山としてはまず自動昇格圏内を目標にがんばってもらいたいと思います。そのために必要な選手層の厚さは今期の補強でかなり底上げされたと思います。あとは、木山監督のビジョンがどれくらいチームに浸透しているか?どのくらいのタイミングでチームのポテンシャルを十分に発揮できるチームに仕上がるか?そこが焦点になってきそうです。

ファジアーノ岡山にとって今年のヤマは第一クールにある!?


ファジアーノ岡山公式サイトより

以上のことをふまえつつファジアーノ岡山の10節までの対戦相手を見ていくと、もうのっけから「マジかよ!きっついわ!」と声に出そうな顔ぶれが並んでいるのですよ・・!

甲府(元J1 3位)、徳島(元J1 去年J1)、町田(去年5位)、横浜FC(元J1 去年J1)、大宮(元J1)、山形(元J1 去年7位)、琉球(去年9位)、新潟(元J1 去年6位)

といった具合で元J1クラブとの対戦がずらっと並ぶ感じになっております。新監督になり0ベースからのスタートになっているので、この強い顔ぶれに対してチームを作りながらはたしてどのくらい勝点をとれるか?あくまで目安は18点ですから、のっけから山場が来ている!と言っても過言ではないでしょう。

幸いチームはキャンプを無事に終了してくれました。けが人やコロナ感染者がでて離脱することなく、予定していた対外試合もこなせたようです。ひとまず、最初の関門はクリアした。さあ、開幕戦どのくらいまでできるようになっているか?楽しみです。

【告知】

2月11日 20時よりファジサポスペース『開幕直前座談会』を行います!

ホスト:ゼロファジ(@Zerofagi)

スピーカー:ファジスキー(@fagiskey)、難波拓未|大学生サッカーライター(@Soccer_Writer)、sho(@sho___21)、タイガ(@FAGI_SOCCER)、ファジ・リオ(@fagi_rio

5名のスピーカーをお招きして、今シーズンの木山ファジについて、注目選手、シーズンの展望などについてお話していきます。ぜひご参加ください!

参加方法

20時ちょいまえくらいにtwitter上でルームを開設いたします。PCでも視聴可能ですがスマホ推奨です。視聴者の方もコメントにてご参加いただけますので、取り上げてほしい話題等ありましたらぜひよろしくお願いします。




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