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J2 第10節 仙台vs岡山レビュー

この記事はポッドキャストで配信した内容の書きおこしです。配信はこちらからチェックできます!


どうも、ゼロファジです。
ファジサポ談話室。この番組はサポーターによるサポーターのためのファジアーノ岡山応援プログラムです。

今回は第10節アウェー仙台戦のレビューですね。
結果的は1-1のドローということで、「また勝てんかったか・・・」と。これで6試合勝ちがないわけですが、徐々に上位との勝点差が開いてきました。なかなか勝ちが遠いですねえ。

前半の早い時間にイージーなミスでプレゼントするような形で失点してしまったので、「え?またか?」と。また序盤でふわふわと失点して追いかける展開か?と。ガックリきた人もいたんじゃないかなと思います。

どうしてもリアルタイムで見ているときは、失点の悪いイメージとか、仙台の固い守備に阻まれる感じがあって、なんか「手も足も出んな」というイメージが強かったですね。

たしかに、仙台の守備は固かったのでそんなにやらせてもらえなかったですけども、試合を見直してみると岡山が上手にチャンスメイクしているシーンもあったので、ここはプラス材料として考えていいんじゃないかなと思いました。

ベガルタ仙台は442のフォーメーションで、SHがときおり中に入る4222的なアクションを見せるチームだったなと思います。岡山もこの試合はダブルボランチだったので、各所で1対1が起こりやすいゲームになっていたと思います。

前半の15分あたりまでは、仙台がボールを持ち、岡山がセットして迎え撃つという構図で進んでいました。勢いは仙台にありましたが防げていないというほどでもなく。いつも不安定な立ち上がりを考えれば、ここで我慢していけばというところでした。が、しかし。

10分41秒あたり。こちらのCKを相手が跳ね返した流れで、クリアボールを処理してこちらがしっかりとボールを自分たちのものするところでミスが起きました。まず、高木のパスがズレて輪笠が戻りながら拾いに行く格好になったこと、さらには輪笠のキックがズレてGK堀田の処理しづらいボールになってしまったこと。結局仙台の中島にこぼれ球を押し込まれ、またしても無様さ先制点を献上することになってしまいました。
輪笠がこのような形で低い位置で処理を誤り失点に絡むのは、甲府戦につづき2点目。このポジションをやる以上、あってはならないミスがすでに2回も起きているので。彼にとってひとつの壁ですねこれは。

この前半でいちばん注目すべき点は、岡山が後方からつなぐとき右サイドからどうやって攻撃のSTEP1、つまり仙台コートにボールをどうやって運ぼうか?というところだと思います。

たとえば、14分31秒のシーンなんかでは、柳から前のパスコースは全部ハマっていて出せるとこないんですよね。仙台に全部バレています。だから、余裕で寄せて奪ってくる。そうすると、岡山は低い位置でボールを失うので、あわてて守備をしないといけなくなる。するとポジションも崩れてエヴェルトンの決定機みたいなシーンをつくられてしまう。このシーンなんかは、ボールを運ぶことが上手くないからピンチを招くという典型的な例ですね。

仙台は442のブロックがめちゃくちゃコンパクトだったので、ラインとラインの間も狭いです。なので、中を広げるためには裏のスペースを使って、相手を下がらせて広げていく。そういう作業がちょい足らなかった前半でした。

20分過ぎからは連戦のこともあるし、リードしているということもあって仙台はミドルゾーンでブロックをつくって構える格好になります。いちおうこれで、ボールをもつことはできるようになりますが、仙台のコンパクトな442は変わらないので果たしてどうやってチャンスメイクしましょうか?というところでしたね。

ぜひ、見てほしいなと思うのが22分18秒のシーン。左サイドからバイス→高木→佐野航大とつなぐ形ですがここの佐野航大がお見事でした。上手に相手の守備に難しい選択をさせて、仙台の狭いラインの間で前を向いています。一応コースは厳しいですが、ソロモンへのラストパスも出せているので、これで攻撃は完成したと考えていいでしょう。

ほかにも28分33秒からシーンは柳からタテパスを起点に田中雄大のニアゾーンに侵入してクロスをあげることができています。さらに素晴らしかったのは、36分42秒のシーン。ここはピッチを左右に大きく使って仙台を動かして、柳がドリブルで仙台コートに入ることまでできていました。そこからサイドチェンジをいれて高木の狙いすましたクロスをソロモンへ、というきれいな形。

この3つのシーンはしっかり自分たち起点で攻撃が作れていましたし、すこし進歩を感じるところでした。ぜひ、チェックしてみてください。


後半はあたまからムークに代えて木村太哉を投入。このキムタカ投入はばっちり当たりましたね。前半は裏を狙う動きが少なすぎたので、太哉を入れてどんどん飛び出せということだったんだろうと思います。
普段はFWで出ることがないので、どうしてもサイドから裏へ抜けようとして佐野や田中雄大と動きがかぶることもありました。

しかし、47分柳からのロングフィードを競り合い、こぼれ球を拾って仙台のCBをぶっちぎるとクロスをあげて折り返し、佐野航大が押し込み同点と。このクロス上げ切るまでのドリブルのキレ、スピードすばらしかったですね。

この同点以降はすこしづつ仙台に疲れが見え始め、徐々に攻守に出せるパワーが落ちていきます。58分には田中雄大に代えて、チアゴ・アウベスを投入。チアゴとソロモンの2トップにして右に太哉を持ってくる形。

後半の59分のプレーなんかは河野諒祐のボールを持たないときのプレーがすばらしい。自分をおとりにして、太哉に余裕をあげて柳からのパスを引き出す。そしてボンヤリせずに太哉にパスコースを提供する連続的な動き。輪笠もサポートにはいっていて、このシーン自体はうまくいきませんでしたが、他人任せでボケーっとしがちなこのチームの組み立てと比べると、このあたりにもよくなってきている気配を感じます。

67分にはCKの流れからキム・テヒョンのシュートを堀田がかき出すビッグセーブ。

前半は裏狙いができていなかったということで、岡山は長めのボールでも積極的に裏へ蹴っていくシーンが増えるんですが、再びその攻撃からビッグチャンス。70分35秒あたりからの攻撃、ここも注目ですね。

前節熊本戦もロングボールを使って前後分断させてセカンドを拾っていく攻撃を見せていましたが、ここでも仙台の前プレ部隊と、岡山の裏抜け狙いについていく仙台の最終ラインが分断されることになり、中盤に大きなスペースができます。

柳のロングフィードのこぼれ球を太哉が拾って、河野にわたしてクロス。それが逆サイドの佐野航大に届いて、ちょうど1点目と同じような格好に。これを冷静にシュートしたんですが、GK林にまたしても止められて逆転はならずと・・・・いや、めっちゃおしかった・・・

佐野に代えて高橋諒、田部井に代えて河井陽介を投入。フォーメーションは変えずに、左SHに高橋を入れた形でしたね。仙台は左に入った氣田が勢いを取り戻すきっかけを与えました。

全体として見てみると、連戦ということもありましたが、前半は仙台、後半は岡山ペースというとこかなぁと。

勝てていないという点はありますが、前節の熊本戦同様内容的には向上してきていると思います。特にこの仙台戦なんかみていて思うのが、相手のハイプレスさえいなせればロングボールでも、ショートパスでもある程度攻撃を組み立てられるんだなということです。

そのためにはいろんなことが必要なんですけど、こう、誰か味方がプレーしてるのをボーっと見てるだけとか、あいつがやってるからいいだろうみたいな他人任せなプレーじゃなくて、グループでボール運ぼう。味方がプレーしやすいように助けてあげようというごく当たり前のことがこの試合ではいくつかできるようになってきているなと思いました。

まだまだ、課題はやまのようにあって、勝てる保証はありませんが、それでも内容的にはよくなりつつあるなということは強調しておきたいなと思います。

さて、これで10節が終了して2勝7分1敗とかなり思っていた成績とはかけ離れた序盤の4分の1でした。でも、地道にやっていくしかない。うまくなっていくしかない。すこしづつこのチームが戦える下地、とくに攻撃においては積みあがってきていると思うので、次、11節から折り返しの11試合。ここで巻き返していきたいですね。

ということで、次回はできたら山口戦のプレビュー。
もしくはレビューをお聞きいただけたら幸いです。
去年横浜FC戦をホーム&アウェーでしっかり観察して、がっつりプレビュー・レビューをやるというのをやってみたんですが、すごくおもしろかったので、今年はレノファ山口戦のホーム&アウェーの試合を取り上げてがっつりやっていきたいと思いますので、楽しみにしておいてください。

ということで、仙台戦のレビューでした。
それじゃあ、またね。




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