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【股関節の活用Vol.4】前進運動で求められる股関節の回旋運動とは?

こんにちは、高岡です。
さてこのマガジンでは「股関節をフル活用して走るコツを身につける」というテーマをお届けしてますが、前回は「シザース」というドリルによって「ハムストリングスがうまく活用できるよ」というお話をしました。

ハムストリングスのスイッチオンのタイミングが最適化されると、着地点が体の真下に寄ってくるので、ブレーキ要素が軽減します。シザースドリルは、その「スイッチオンのタイミング」を最適化するのにすごく役立ちます。

ただ、このシザースドリルをやる時に、膝裏の力みがうまく抜けてないと、クイックな脚の切り替えができません。そのお話を前回の投稿でさせていただきました。
前回の内容はこちら

ここまでにお話ししてきたのは、股関節の「伸展運動」に関して。

伸展運動、つまり体を横から見た時の「下肢(股関節から末端)が体の前から後ろに移動する運動についてのお話しでした。

この伸展運動は僕たちの推進力に直接的に影響を与える股関節運動ですので、一番最初に取り上げました。

ただ、今日からお話しする「外旋運動」も、僕たちの推進力に大きな影響を及ぼします。

またそれだけではなく、ランニングによる故障にも大きく影響します。股関節が適切なタイミングで外旋できなければ、オーバープロネーションという足部の異常運動を誘発し、捻れストレスを発生させるんですね。

そこで、今回から数回にわたって「股関節の外旋・内旋」に関してのお話していきます。

ちなみに、股関節の外旋・内旋に関しては、下の画像をご覧ください(上が外旋、下が内旋です)。

股関節の外旋
股関節の内旋

前進運動で求められる股関節の回旋運動とは

先日、神奈川県平塚市にある僕が運営するジム「ZEROBASE RUNNING BASE Hiratsuka.」に、シンスプリント症状を抱えたあるランナーが治療を受けに来てくれました。

まず歩きから観察すると、下の動画のような動きになってたんですね。

つま先が外を向いた状態から内に入ってくる動きです。

これは「股関節が内旋しながら着地している」状態なんですが、この動きによってシンスプリントの症状が誘発されています。

もしかしたらみなさんの中にも同じような動きになってる方、いらっしゃるんじゃないでしょうか?

このように膝が上がった状態から着地し、着地足に体重を乗せる局面で股関節が内旋してしまうと、下肢全体に捻れストレスが発生します。

なぜかというと、「股関節の内旋運動は『後進』するための関節運動だから」です。

例えば、バスケットボールで、ドリブルで猛スピードで前進してるところから急ストップしてジャンプシュートする場面を想像してみましょう。

この時って、つま先を内側に入れて股関節を内旋しますよね?股関節を内旋して急ストップし、ジャンプ動作に入るはずです。

ですので、股関節の内旋は、後に進むための関節運動、つまり、前進運動にブレーキをかける関節運動と言えるわけです。

そんな股関節内旋運動を、前進運動であるランニングの、もっとも推進力を発生すべき局面で出してしまうのは「筋違い」なわけで、筋が違うから脚を痛めてしまうわけですね。

大臀筋、使えてますか?

そこでこのランナーさんにやってもらったのが「股関節を外旋しながら着地する」という動き作りです。下の動画をご覧ください。

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員