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人体への好奇心

昔から好奇心だけは人一倍あった。

人体、特に腸に対しての好奇心が強い。
というのも私は昔から便秘体質で、便が出なさすぎて泣くぐらいの腹痛に襲われ、医者に肛門を突き出したことがあるくらいだ。

「何故こんなにも便は出ないのか」
「腸の中で便はどんな風に溜まっているのだろうか」
「超極太便はどのような流れで形成されていったのか」

今思えば腸というよりほぼ便に対する興味だが、未だに腸に対して気になることがある。

人の意見を聞きたいところだが、どうしても便の話は汚いとされている。
なのでこの場を借りて皆さんにお聞きしたい。

「便秘と下痢が共存してる世界線って一体全体どうなってるの?」

である。

私は胃腸関係が比較的弱い。
万年便秘だが、緊張や冷え、ストレス、早食いなどをすると下痢も訪れる。

「何故?君たちが共存することってあり得るの?」
「私が望んでも望んでも出てこないのに下痢になると何故大量に出てくるの?」


"見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい…"

好奇心に脳が支配されていた私は、気づいたらキッチンの前に立っており、包丁をじーっと見つめていた。

切腹から腸の中身確認、止血までを脳内でイメージした結果、"死ぬ"ということが分かったので仕方なくとどまることができた。

それでも人体に対する興味がとどまった訳ではない。
体内が無理でも髪の毛、皮膚などは肉眼でも見える。

そこで私が次に興味を持ったのは頭皮である。

頭皮の毛穴はどのぐらいの大きさで、毛穴1個につき何本の毛が生えているのか。髪の毛の伸びる期間は?

またしても、
"見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい…"
となるのだ。

しかし、自分の髪の毛を勝手に切ると、母親や友達から異常者扱いされると思った私は、側にあったリカちゃん人形を手に取る。

当時小学生の私は、色々区別がついていなかったので、怖い話で人形が動くということは人形も人間と同じ体の仕組みなのだろうと…そう思っていたのであった。


そして、実験ができると高揚しまくっていた私は、なんの躊躇もなくニヤニヤしながらリカちゃんの髪の毛を切っていく。

「これ頭も切ったら脳みそ見えるんかな〜。
いや、流石にそれは可哀想か〜。
髪の毛が伸びていく様子を写真で収めないとな〜。」

などと思いながら。


そしてついに、リカちゃんが坊主になったので毛穴を確認する…

確認して私は気がついた。
自分が集合体恐怖症であることを。

集合体+死んだ目をしたリカちゃんがとても怖く、好奇心に支配されていた筈の脳は、今度は恐怖心に支配されていた。

恐怖のあまり、私はおもちゃ箱の奥底にリカちゃんを入れようとするが、
"もしかしたら出てきて殺されるかもしれない"
と思い、何かいい案はないかと考え出した結果、ジップロックに閉じ込める事にした。

ジップロックの空気を抜きに抜いて、おもちゃ箱の底に沈め、お祈りしながらその日は無事乗り切った。

だが処分の仕方が分からず、母親に自白することもできなかったので、意を決して友達に相談することにした。


次の日、ジップロックにきゅうきゅうに閉じ込められた坊主頭のリカちゃんを見た友達は、始めこそ引いていた顔をしていたが、暫くするとわくわく顔に変わっていた。

すると、その子はおもむろにペンを取り出し、ジップロックに「呪い殺すぞ」と書いて違う友達のポストに入れに行ったのだ。
(今思うと、この子もなかなかの問題児なのでは…)


リカちゃん。
そしてそれをポストに入れられた友達。
この場を借りて謝罪させてください。本当にごめんなさい。



前回の「幕開け」やこれらのエピソードを唯一話したことのある友達に、
「そんなサイコパスみたいな感じでよく犯罪者になってないな。どうやって軌道修正できたん。」
と言われたことがある。

"感受性豊かで感情移入しやすい心優しい人間だからだろう"と自分では思っている。

しかし普段は表情筋が死んでいる為か、初めましての人にいきなり、「人殺したことあります?」と聞かれたことがある。

彼氏にですら、
「遠くから歩いてくる時、いつもどよーんとしたオーラ出てる。」
と未だに言われるのだが、どうしたらいいものか。

せめて彼氏に会う時ぐらいワクワクオーラ全開の可愛げある人間であれよ…と、最近のプチ悩みです。


見出し画像は小さい時の私だが、この歳からこんな死んだ顔をしていたみたいだ。

こんな人間性なのだからせめて愛嬌は欲しかった。
愛嬌がないからこそ、こんな人間性なのだろうか…

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