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素敵な奴ばかりなのに、破滅する関係性|「美しくも、苦しく、尊い関係性」シリーズ

私は、関係性のコーチングという仕事をしている。

でもこの関係性のコーチング、どんなケースに役立つのか?をイメージしづらいもののように思っている。

今日は、「破滅的な関係性に発展していく、上司と部下の関係性」をケースとして紹介してみたい。

関係性のコーチングとは、どんな関係性に使うのか?

前提として、関係性コーチングとは、どんな関係性に使うのか?という点を、シンプルに表現してみると…

関係性の目的に対して生産的・創造的な関わり合いができていない関係性

…だ。

わかりやすい例で言えば…

例1: 営業・開発・サポートの各部門が協力して、その事業部の目標を達成しようとしているのに、各部門長が自分の立場からの主張ばかりをして、時には相手の足を引っ張り合う関係になっている

例2: みんなでチームの目標数字を達成しようとしているのに、お互いのノウハウシェアや市場環境のシェアや顧客紹介などをしない営業チーム

…という具合だ。

なんとなく似たようなケース、身近で心当たりあるのではないだろうか?

こんなケースに対して、「目的達成のために協力しよう!」「ノウハウシェアしよう!」と号令をかけたり、ミーティングを開催したり、変なインセンティブ制度とかを出したりする企業もあるが、僕の肌感だと9割はうまくいかない。少なくとも恒常的な文化に定着することは稀だ。こんな時に、関係性コーチングが役立つ。

ただ、それは本題ではないので、ここでは扱わずに、次に進めたい。

一人一人の話を聴くと、人は美しい

関係性のコーチングがはじまると、まずはじめにやることは、一人一人を個別インタビューすることだ。そして、個別インタビューしてみると、実に人ってやつは、いい奴らばかりだ、憎めない奴らしかいないと感じる。

例えば…

お客さまのことをとても大切に思って、お客さまのために何ができるか?という発想ばかりする人がいる。

自分の能力の限界にぶち当たっていることがわかっていて、それでもなおもっと成長しなければならない!と奮闘している。

自分がチームの足を引っ張っていて、そこに対して罪悪感を感じて、自分を責めてしまっている真面目さ。

チームのためを思って、もっとノウハウシェアとかをやった方がいいと思っている人。

一人一人、話を聞いていくと、誰1人として「悪いことをしよう」という意図をもった人はいない。(悪い意図を持っている人がいることの方が、レアケースだ)

ホント、人って奴は実に美しいと思う。

しかしこんな人たちであっても、それが集団やチームになると、何故か足を引っ張り出す。そしてお互いに対して、生産的に・創造的に関わりあえなくなっている。

破滅に向かう上司と部下の関係性のケース

よくある上司・部下のパターンを参考に、どのように破滅に向かっていくのか、よくある架空のケースを紹介したい。

その上司は、顧客にとって心が震えるような明確なビジョンを持っていて、そのビジョン実現のために、自らが身を粉にして働いている。自分にもとてもストイックである。一方、そんなビジョン実現のために、部下にも厳しくなりがちだ。

すると…

部下は、その上司に対する尊敬の念がある一方で、まだまだ新米なところもあって、なかなか上司が求める成長スピードについていけない。そして自分はまだまだ能力が足りていないんだ、と自分を責めてしまう。そして、自分を奮い立たせて、がんばり続ける。でも、それが続くと疲れてしまう。

すると…

そんな部下を見た上司も、鬼ではない。別に部下を潰したい訳じゃない。根は優しい上司だ。だから部下に対して期待する成長スピードを緩める。その分、部下が持っている業務が滞る。だからそれを自分が引き受ける。本当は部下の成長スピードをもっともっと期待したいけど、それは飲み込んで我慢して、滞っている業務は全部自分が引き受ける。ビジョンと部下のためと思い、自分を奮い立たせて、連日夜遅くまで働く。しかし、これを続けていくと、自分も一杯一杯になってきて、疲れもストレスも溜まり始める。

すると…

限界がくると、部下にも寛容になれなくなってくる。部下に対してちょっとイライラし始める。語気が強くなってしまう。(もしくは、我慢して働き続けた上司は、ここで身体もしくはメンタルが潰れてしまう)

すると…

部下は、上司が怖くなる。不信感を抱く。恨むようになる。自分の能力不足の問題があることは十分にわかっている。だから自分を責めてもいる。罪悪感もある。ただ、その罪悪感に耐えきれなくなった時、自分を守るために必死になって、「パワハラ上司だ!」と上司を責めるようになる。

すると…

上司からしたら、良かれと思って配慮して、業務を引き取ったのに、「なんだその言われようは!」とブチキレる。事態はさらに悪化する。部下の精神疾患、退職、もしくは、上司の精神疾患などに発展していく。

この架空ケースは、とてもシンプルにしている。大概はもっと長い年月を経て、こうなっていく。ステップを何度も何度も行き来していたりする。そういう意味では、かなりデフォルメされたケースだが、シンプルに表現するとこういうことが起きている。

この架空のケースの、一体どこに悪者がいるだろうか?

上司は、お客さまの力になりたいと思っている。だから部下にも早く成長してほしいと思っている。かといって、部下も成長して欲しいし、幸せになって欲しいし、潰したいと思っている訳でもない。だから部下のためを思って仕事を引き受ける。

部下は、尊敬している上司の力になりたいと思っている。そのために早く成長したいと思っている。上司に迷惑をかけていることはわかっている。だから罪悪感を感じてしまっている。

この2人の心情の一体どこに、「悪い意図」があるのだろうか?
僕から見ると、2人の登場人物の中に現れる感情や衝動は、人間誰しもが一度は味わったことがある、共感する心情なのではないだろうか?

私は、そんな人が美しいと思う。

にも関わらずだ。

一人一人は、とても素敵な意図や願いや想いを持っているのに、集団やチームになった時、人の関わり合いによって、この関係性はドンドン悪化していく。お互いを責めて、お互いを傷つけ合い、お互いを潰してしまっている。

それは、とても苦しくて、悲しいことだと思う。

本当は、もっとすごい力を持っている関係性のはずなのに。
何故か、破滅に向かって、創造力を失ってしまう関係性。

まとめ

こういう破滅に向かう関わり方をし合っている関係性が、世の中には溢れていると僕は感じている。

こんな状態に解決の糸口を見出していけるようにするのが、関係性のコーチングだと思っている。

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