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看護師は、するべくして、ミスをする。


はじめに

5月26日 火曜日 天気:曇り

「あっ!点滴!忘れてる。」

昼食を食べて、うとうとしている脳がハッと覚めるようなことを思い出した。

看護師Aは、額に冷や汗を感じながら、午前中にいくはずだった点滴を見つめる。
本来なら、目の前にはないはずの物だった。

朝、患者の情報を確認した時、点滴があることを分かっていたはずなのに・・・。

その日、申し送りを受けたAは、嵐の中にいた。

おむつ交換や入浴介助。OP出し。
イベントがたくさんあった。
分単位で細かいスケジューリングが必要なくらい、時間に追われている。

担当患者のおむつ交換をしている途中、お尻に大きな皮膚トラブルが見つかった。
長くベッドでおむつをつけている皮膚が荒れることがある。

主治医に報告して軟膏を処方してもらう必要がある。

頭の中で、必死に考えていると・・・。横から自分を呼ぶ声が聞こえる。

「Aさん11時にOP出しね。抗生剤を持参して、
 家族も待合室に連れてきてほしい。って」

看護師Bが受けた電話連絡を「は〜い」と、、足早に聞き込むAさん。

(・・・もうこんな時間、11時に抗生剤と家族を連れてくるのね、
 じゃあ、抗生剤はしなくていいのね。)


午前中の予定を再度、確認していくAさん。
無事11時にOP出しをおこなって、残りの担当患者の検温に向かう。

担当患者に問題はなかった。あとは・・・。

「午後に帰ってくる手術の患者さんのケアだけ。」

多忙な午前を過ごし、少し達成感を感じながら、昼食休憩へと向かう。

その足取りは、重りを外した後のように、軽やかであった。
昼食を済ませ、歯磨きをする。

「お先でしたー」と、マスクをつけながら、ナースステーションに行く。
この時、何を思ったのか、ふと、点滴を置いてある棚に視線を向ける。

不自然に置かれている点滴が視界に入ってくる。誰のだろう?と

よく見ると、自分の担当患者だった。
午前中に、いくはずだった抗生剤が棚の上に残っている。

看護師Aは、この後処理に、時間を割いて行くのであった。



午前中、嵐の中にいたAさんは、担当患者の抗生剤への理解を混同していた。

手術をうける患者は手術室で行うため、抗生剤を持参する。

しかし、もう1人。午前中に肺炎治療のために抗生剤を投与する患者がいた。

おむつ交換して、皮膚への軟膏を考えながら、
抗生剤への情報をまぜて、考えてしまい、気づかないうちに
情報を混ぜ合わせてしまっていた。

どうしてこうなってしまったのか?

「確認したはずだったのに・・・。」と落胆しても、もう遅い。
過ぎた時間は、もう戻らない。

この日も、忙しかった。
1つの内容に集中しようとしても、別の情報が入ってくる。

今日は、担当患者の検温をいつもより早めに切り上げるしかなかった。
時間が足りなかった。ながら作業になっていた。



理由は、いくつかあります。しかし、どれも本質的なものでは、ありません。

「また、ミスをしてしまった。気をつけていたつもりだったのに。」

「どうして、私、仕事ができないんだろう。」

看護師の業務は多忙です。ミスをしてしまうかもしれません。

しかし、命が関わっている仕事上でミスは許されません。

些細なミスから、重大なミスまで予防するためには、どうすれなよいか?
考えていきましょう。

看護師である読者は「医療知識」だけでなく、効率性や計画性を求めて、
読んでみてください。

まず、なぜ、ミスをするのか?その原因について定義しましょう。

集中力は金魚以下!?




ミスをしてしまう原因の1つとして、集中力の低下が、挙げられます。

人の集中力は、金魚より長くつづかない。と言われています。

人が8秒、金魚が9秒と言います。

人は、自分で思っているより集中できていない生物だと、前提を置きます。

業務中に「あれ、今、何をしようと思っていたんだっけ?」と思うことはありませんか?

スタッフから声をかけられると、思考が阻害されるとそこで、
自分の思考、集中力が切れてしまいます。

看護記録や内服薬チェック。何かの確認事項の作業中に「もう!話しかけないでよ!」と言いたくなるシーン。

これらは全て、集中力を阻害している因子になっていると言えます。

近年、集中力が低下していることに、スマホも関係しているそうですが、
これは、今回の記事とは趣旨がずれてしまいますので、割愛します。


元来、病院や施設では、業務中、ダブルチェックを行うことが習慣となっています。

内服薬、注射など。
人体に及ぼす影響があるものは、2人で確認するようにしています。

これは、事前にミスを予防することを目的としています。

しかし、そのダブルチェックも習慣というか、やっていれば、よい。
という認識が暗黙の了解となっています。

集中力に低下により、行うべき作業が疎かになっている内容の代表例と言っていいでしょう。

あなたは、人は集中力が思ったほど続かないことを知りました。

次に問題になるのは、マルチタスク

女性はマルチタスクが得意。など、性別で異なっている。など言われたりしますね、

そんなマルチタスクについて、次は、書いていきましょう。

マルチタスクができることは、美徳ではなく、気のせい


先程に女性はマルチタスクが得意、だから、色々なことを同時に行うことができる。

そのように認識している人が多いのではないでしょうか?

しかし、この認識は間違っています。

著書「SINGLE  TASK」では、否定しています。
マルチタスクは行っていて、良いことはなく、男女間での差も否定しています。

マルチタスクを行うことにより、
脳に炎症がおき、思考力、集中力、判断力などが低下。
さらには認知症が発生しやすい。と研究されているほどです。

著書「SINGLE  TASK」での情報を元に、訂正をしておきましょう。

看護師の9割は女性です。昭和世代の価値観から、育児や家事など同時にできることが、女性はマルチタスクが得意。
という間違った認識を生んでしまったのではないか。と考えています。

しかし、女性も男性も等しく、マルチタスクが不可能で、脳に弊害を発生させます。

1つ目の集中力が低下していること、マルチタスクであること。
ミスをしやすい環境が相互作用を及ぼしていますね。

看護師は常に、複数の患者や高齢者を相手にしており、マルチタスクを引き起こしやすい状況です。
ただでさえ、短い8秒の集中力が少なくなっていきます。
そして、ミスへの引き金になる。

個人的な因子として、睡眠不足やモチベーションの低下なども関係しており、相互作用を引き起こしますが、後日、無料記事にて書かせていただきます。

最後に


ミスを起こしやすい状況を2つ挙げてみました。どんなにミスを予防しようとしても、ミスをしやすい環境を作っていたら、ミスは減らない。

しかし、これは、現実です。
フィクションだと考えている人が、誤解しないように説明しておく、と
看護師の業務は多忙であり、毎日、このような忙しさで働いている。
コロナでの感染爆発があった時、これ以上に忙しく、疲弊していたことでしょう。

すでに、個人で予防策を講じることも限界を感じます。

では、ミスを起こす事象はどうすれば、防ぐことができるのか?

ダブルチェックやバーコードによる識別チェックなどを行なっている病院もありますが、導入するには、お金がかかります。

コストはあまりかけたくないですね。

コストを最低限に。
私は、効率性と計画性を確立させると、少なくなると思っています。

個人単位で、また、組織単位で行うことができれば、ミスは減ると思います。

ミスを予防することは、容易ではありません。
しかし、少なくするために取り組むことは必要だと思っています。
予防策を講じて、現実に見合ってない。予防効果が期待できない。場合など
変更して、時間の経過とともに改良していけば、良いのです。

最も、愚かなことは、分かっていて、何もしないこと。
失敗でも、的はずれでもやらないと何も変わらない。


私のnoteでは、このような「労働」に関する悩みを解決できたらと、思います。

共感していただけたら、「スキ」をしてくれると嬉しいです。

私の記事が、誰かの役に立てると幸いです。

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