『藁にもすがる獣たち』
原題「韓 지푸라기라도잡고싶은짐승들/英BEASTS CLAWING AT STRAWS」
◆あらすじ◆
事業に失敗し、認知症の母の世話をしながらサウナでのアルバイトで生計を立てるジュンマン。ある日、客がロッカーに置き忘れたバッグに気付き、中に10億ウォンの大金を発見する。そんな訳ありバッグは、失踪した恋人が残した多額の借金の取り立てに追われるテヨン、暗い過去を捨て新たな人生を夢見るヨンヒ、株式投資の失敗で作った借金が夫にバレて家庭が崩壊した主婦ミランはじめ、すぐにも大金を必要としている欲望にまみれた者たちの運命を大きく狂わしていくのだったが…。
こんな風に登場人物一人一人がちゃんと映える演出はなかなか無いように思う。
個性のバランスとか職業や人物像とか役の設定がかなり考察されてる気がする。
或るシーンで「なるほどこの職業設定はココに繋がるのね!」みたいな細かさがあるんだよね。
一見無関係な登場人物達が絶妙に繋がる息の吐けない脚本の上手さはピカイチだな。
その上、血糊がドバーッな重度?!のバイオレンスと金に対する欲望への皮肉さが相まって大変好みの仕上がりになっておりました。
時系列の違う2本のラインが平行して進むからやや惑わされる傾向のある作品だが、
話が進むにつれ靄が段々と晴れるような感覚で締めくくられる爽快さもある。
でも、ラストシーンが過ぎると「その先は?」みたいな気持ちにもなるからオモシロイ。
ラストは「自分ならどうするか?」と言う問いに出した答えで人格が見えそう(一一")
まぁ、ワタシの答えは決まってるけどね。
大金を目の前にしたら善人も悪人も境が失われるのかな?
それとも、地道に生きてたらいい事あるよ的な教訓めいた事を言いたいのかしらん?
いや、そうじゃないよね?!
根が真面目な人間は犯罪を犯したらその犯してしまった事への恐怖や悔恨の念に悩まされて頭おかしくなる筈。
だからもし目の前に危険な匂いがするけど絶対美味しい大きな飴玉がぶら下げられた時その後の激痛なムチを想像できるか否かの人間性をこの話は語ってる。
もし、ムチを想像せず飴玉に齧り付けばきっと報いはあるんだと思う。
でも、それでも本当に誰にも気付かれずに飴玉を最後まで舐め切れるチャンスが巡って着たら「さぁ、アナタならどうする?」って話だね。
まぁ、事の発端は多額の借金とその保証人になった馬鹿な男の話なんで、この作品の根本は「保証人にはならない!」なんだろうなww
人間てなんて滑稽なんだろうと俯瞰視点での演出がこの作品の見応えだね。
凄く面白かったわ!
アッシは一人でスタコラサッサ……奔奔奔…
タタタッ!!≡≡≡ヘ(*-ω-)ノ
なーんてね。
2021/02/28
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