![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118733049/rectangle_large_type_2_3c153edcb7dd46b2549dc29bdccd657b.jpeg?width=800)
映画感想『イコライザー THE FINAL』
原題「THE EQUALIZER 3」
◆あらすじ◆
シチリアで重傷を負ったロバート・マッコールだったが、辿り着いたアマルフィの町で、親切な住人たちの治療と看病によって回復する。やがてこの町を気に入り、ここで余生を静かに暮らそうと思い始めたマッコール。だが、そんなのどかな町が残忍なギャングに狙われ、住人たちが次々とその毒牙にかかってしまう。人々の苦境を目の当たりにし、悪の魔の手から町を守るために立ち上がるマッコールだったが…。
アーントン・フークア監督×デンゼル・ワシントンが描き出した【殺しの美学】が最高だ。
ガチャガチャしまくった『ジョン・ウィック』に比べ、まさしく王道な大人(初老)の引き際的演出。(10歳違いだからマッコールにしてみればJ.ウィックなんてヒヨッコだわねww)
予定調和と言ってしまえばそうかもしれないがロバート・マッコールと言う男のこれぞ生き様と言う演出に魅せられた。
彼の目的が最後の最後まで明かされない展開とその理由の明かし方も粋だ。
「何故?」ではなくそれが彼の遣り方なんだと納得してしまう。
前2作に比べ、アクションシーンは少なく感じるがその内容の濃さで勝負!
冒頭のワイナリー、死人の数と殺され方をじっくり映すシーンが終盤のマッコールのスゴ技に繋がる。
迅速且つ残忍に悪を成敗していく鮮やかさはまさしく【美】と言える。
まぁ今作は監督の計らいなのか2004年公開の『マイ・ボディガード』で共演して以来どうやらプライベートでも親交のあるダコタ・ファニングとの20年ぶりの共演。
当時9歳だったダコタが29歳でしかも今作ではマッコールの古巣CIAの捜査官として登場。
![](https://assets.st-note.com/img/1697127350821-SnikkoPKQw.jpg?width=800)
劇中でマッコールがダコタ演じるコリンズに捜査のヒントを与えるんだがコリンズは「何故、ワタシに?」と問いかける。
その答えは終盤まで明かされずシリーズを観てきたファンにとっては「なるほど」と思う理由が用意されてた。
デスクワークをしながら捜査官として上を目指すコリンズにとってマッコールの情報は調べる価値のあるもの。
もしかしたら重傷を負ったマッコールはコリンズの手を借りる為、本来なら自分が成すべき調査を【依頼】したのかもしれない。
そして二人は接点を持つ。
アマルフィの見事なほど美しい色彩、石畳の階段、憩いのカフェ・・・。
そんな中でけん制していたコリンズがマッコールとの距離を縮めていく過程の描き方もイイ。
![](https://assets.st-note.com/img/1697124877679-DUdwjT4fiP.jpg?width=800)
なにより前2作と違うのはマッコールが町全体を救いたいと思ってしまう所。
過去作は知り合った若者のチカラになる設定だったが今回は彼が“結局”自分の身を置きたいと思ってしまうという【余生を見据えた】演出だった事だ。
カフェに座り、紅茶を飲み、町を行き交う人たちを見つめるマッコールの姿。
リハビリと体力作りの為に一歩一歩石段を上り下りするマッコールを次第に受け入れていく住民たち。
![](https://assets.st-note.com/img/1697125048205-9QWrCIcQAs.jpg?width=800)
マッコール目線で描かれる南イタリアの美しい町並みと市井の人々の温かさが彼と観客の心を同時に動かすのが素晴らしい!
![](https://assets.st-note.com/img/1697124923541-0fFDsv8kBO.jpg?width=800)
そんな演出がフークア監督の真骨頂の様に思える。
ホントにこれで終わりですか?
原題は『THE EQUALIZER 3』なんで4だって5だって作れるよね~ww。
まっ、寂しいけど仕方ないっす。
◆ネタばれ◆
が、そこは地をイタリアに移したんですから!
登場しましたイタリアン・マフィア。
カモッラ一味と言う“絵に描いたような”マフィアっぷりww
![](https://assets.st-note.com/img/1697125418486-KqmDzfJFTw.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1697127518950-daucqVsjum.jpg?width=800)
そしてマフィアの首領(と書いてドンと読む)の弟っつーのがタチの悪いチンピラ。
見た目がネオナチ!
ソイツ等のオイタが過ぎ過ぎでマッコールの逆鱗に触れるわけだ。
もうマッコールに目を付けられたら既に死んだも同然!
「貴様は既に死んでいる」と胸に指を突き付けたい気分にはなったな。
で、ボッコボコよ!ボッコボコ!
![](https://assets.st-note.com/img/1697125444092-paHB9KPHn8.jpg?width=800)
結果、マフィア全滅~~~~!!
そう!ここで冒頭のワイナリーの一件が如何に行われたかが再現されるわけよ。
もう、マジで殺しの美学よ美学!!このセリフ2回目だからね。
【鮮やか】っつー言葉はこう言う時に使うんだね。
観てるアタシも殺し屋気分になっちゃったもんね!
(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(これじゃSMかww)
で、何故マッコールがコリンズ捜査官に調査を持ち掛けたか?の答えは終盤に映される写真にあった。
エマ・コリンズはマッコールの元同僚且つ友人だったスーザン・プラマーの娘だったんだね。
なんかさ、義理と人情みたいな世界感は共通なんだなって思うわけ。
![](https://assets.st-note.com/img/1697125518468-J0fbl10plJ.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1697125540052-RW6QJTzFSC.jpg?width=800)
で、最後の最後にマッコールが何をしたかったか?と言う今作の彼にとってのメインテーマも明かされる。
年金をカモッラ一味に全て奪われたと言う老夫婦の話。その年金を取り返すと言う使命だったんだね。老後はマジ年金大事だから騙されない様にしないとね。
まぁカモッラ一味もぶっ潰し、事を成して町を離れようとするマッコールはグッドタイミングでサッカーの地元勝利に沸く隣人達に手を取られ自分がこの町の住人になったんだと気づかされるんだよね。
そうなったらもう・・・それは安住じゃね~かよ~~~~!!!!
クソッ、殺し屋に安住の地なんて似合わねぇんだよ!
最後殺されないなんてルール違反なんだぞ!
でもよ、通報せずに助けてくれた医者、エンゾとカラビニエリ(国家憲兵)なのに目を瞑ってくれたジオに出会ったのが運命。
![](https://assets.st-note.com/img/1697125639289-Sn5zePKf6U.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1697127279778-aVBzUlx3vJ.jpg)
いつまでも幸せに暮らせよ、マッコールさんよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?