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『カムバック★トゥ★ハリウッド!!』

原題「THE COMEBACK TRAIL」

◆あらすじ◆
恐ろしいギャングのレジーに多額の借金をしていたB級映画プロデューサーのマックス。返済のめども立たず窮地に陥っていた時、ある悪だくみを思いつく。それは、アクション映画の撮影中に主演俳優を事故死させて保険金を手に入れるというもの。老人ホームにいた往年のスター、デュークを担ぎ出すと、さっそく西部劇の撮影に取り掛かる。そして、撮影中の事故に見せかけてデュークを殺そうとするマックスだったが…。


これ、侮っちゃいけなかった!
めちゃくちゃ映画愛に溢れてた。
その上、B級映画好きには堪らん作品だった事は間違いない!

オスカー"大御所"俳優を3人も起用してこの内容って・・・てかこの作品、時が進むにつれ完璧に面白くなっていくと言うね。
ラストは歳を重ねてないと言えない台詞にややホロり。
いや待て、むしろエンドロール後が一番面白かったわけで・・・。


最初はねちょっと「あれ?」な感じで若干ゆる~いスタートなの。
正直眠気に襲われた・・・劇中映画の撮影が始まるくらいまでね。

デ・ニーロ演じる映画プロデューサー、マックス製作の劇中映画『尼さんは殺し屋』と言うしょうもなさそうな超B級作品であろう映画が神への冒涜だとか云々で反対デモに遭い大コケするんだが、借金先のレジ―(モーガン・フリーマン)への多額の借金が返せない事で命の危険が迫る。
が、マックスも海千山千のプロデューサー、保険金詐欺で返済金をせしめようと悪巧みを計る。

ココからが馬鹿らしいけどベテラン俳優達の見せどころで歳は喰ってもレジェンド俳優、きっちり笑いを取りながら映画を成立させていく安定感はさすがの一言!
デ・ニーロは俳優人生でマフィアとか結構ハードな役柄が目立ったけど意外にコメディもお好きそうで今作でのトミー・リー・ジョーンズとの絡みもとても楽しかった。

そのトミー・リー・ジョーンズがまた良くってね。
往年の勢いは皆無で自殺願望を抱えたお爺役。

介護施設に入っちゃってったのにこのマックス企画の西部劇に出演し始めると段々生気を取り戻して行って"事故死"になる様なアクシデントも上手〜く回避してむしろ"不死身の男"ぶりが却って作品を面白くしちゃうって・・・普通に王道の話なんだけどこれがねレジェンド俳優にかかるとなんだか凄い作品に仕上がって行くからオモシロイのよ。

リアルでオスカー獲ってる名優達がアカデミー賞狙って奮闘する姿の滑稽さに皮肉と笑いが交差してる。

もちろん脇を固める俳優達もイイ仕事してるからなんか観ててホッコリなんだけどね。

ザック・ブラフ
エミール・ハーシュ
ケイト・カッツマン



で、結局【アカデミー賞】にノミネートされる程の作品になっちゃった・・・てな話なんだけど・・・劇中映画のラストシーンは重鎮のお言葉にホロリってなる・・・。

その流れでエンドロールもしっかり流れて「なんか良かったねぇ」的に終わるのかと思いきや!!

冒頭にタイトルだけが登場する例の『尼さんは殺し屋』(誰かが「尼さんの殺し屋軍団」の方が合ってるって言ってて納得)の予告編をエンドロール後に大サービスで流してくれる。
こんなファンサービスある?
その予告編がタランティーノかロドリゲスか?みたいなグラインドハウスを彷彿させる映像だってのが最高なんだよなー!!
『マチェーテ』みたいにちゃんと本編作ってくれないかなぁ、スッゴク観たいんですけどね。

2021/6/27

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