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『最後の決闘裁判』

原題「THE LAST DUEL」

◆あらすじ◆
14世紀のフランス。騎士ジャン・ド・カルージュの妻マルグリットが、強姦被害を訴える。犯人とされたのは従騎士のジャック・ル・グリ。しかし目撃者もなく、無実を訴えるル・グリと重罰を望むカルージュの主張はいつまでも平行線のまま。そこで真実の行方は、神が正義の者を勝利に導くと信じられていた、互いの生死を懸けた決闘裁判に委ねられることに。それは、カルージュが負ければ、マルグリットも偽証の罪で火あぶりとなるあまりにも非情な裁判だったが…。



荒涼とした色彩で描かれる14世紀ヨーロッパ。

リドリー・スコットらしい生々しさ炸裂の領地争いを背景に封建時代の家父長制、男尊女卑を浮き立たせる。

展開自体も3部構成だが或る事件を主人公3人の3視点から描く事で物事の見方の危うさが浮き彫りにされる。

プライドに憑りつかれた男。
欲望と快楽に支配される男。
そして二人の男を決闘にまで"導く"女。


実権と一人の女性を巡り真向から対立する元親友と言う酷く俗的な物語だがこの不変且つ醜い人間の欲と虚偽と言う題材を【真実や如何に?】と解明させない見せ方は面白かった。

物事を見る側面によって真実は如何様にも変わる、いや変える事が出来る。
増してや、この時代の真実=権力、腕力みたいな曖昧な【法律】では尚更だ。


真実の是非が観客に委ねられラストの決闘シーンは裁判の正当性どころか凍る様な冷酷さを映す。

強い者が全てなのか?

決闘の中心である事件を訴えた女性・マルグリットの目に男達の姿はどう映ったのか?

同じ女性としては非常に興味深く噛み応えのある作品だった。

あのラストに挿し込まれるマルグリットの後日談が多くの事を含んでいる様に見せているのもリドリー・スコットの意地の悪さが出てて大好きだわ!


しかし、ベン・アフレックの金髪があまりにハマってたのと彼の衣装サイコー!

聴くところによると元々ベンとマットのキスシーンがあったとか?
何かのインタヴューで読んだか聞いたかしたんだけど何処に入れる予定だったのだ?


アダム・ドライバー、ナイス!
てか、イイ男担当なんだね、この作品では・・・なるほどね・・・。


そしてジョディ・カマーがマルグリットに齎す俗才ぶりには惚れる。


2021/11/02

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