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石と先生

石を接写してサルトルという題名でアップしたと
ころ結構ご好評をいただいた ご飄々とミスタイプ
した やはりにらんだ通りこちらのサイトの皆さん
の基礎教養は高いのだ 私はと言えば元ネタ
の嘔吐は読んだかどうだか サルトルと言って
アンガーシュマンという言葉があったような思い
がした 政治参加みたいなことでしたっけか
存在の不確かさ 存在の蓋しかた

何故知っているかというと教養科目でとった倫理
学で習ったから 少しお姉みのある壮年の先生
だった 石川先生 多分バイトで教えに来ていた
のだろうが 初め15人くらいの受講生がどんどん
減少して 最後はほぼ差しでの授業になった
昭和の大学あるあるある いまはそゆの許され
ないんですってね 中庭の明るい三号館の一
教室での講義 真面目だったからではなく 内容
が興味に合致したから途中で消えなかったの
だった

先生はもともとキルケゴールの専門だったようで
それで弟子筋のサルトルにも触れたという訳で
人間は自由であるべく呪われている と言われて
何となくわかった風な気になっていたが 今
膨大な空白時間を得て 実感として言葉がしみ
る いつかこうなるだろうとは思ったが それは
もっともっと先だと思っていた

暇すぎて石など撮る 石の中の時間 などとい
えば安易に文学性を付帯できそうだが そんな
永遠 人には要らない 生えた苔は勝手に生え
それで勝手に乾いて枯れる しかし胞子が潜伏
していてまた湿れば生えてくる 侘びでもさび
でもない 帯状疱疹ウィルスのようだ 実際
苔は掃除しても掃除しても水槽の内面に生えて
きて 塩素漂白で一発なのだが それをすると
生き物も全滅する 当然飼い魚はよけるとして
水質保全のバクテリアも死ぬ こちらは水苔と
違ってちょっとしたバランスで生き死にするので
それで 死んでその役割を痛感するので

マロニエの根本のこぶをみてあげる 電信柱
の付け根で 書きかけておぞましくなる 石川
先生はどこの石川先生だったのだろう 私の
答案 無くしましたね まさか 大学でテスト
100点取るとは思いませんでした 最初につい
たBはAに変更していただきましたね それでも
Aの数は全然足りなかった 成績がよければ
そのまま母校の事務員になって 楽ができると
思ったのだけれど

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