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バートはBJ

姉のフェイスブックをこっそりフォローしている
結構友達が多くて驚く そんなに社交的なタイプ
ではなかったような気がするが 一緒に暮らした
のは姉が23の時までだから その後の人生に
ついては詳しく観察していたわけではない して
たら怖い どういう伝手か 音羽の方で長く校閲
ガールをしていた 鼠国の雑誌にかかわったり
していた それから自分で商売を始めてしばらく
経つが昨年は創業以来初めて赤字だったそうだ 
それでもSNSの投稿はけっこうおチャラけている
そういう姉の一面を知らなかった 弟は見ている

その姉はバリバリのプログレ者なのだが プログ
レ というのは1970年代に隆盛を極めたプロ
グレッシブロックを指すが その姉がバートバカ
ラックを聞いている と言っていて そういえば
先日亡くなったなあ とあのバリバリにアメリカ
感のする柔らかくて太い歌声を思い出した よく
CMソングに使わているようで 何気なく誰もが
聴いている それがバカラック それが大国
アメリカのキャピタリズム などというと話が壮大
になったような気がしす

バカラックの音楽というのはなんというか それ
ほど聞いていないが 昔の ボタンで選曲する
カーラジオから 何だかどうでもいい喋りのあ
いま もっと言えば英語放送のアメリカ極東ラ
ジオから流れてくるのが 何だかそういう感じ
がしてもっとも正しい聴き方な気がする FEN
から それこそプログレの イエス ラウンドア
バウトが流れてきた時には 思わずおあのAMの
ひしゃげたような音質にもかかわらずまるまる
一曲聞きこんでしまったが バカラックは聞き流し
専門で 苦悩のない 柔らかくておおらかな男
声の歌は まさにながら聞きの王道で デカい
手で笑いながら握手を求めてくるような音楽だ

とは言っても莫迦にしたものではない いろいろ
なジャンル含めて 好きな曲ベスト20くらいに
個人的に 雨にぬれても が入る はじめて
聴いたのはピンポンパンでお姉さんがカバー
していたバージョンで 雨だれ小僧ちゃん と
歌い始めて 最後に 雨だれの 首飾り といっ
た詞で締める ひとつ二つ三つ四つほら 僕た
ち濡れても平気です カバーというより替え歌
なのか 訳詞された歌詞なのか 多分お姉さん
は酒井ゆきえだったのではないか

海外に行ったことは数回しかない しかもすべて
団体旅行だが たとえば ちょっと埃っぽい 
排気ガス臭い白っぽい雑踏の国で 粗末な青の
プラスチック椅子に腰かけて 土地のものを食べ
たりしているときに ふと気が付くとスピーカー
からバカラックが
Raindrops Keep Fallin' on My Head
とふんわり歌いだしてくる そんな気がする そ
れが巨大国アメリカの 世界津々浦々に染み
渡る国力の象徴みたいに感じるのではないか
そんな国に行ったことはないのだけれど

と思って あの歌 バカラックが歌っているのか
と思ったら B・J・トーマスだって 歌ってんの
マジか 今まで壮大に勘違いしていたってわけ
か 何がアメリカのキャピタリズムか ろくすっぽ
物を知らずに知ったかするからこういうことにな
る ろくにバカラックも知らんくせに追悼めいて
恥ずかしくなったっく

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