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『天気の子』が控えめに言って最高でした ※ネタバレあり※

 「秒速5センチメートルは会えそうで会えなくて、途中で寝た」私でしたが、『君の名は』にはバチクソに感動して、折に触れて録画したテレビ放映を見直したり、ここの名駅の乗り換えシーンが最高だよねって言ったりしています。

 そういうわけで、この3年ほど新海作品のにわかファンを続けているわけですが、見てきました『天気の子』。

 とりあえず、エンドロールが終わってトイレに入るとそこには、泣きはらした30過ぎのおばさんが…。そうです、最高でした。

 映像が素晴らしいのはさることながら、粗いと評価されがちな構成も私的には、子どもと大人の境界線がうまく描かれていて、胸が熱くなりました。100%晴れ女のひなちゃんが終盤でどうにかなっちゃうのは、きちんと最初の占い師のおばさんが伏線、貼ってたしね。だからこそ、無邪気に晴れさせる3人の子どもの姿に胸を締め付けられました。

 たぶん村上春樹の本をたくさん読んでいたらもっと楽しめたかなぁ、と思います。とりあえず「ライ麦畑でつかまえて」と「海辺のカフカ」を読みます。

 セカイ系というジャンルがいまだに言語化できなくてモヤモヤしているわけなんだけど、通常きみとぼくがなんとかして世界を助けるか(ポニーテール萌えね)、もうどうでもよくなってこっこ作りながら世界が終わってくのを見てるだけになるか(最終兵器彼女ね)のある意味2択なところを、敢えてその中間をとったっぽいラストにしたっていうのは新海監督のメッセージなのかなぁとも思います。

 とりあえず、世界は終わらないけど「あれから今日まで3年間、ずっと雨です!」ってすごい終わり方ですよね。あっちの世界かこっちの世界か選ばずに、足して2で割ったような世界を作り出してしまうという。

 ただ、ほだかくんはその結末に対して自責の念を感じていて、うじうじうじうじしていました。それっぽいなぁとも思うんだけど、反して周りの大人たちは割と好意的に捉えています。ある意味では、それがもう一つの子どもと大人の境界線でもあるのかなぁと勝手に解釈してみました。最後のセリフは「大丈夫!」だし。

 多様化したこの時代の子どもたちに、どんな選択をしても「大丈夫」ってことが言いたかったのかなぁと。だって「止まない雨はない」という史上最大のポジティブワードを全否定したラストなのに、あんまり悲観的じゃないじゃない?すごい〜

 それから声優陣についてもひとこと言わせてください。

 主人公のふたりはまぁ良かったです。本田翼のなっちゃんは私的には最高でした。あの映画を、なっちゃんの成長物語として見たら至極満足できるんじゃないかとさえ思っています。ただ小栗旬は役の感じといい絵といい、藤原啓治以外に考えられないのでずっと脳内変換して楽しんでました。私くらいのレベルになるとそんなこともできるんです。

 あと、刑事役が梶くんだったってエンドロール見て気づいたから、そこで一番強く「2回目見たい…!」と思えました。梶裕貴としてもう一度、楽しんで来たいと思っています。

 凪くんのお友達が竹達綾音ちゃんと花澤香菜ちゃんで、面会の紙に「花澤綾音」って書いてあって、「入れ変わってる!!!」ってなったところがもっともテンションが上がりました。

 みつはとテッシーとさやちんが出てきたとこも良かったよね。滝くんは、「滝くん、都内におばあちゃん住んでたんだ」っていうのがすぐに受け入れられなくて、エンドロールまで滝くん本人だって認められなかったよね。でもあのおばあちゃんが最後に住んでたのって、滝くんの団地なのね。すご!!

 最後にまとめると『千と千尋』っぽいなぁと思ってたら、結果的に『崖の上のポニョ』でしたっていう感想が一番しっくりくるので、それで締めます。

 まとまりない!笑

 

読んでいただきありがとうございます。まだまだ修行中ですが、感想など教えていただけると嬉しいです。