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曾祖父さんの伝記本。

ウチの家族はちょっと変わっています。昨年僕が本を出版した時も、姉兄・甥っ子姪っ子達が全員まったく興味無しで無反応。僕も「読んで読んで!」と押し付けるタイプでは無いので、まあそんなものかなと。

んで、その昔実家の本棚を掃除していたら古い本が出て来た事がありまして。昭和38年出版の伝記本。誰の本なのか父親に聞いたら、
「ああ、それはお前の曾祖父さんの伝記本だよ。オレも貰ったけど読んだ事無いんだが。」
一族の本なら読んでみるかと最後まで読んでみた結果、曾祖父さんが明治時代の事業家だった事を初めて知りました。かなりのアイデアマンで大富豪で衆議院議員だったようで。大阪・心斎橋にはグリコの大看板がありますが、その昔は曾祖父さんの会社の大看板が立ってたんだと。

最初のページに元建設大臣の寄稿文があって、「○○氏と言えば、日本で誰もが知る有名人」と記してあるのですが…….一族だけど知らなかったよ。

里見氏も江戸時代初期に改易処分となり、地元の人達からも忘れ去られていました。『南総里見八犬伝』の大ヒットで再び光が当たり、里見氏研究が現代まで続いています。

誰も業績を伝えなければ、過去の人はすぐに忘れ去られるものなんだなと。そして、ウチの家族が僕以外誰も曾祖父さんの伝記本にまるで興味を持たないように、基本的に人間は「自分以外なんてどーでも良い」ものなのだなと学びました。

伝記本を書いた人は「曾祖父さんスゲー!」と拍手すると思って出版したのでしょうが、皮肉な事に「みんな曾祖父さんの事なんてどーでも良いし、今の自分もあっと言う間に忘れ去られる」と悟るキッカケとなりました。どうせ忘れられるんだから、人生は楽しんだ方が良いし、下の世代の為に財産を残してやる必要も無いですね。

曾祖父さんは稼いだお金でお祭りに多額の寄付をしたそうです。今の価値で24億円くらい。今でも日本有数のお祭りなのですが、そんな風にみんなが楽しめる使い道が、きっと一番良いお金の使い方なのでしょうね。

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