世界最強クラス(仮)
客観的かつ冷静に分析すると、どうやら僕の頭脳は「世界最強クラス」と称して良さそうです。
大抵の暗号はすぐに解いてしまうし、未解決事件の犯人を暴く事も、日本史の謎を解く事も、僕にとってはスニーカーの紐を結ぶくらいの難易度だったりします。慧眼の才能はダテでは無いです。
周りからはイケメンと思われていたようで、駅のホームで他校の女子高生から投げキッスをされたり、バイト先でもお客さんから連絡先を聞かれたりしました。いじられキャラで友達からの誘いは断らなかったから、男友達も沢山います。
だけど自分が優秀だともイケメンだとも思った事は一度も無かったです。兄貴の方がイケメンで成績も良くてスポーツも得意な凄い人だったから、ずーっと自分が「二流」だと思って来ました。平気で浮浪者と一緒に野宿していたし、ボロい服装と安物の鞄で大学に通っていました。
客観的に判断して世界最強クラスの頭脳だとしても、本当の最強達は別に存在すると信じています。だから「世界最強クラス(仮)」。
そして、「別に僕が居なくても世の中はちゃんと廻る」「自分よりもみんなの方がずっとずっと凄い」と感じて何だか安心するのです。
僕はクルマの運転が下手です。シューティングゲームが下手です。理数系も苦手。飲食店のバイトも使えなくて戦力外になりました。だから、当たり前の様に出来るみんなをいつも尊敬しています。
藤波選手がメジャーで苦戦しています。ハンカチ王子とフィーバーだった斎藤選手も活躍出来ずに引退しました。二人に共通するのは甲子園優勝投手で、「人のアドバイスを聞かない」「練習嫌い」と言う性格。
なまじ成功体験があるから自分は優秀なんだとプライドが高く、成功した方法に固執してアドバイスを遮断する。だから結果的に高いレベルの世界に行くと通用せずに失敗します。
僕には慧眼の他にも、予知能力だったり望みが叶ったり、漫画みたいなチート才能が沢山あります。それは一族の皆さんが紡いでくれた大切なモノ。そして周りのアドバイスも、僕を伸ばそうとする想いが込められた大切なモノ。だから必ず素直に聞きます。
今の僕はほとんど貯金がありません。働き始めて30年間、ずっと貯金0でした。それは、稼いだお金で色々な人達を支えて来たからです。
お金の本質は使う事あり、貯蓄額よりもその使い道が重要だからです。そして50歳になった今、支えて来た人達が逆に僕を支えてくれて、お金の方から僕の元に集まって来ています。んで、集まったお金はもっと沢山の人達が潤う為に活用しています。
僕は自分が二流である事に誇りを持っています。そしてこれまでの人生を振り返ってみて、人から「有難う」って言われた回数なら誰にも負けないな~と思います。
(仮)が取れるのは僕の人生が終わった後。それが僕の流儀です。
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