サプライチェーン業務はなぜ複雑なのか


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こんにちは。私たちZenportは、国境のない経済、世界中の人々がつながる未来を実現したい。そんな思いで、貿易業務が抱える課題にアプローチし、プロセスをシンプルに最適化するクラウド型のサプライチェーンマネジメントツール「Zenport」を提供しています。
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さて、皆さんは「サプライチェーン」という言葉に対してどのようなイメージをもたれるでしょうか。一般的にサプライチェーンは製品の原材料・部品の調達から製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れを指しています。

バリューチェーンという言葉もありますが、「チェーン」という言葉が示す通り、ひとつひとつのプロセスが途切れることなく鎖のようにつながっています。また、これらの鎖がスバゲッティーのように絡まり合ってしまっています。

今回は、貿易をはじめとした国際的サプライチェーンで発生する煩雑な業務と、それを作り出している要因についてご説明していきます。

別々に作られるデータをつなぎ合わせる
貿易に携わっている方ならご存知かと思いますが、サプライチェーン業務はとにかく煩雑です。いくつかの要因があるのですが、特に我々が着目しているのは、サプライチェーンのプロセスを追うごとに出てくるデータの連鎖です。

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一般的にサプライチェーンの中で貿易に該当する部分には大まかに発注→生産→輸送の順序の工程があります。そしてそれぞれの工程ごとに発注データ、出荷データ、輸送データという3種類のデータが生み出されます。輸入者、輸出者、フォワーダ(国際物流業者)がこの工程に従ってそれぞれ順番にデータを作り、つなぎ合わせていくことで最終的に商品が輸入者の手元へ届けるために必要なデータが完成するのです。

具体的には、まず輸入者は発注データを作って輸出者に送ります。そして輸出者が発注データを基に生産を行い出荷データを作ります。ここで出荷する数量と時期を特定し、これを基にフォワーダが輸送データを作成します。これらのすべてのデータを基に、輸入者が自社の発注に対して商品、数量、納期に合っているかを確認します。

このように、サプライチェーンにおける各工程が連なっているため、一つの工程のデータだけで完結せず他の工程のデータが必要となり、各関係者は他の工程のデータをもらう必要があります。ただ厄介なことに、工程ごとのデータは夫々が管理しているため、夫々の会社の業務フローやシステムに合う独自のフォーマットで管理されています。そのため、データの共有後に再度自分たちのフォーマットに適するように書き換えなければなりません。

このようなプロセスを経ることでようやく、自分たちのデータを結びつけて全体感が把握できるようになります。通常全てのデータを統合するシステムのようなものがないため、データをつなぎ合わせるために、エクセル等を使い手作業で業務を進めているケースが非常に多いのが実態です。

繰り返されるデータのフォーマット変更と結びつけ作業
さらに困ったことに、このデータを集めつなぎ直す作業は一回だけでは終わらず、リアルタイムで企業の垣根を超えてつなぎ合わせなければいけない場面が多々出てきます。例えば納期の変更や輸送スケジュールの遅れなど、契約内容や全体行程の流れの変更が起きた時、あるいは全体行程の現状がどうなっているか確認する時です。

例えば生産が遅れた場合に、納期通りに出荷できる数量を特定して最初の輸送数量を減らし、それ以外の数量に対して新たに輸送を組むなど、輸送を組みなおす必要があります。さらに輸送数量が変わるため、コンテナのサイズを小さいものへと変更したり、他の品物を急遽併せて輸送する必要が生じます。これらの変更により、出荷データのみならず発注データと輸送データも併せて変更しなければならないのです。

こうしたデータを結びつける業務を、上記の通り現状を確認する時や契約内容や全体行程の流れの変更が起こるたびに繰り替えすことになるのです。この「各データが別々のフォーマットで作成されること」と、どうしても発生する「データの結び付け業務」がこの煩雑性を紐解く大きなキーワードだと思っています。

サプライチェーン上の各行程ごとに発生するデータの編集・追記による莫大な業務によって、円滑なコミュニケーションが難しく、効率的に関係者がつながれない。そのため、知らず知らずの内に関係者同士のコミュニケーションに時間とコストがかかり、ついには関係企業のキャッシュフローを悪化させている...と書いてしまうと風呂敷を広げ過ぎかもしれませんが、現実にはこれに近しい状況に陥っています。


あとがき
まとめると以下のような4つの点がサプライチェーンのコニュニケーションを複雑にしています。

・発注・生産・輸送データを各工程で関係者が別々に作成する
・最終的に商品を届けるために、発注・生産・輸送データを結びつける必要がある
・各関係者はデータを独自のフォーマットで管理している
・生産スケジュールなど変更がある度に、データの更新と結び付けの業務が発生する

さらに次回、この4点が基で、コミュニケーションが複雑化するメカニズムをご紹介していきます。

株式会社Zenport
株式会社Zenportの提供するサービス”Zenport”は、貿易サプライチェーンで発生する煩雑なコミュニケーション業務を50%削減するオープンプラットフォームです。
貿易サプライチェーンでは、輸入者、輸出者、物流業者など多様な関係者間でエクセル、メール、電話のやり取りが日常的かつ大量に発生しています。しかしこれまでは、主に限られた企業間の高額かつクローズドな連結システムでしかこれを解決できませんでした。
Zenportは独自の標準データ構造とインターフェースで、多様な関係者間でオープンかつ柔軟にご利用頂けるクラウドアプリを開発いたしました。これによりより多くの企業様に貿易サプライチェーンを速く機動的に運用いただき、在庫や生産の最適化を実現いただけます。
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