見出し画像

夏は枝豆!秋もエダマメ!えだまめ、とことん味わい尽くそう。

こんにちは。JA全農広報部 note編集部員Nです。
さっそくですが…、一気に真夏がやってきましたね。連日、暑すぎな日が続いていますが、こんなときはやはり、「枝豆×ビール!」でしょう。ついこの間まで、スーパーの冷蔵エリアなどにちんまりと並んでいた枝豆さんも一気に平台に躍り出て、日に日に売り場を広げています。

枝豆は大豆の未成熟な実を収穫したもの。熟すと大豆になります。いつごろから枝豆として食べ始めたかは定かではないそうですが、江戸時代には枝についたままの状態でゆでたものが売られていたとか。「あぜ豆」や「さや豆」と呼ばれることもあり、そういえば農家の奥さんが「昔、枝豆ちゃ、田んぼのあぜに植えとったもんやわ」と言っていたのを思い出しました。

画像1

というわけで毎度のことですが、スーパーに行ってみましたら、青果売り場には青森、秋田、山形、群馬、千葉、東京、神奈川、新潟、石川、静岡…と、お店によっていろいろな産地の枝豆が並んでいました。枝からもいだサヤを鮮度保持袋に詰めたタイプが多いですが、枝付き、葉&根付きもあります。

画像3

写真ではちょっとわかりにくいのですが枝豆をじろじろ見ますと…、サヤやうぶ毛の色、豆や薄皮の色が異なります。大きく分けて「青豆(白毛枝豆)」「茶豆」「黒豆」があり、うぶ毛が白色で緑色が鮮やかな青豆(白毛枝豆)が最もポピュラーな枝豆です。茶豆系と言えば山形・鶴岡周辺の在来品種「だだちゃ豆」や新潟の「黒埼茶豆」、黒豆系では兵庫・丹波の黒豆や京都の「紫ずきん」などがあり、独特の風味で人気です。青森の「毛豆」や千葉の「小糸在来」など在来種のほか、種苗会社の品種改良も進み、今では枝豆専用の品種が400種類以上あると言われています。

画像3

全国各地で栽培されている枝豆ですが、野菜生産出荷統計によりますと令和元年産の作付け面積トップ3は新潟県、山形県、秋田県。3県の全農の広報担当&野菜担当さんに、各県の枝豆事情について教えてもらいました。

JA全農にいがた

(1)主な品種や時期

・新潟えだまめ(早生):6月下旬~7月下旬
・新潟茶豆:7月中旬~8月中旬
・新潟あま茶豆:8月中旬~9月上旬
・新潟えだまめ(晩生):9月中旬~10月中旬

(2)特に食べてもらいたい品種や時期
1つ目は「新潟茶豆」です。ゆでた時の独特の芳香とかむほどに広がる豊かなうまみが特長です。また、実の薄皮が薄茶色なことと、おいしさを重視し8分サヤ(8割ほどの実入り)で収穫することも特徴です。7月中旬~8月中旬までが出荷のピークで、まさに今が出荷最盛期。今年は天候にも恵まれ、品質も良くおいしい茶豆に仕上がっています。
2つ目は「新潟あま茶豆」。新潟茶豆の特徴を引き継ぎつつ、食べたときにより甘みが広がります。新潟茶豆に比べるとやや実入りを良くして収穫します。
枝豆のおいしさにうるさい新潟県の茶豆をぜひ、全国のみなさんに味わっていただきたいです。

ところで…、
前から気になっていたことがありまして、この機会に野菜担当さんに聞いてみました。

―新潟県民のみなさんはとてもたくさんエダマメを食べるそうですが…いつも、どのくらい食べているのですか???

消費に関する公的な数値としては家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2018年~2020年平均)の「1世帯当たりさや豆消費量」で新潟市(4.3kg)が1位で全国平均(1,8kg)の約2.4倍となっています。
個人的な感覚としては大きめのザルに山盛りの枝豆を家族で食べるというのが定番かと思います。量は家族3~4人でザル1つ分の量を食す程度でしょうか(これでは少ないという方もたくさんいらっしゃると思います)。

画像4

な、なんと…こんなに!!!新潟県民のみなさんはどれだけ枝豆を愛しているのでしょう!
そんな新潟県産枝豆のおいしさのヒミツやゆで方、レシピはJA全農にいがたのサイトで詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。

JA全農にいがた
https://www.nt.zennoh.or.jp/edamame/index.html

JA全農山形

(1)主な品種や時期

・だだちゃ豆(7月下旬~9月上旬):主に庄内地域鶴岡市で栽培
・湯あがり娘(7月下旬~8月中旬):主に鶴岡市、寒河江市、河北町で栽培
・秘伝豆(9月下旬~10月上旬):主に寒河江市、河北町、白鷹町、川西町、長井市で栽培

(2)特に食べてもらいたい品種や時期
8月上旬から9月中旬は特に枝豆の最盛期です。ビールにピッタリの枝豆は、ぜひ暑い日が続くこの時期に食べてほしいです。「だだちゃ豆」が有名ですが、晩生品種の「秘伝豆」も山形ではポピュラーな品種で、だだちゃ豆よりもサヤと実が大きく、香りやコクのある甘さが特長です。

(3)地元で定番の食べ方やおすすめレシピ
県内主産地である庄内地方では、枝豆を殻ごとみそ汁に入れる「枝豆みそ汁」が主流です。皮からだしが出てよりおいしくなります(※皮は食べません)。豆をすりつぶして作る「ずんだ」を使った「ずんだ餅」や「ずんだシェイク」は有名ですが、ほかにもごはんと一緒に豆を入れて炊く「豆ごはん」や、ミキサーでペースト状にした枝豆に生クリームなどを加えて「茶巾しぼり」にしたり、豆の「スープ」にしたり、皮ごと塩やニンニクと一緒に焼いて「焼豆」(※皮は食べません)にしたりと山形県では、おかずにもおやつにもアレンジして楽しまれています。
豆ごはんやペースト状にする際、そのままでもおいしく調理できますが、豆の薄皮をむいておくと、色味が落ちず、食感もより滑らかになります。

JA全農あきた

(1)主な品種や時期

・7月は早生系
・8月~9月は中生種:「湯あがり娘」(中早生)、「香り五葉」(中晩生)、「あきたほのか」(中晩生)
・10月は晩生種の「秘伝」

(2)特に食べてもらいたい品種や時期
8月~9月の出荷量が一番多く、旬の時期です。順番にいろいろな品種が登場しますが、特におすすめは、9月上旬から収穫が始まる「あきたほのか」。秋田県のオリジナル品種です。

*あきたほのかの特長*
・粒が大ぶり・・・一粒一粒が大きく食べ応えがあります。
・豊かな薫り・・・口に入れた瞬間、豊かな薫りが広がります。
・コクのある濃いうま味・・・かむほどにコクのある甘さと、濃い味わいが楽しめます。
・秋が旬の枝豆・・・あまり知られていませんが、秋は枝豆が最もおいしくなる季節です。

「8月以降のえだまめは、青豆、ハーフどちらもおいしいよ!」
と野菜担当さん。ハーフ??と思ったら、「青豆×茶豆」などの品種を指していて、「湯あがり娘」などがそれに当たるそうです。なるほど~(今度、私も言ってみよ!)。

(3)地元で定番の食べ方やおすすめレシピ
湯がいて塩をかけるのが、豆本来の風味が味わえて一番。「えだまめカレー」やチャーハンにいれることもあります。焼き枝豆や、それをアレンジして「たらこ焼き枝豆」やバターしょうゆ味で食べるのもいいですよ。

いろいろな枝豆料理で食べてみよう!

枝豆といえば、塩ゆでで食べるのが定番ですが、ほかにもいろいろな食べ方を教えてもらったのでご紹介します。

画像5

JA全農山形「豆ごはん」と「枝豆おみそ汁」
ゆでた豆(塩ゆで・塩なし どちらでも可)と米を一緒に炊飯器に入れ、だししょうゆをサッとひと回しして通常の水加減で炊きます。お好みでニンニクや塩コショウ、バターを入れても◎。祖父母世代だと、皮ごと入れて炊く人もいるそうです(食べるときに皮をむく)。おみそ汁はお鍋に水を入れ、沸騰したら枝豆投入。しばし煮込んで、枝豆がやわらかくなったらみそを溶かして完成です。
豆ごはん…、炊いていると枝豆のいい香りがたちこめ、たまりません。おみそ汁はだしいらず。枝豆とみそだけなのに、しみじみとおいしい…。
この日は、ゆでた枝豆で豆ごはんを作りましたが、次はサヤごと炊いてみようと思っています。

秋田レシピ

JA全農あきた「焼き枝豆」とアレンジレシピ
枝豆は焼くとこれまたホクッと香ばしくてクセになります。ゆかりが好きなので、まずは「ゆかりペペロンチーノ」に挑戦してみました。いろいろ味変するのも楽しいです。このJA全農あきたのレシピPOPもいいですよね。

画像7

note広報部員Y家直伝「枝豆ペペロンチーノ」
フライパンにオリーブオイルとみじん切りにしたニンニクを熱し、香りが出てきたらゆでた枝豆(もしくは冷凍していた枝豆)を投入。仕上げにしょうゆをたらして完成です。こ、これは…完全にツマミじゃないですか!ビールがすすむこと、うけあいです。

画像8

全農広報部Twitter担当「蒸し焼き枝豆」
枝豆は蒸し焼きにしてもうまい!某番組でも好評でした。これまた、枝豆すすみます。
https://twitter.com/zennoh_food/status/1404368152188710920

枝豆は鮮度が落ちやすいので、買ってきたら「えいや!」とゆでて、すぐに食べない時や食べきれない分は冷蔵or冷凍保存がおすすめです。サヤから出してカレーやタコライス、サラダのトッピングにするとカラフルでいいですよね。あと、個人的に好きなのはだし漬けです。ひたし豆のような感じでしょうか。サヤごと白だしやめんつゆなどに漬ける場合もありますが、せっせとサヤから出した豆をだしに漬けて冷やしておいて、スプーンでガツガツ食べるのが好きです(ちまちまと豆をだして、食べるのは一瞬…ですけど)。
とはいえ、「枝豆ゆでるの苦手」「暑い日はゆでるのもツライ…」という方に朗報です。最近では、レンジで調理できる袋に入った枝豆も売っていたりして、ズボラな私にも優しい限りでございます。

枝豆は大豆と野菜のいいとこどり!

大豆の若どりということで、枝豆も良質なタンパク質が豊富なうえに、ビタミンB1やカルシウム、大豆にはないビタミンCも含んでいます。おまけに、枝豆に多く含まれるアミノ酸の一種メチオニンという成分はアルコールから肝臓や腎臓を守る働きがあり、ビタミンB1やCもアルコールの酸化を促し、肝臓の負担を軽減してくれるとか。なんということでしょう…、ビールのおつまみにピッタリではないですか。もちろん、お子さんのおやつにもおすすめです。

枝豆のシーズンは始まったばかり。早生から中生、晩生品種へ、温暖な地域から東北、北海道と、各産地から登場するいろいろな枝豆をつまつま楽しみたいと思います。お店によって並ぶ産地も品種もさまざまので、みなさんもぜひ地元のスーパーやJAの直売所などをチェックしてみてくださいね。もし近所のお店に登場しない枝豆を食べてみたい!というときは、JAタウンでも購入できますよ。

JAタウン
https://www.ja-town.com/shop/f/f0/


ちなみに、私の地元・富山では7月中下旬〜9月ごろまで、黒豆種の枝豆を「富山ブラック」というブランド名で販売しています。ちょうど「Apron(エプロン)」8月号で産地にお邪魔しているので、ぜひご覧ください。

食と農のwebマガジン「Apron」8月号
「ふるさと探訪」甘味とコクの希少な黒大豆えだまめ「富山ブラック」
https://apron-web.jp/furusato/9466/

画像9

枝豆な日々にて。