岩手県の産地ブランド「純情産地いわて」をリブランディングした話
こんにちは!!JA全農いわてで広報を担当しているH・Nです。
みなさん、岩手と言えばどんな食べ物を思い浮かべますか?やはり三大麺である冷麺・じゃじゃ麺・わんこそばでしょうか。それとも畜産県ならではの焼き肉でしょうか。
これらのもととなっているのは、岩手県の農畜産物たちです。私たちJA全農いわては「純情産地いわて」のブランドのもと、その消費を拡大すべく日々奮闘しています。
そして今年、「純情産地いわて」のブランド価値を見直し、さらに岩手県産の農畜産物をアピールするため、大胆にリブランディング 。ブランドプロミスを制定し、ロゴも新しくしたのでご紹介します!
岩手は素敵な農畜産物がたくさん
岩手県には、生産量全国1位のりんどうをはじめ、夏秋ピーマン(同第2位)、りんご(同第3位)、肉用牛(同第3位)など、全国に誇れる農畜産物がたくさんあります。他にもお米「銀河のしずく」をはじめとするブランドなど、岩手で生産された農畜産物は全国でも大人気です。
私たちJA全農いわてはその美味しい農畜産物を多くの方に味わっていただけるようプロモーションする役割を担っており、私はその中でも、農畜産物とその加工品のネット販売と広報の仕事をしています。
全国にアピールするためのブランド「純情産地いわて」
「純情産地いわて」は、岩手県産の農畜産物の優れた品質を全国に広くアピールするためにつくったブランドです。この名称は「純朴」な生産者が「情」を込めて農畜産物を作っている産地」という意味を込めてつけられました。
JA全農いわては、平成元年から32年にわたってこの「純情産地いわて」ブランドで岩手県産農畜産物のイメージアップや消費拡大を図ってきました。
旧ロゴマーク
浮き彫りとなったブランドの課題
しかし32年という長い間使用される中で、農業を取り巻く環境の変化や職員の代替わりなどで「純情産地」の定義が曖昧になりつつあるという問題意識がありました。
そこで、これまで大事に使用してきた「純情産地」というワードを使用する職員自身が、改めて定義付けする必要があると考え、会議を立ち上げ、検討を開始しました。
会議の中で明らかになったのは、「純情産地いわて」の定義について自信をもって説明できる人がいないこと、お米を取り扱う部門、野菜を取り扱う部門、肉や生乳を取り扱う部門、肥料や農薬を取り扱う部門などの各部門間で、「純情産地いわて」に対するイメージに差があるということでした。
そこでまず、現状の課題を整理してみました。
〈会議で出た課題〉
1. 「純情産地いわて」の定義を職員の中で共有できていない。
2. 「純情産地いわて」への思い入れに温度差がある。
若手・中堅の職員を中心としたにブランドの再構築の試み
私たちはこれらの課題の解消のため、「純情産地いわて」ブランドの再構築を試みました。30年以上継続していたブランドを見直すことで、岩手県産農畜産物のファンを増やすほか、職員のモチベーション向上や、生産者・JAとの一体感をつくることを目指したのです。
このブランドの再構築という重要なミッションをすすめるため、私たちは2019年からJA全農いわての若手職員10名を中心としたプロジェクトチーム を立ち上げました。 また会議のほかに全8回のワークショップを開催し、JA全農いわてが、生産者と消費者にどのような価値を提供できるかを議論し、言語化していきました。
JA全農いわての目指すべきゴールとブランドの訴求ポイントの導き出し
プロジェクトチーム をとおして、私たちは目指すべきゴールと、純情産地いわてらしさを以下のように導き出しました。
JA全農いわての目指すべきゴール
・消費者に「選ばれ続ける」品質・価値を提供し続けること。
・生産者の想いをくみ取り、生産者のための組織であり続けること。
・岩手の農業・生産者を守り続けること。
・農業・食の持続的な発展に寄与すること。
「純情産地いわて」の訴求ポイント(岩手らしさ・全農らしさ)
・品目が多彩な県であること。
・農畜産物の高付加価値化を担う組織であること。
・岩手農畜産業の持続性を維持し、永続的な発展への努力をすること。
・「農畜産物の提供」から「食文化の提供」を目指すこと。
・「「純情」の解釈=真面目で真剣に物事に取り組む県民性」であること。
・組合員のために存在する協同組合組織であること。
「純情産地いわて」ブランドの定義づけ
これらのポイントをおさえ、目指すべきゴールを実現するために、私たちは「ブランド=ステークホルダーへの約束」と定義し、ステークホルダーを以下の「生産者」「消費者」「地域社会」の3つに大分しました。
そして3つのステークホルダー毎に、「JA全農いわてが目指す理想像」を明確にし、理想に向けて努力し続けることを「約束」することこそが、「純情産地いわて」というブランドの証と定義したのです。
生産者に対して:
岩手県の農業の発展・継承と、生産者のための組織であることの約束
消費者に対して:
「安心・安全」な品質と、岩手県産品独自の魅力をお届けすることを約束
地域社会に対して:
地域社会の一員として、食と農のさらなる発展へ寄与することの約束
ブランドプロミスと新ロゴマークの策定
さらに私たちは、これらの「JA全農いわてが目指す理想像」を、3つのステークホルダーに広く周知して愛着を感じてもらうこと、JA全農いわての職員の業務の指針とすることを目的に、分かりやすい1つの文章に落とし込むとともに、言葉だけでなく、普段目にされる「ロゴマーク」と連動して訴求することが必要と考えました。
こうして生み出されたのが、ブランドプロミスと「まえむきにひたむきに」のスローガンを付けた新ロゴマークなのです。
ブランドプロミス
スローガンを付けた新ロゴマーク
<スローガンの制定>
”純情産地いわて” の言葉に寄り添い、
その意味を補完することばとして、
”いわてらしさ”を最も象徴的に表す”気質”をベースに制定しました。
端的で覚えやすく、内外の合言葉になることをイメージしています。
各農畜産物のロゴ
ロゴマークは、
「広大で豊かな自然を守り共存する『ひたむき』な思い。
厳しい寒さの中でも『まえむき』に暮らす生活の知恵。
気候から生まれるとも言われる、つつましくも純情な心。
新しいマークの元に岩手の農業が一つの大きな力となり岩手の幸せな未来を創っていく事」を願い生まれました。
岩手の特徴である自然の豊かさ、人々の真面目さや温かさが北欧を感じさせることから、北欧デザインにあるシンプルな幾何学模様を岩手の豊かな農畜産物の絵柄にし、デザインの統一性を施すことでつながりや親しみやすさを表現しています。
ブランドを浸透させるためCMを制作
2017年から「純情産地いわて宣伝本部長」を務め、今年度より新たに「純情産地いわてアンバサダー」となった「のん」さん出演のCMを作りました。
ブランドの世界観を表現したすてきなCMなので、ぜひご覧いただけたらうれしいです!
https://youtu.be/DdevSX-6zLg
ブランドプロミス・新ロゴマークのお披露目、そしてこれから・・・
こうして誕生した新たなブランドプロミスとロゴマークをご紹介するため、私たちは令和3年4月28日(水) に、ブランドプロミス宣誓式を行いました。
ブランドプロミスを宣誓する「のん」さん
新しいブランドやロゴについては、生産者の方からも「まえむきに ひたむきに という言葉に心をひかれた。岩手県産農畜産物の素晴らしさを広くアピールしてほしい」などのうれしいメッセージをいただき、本当にうれしい想いでした。
こうしてリブランディングされた新生「純情産地いわて」ブランド、これから皆さんのお目にかかる機会が増えてくると思います。ご覧になられたら是非お手に取っていただきたい。そして私たちがこのブランドに込めた想いを目で、舌で感じていただけたらさらにうれしいです。
JA全農いわてについて詳しくはこちら
https://www.junjo.jp/
本ブランドリニューアルについては宣伝会議に掲載をいただきました。
【WEB記事】https://www.advertimes.com/20210519/article350136/