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#48 コロナ禍の教訓2

暑さもここへ来てようやく落ち着いてきたように感じられます。インフルエンザや新型コロナへの注意はもちろん、寒暖の差が大きく風邪をひいたり体調を崩しやすい時期でもありますので、皆様くれぐれもお身体を大切になさってください。

さて、前回に続きコロナ禍の教訓について触れて参ります。
パンデミックに襲われる前、平時のうちに我々はどんな準備をしておくべきだったのかをまとめます。

①BCP未策定

平時対応での教訓事項として最も多いのが「BCPの未策定」ということでした。厚労省は「BCP」と「マニュアル」は異なるものだと説明しています。「マニュアル」には感染症の特徴や概略の対応要領が一般論として記述されていますが、「BCP」のように組織編制、役割分担、実施手順などが規定されていないので、「マニュアル」では現場で役に立たなかったようです。若手の職員に最初から細部を教育する必要がでてきたり、決定事項の周知がなされず、感染症対応で煩雑になった介護業務に輪をかけて多忙を極めた事例が報告されています。また、関係連絡リストや来訪者の健康管理確認シートなども一から作成しなければならなかったので大変苦労したという話を多く伺いました。要改善ですね。

②備蓄品不足

次に多く寄せられた教訓事項は、「備蓄品の不足」です。特にマスクや消毒液などは、海外製が多いこともあり、国内の市場で流通しなくなる事態となりました。
自施設だけ充足すれば他はどうでも良いという事ではありませんが、感染症に関する備蓄は、計画的かつ先行性をもって準備すべきです。善光会の場合、毎年11月から5月を「感染症対応特別期間」と定め、インフルエンザなど感染症の流行に備えた備蓄強化を行っています。また、今回のコロナ感染症については2020年当初から「リスクマネジメント対策室」を設置し、流行の兆しを察知し、アドバイザリーボードの進言により、対応体制をいち早く設置いたしました。参考にして頂けますと幸いです。

③研修、訓練未実施

新入職員に対し、一応研修を行っていましたが、「もう何年も前なので忘れました。」「思い出しながら対応しましたが自信がありません。」というふうに、職員によって知識や技量のレベルがバラバラであり現場で大変苦労したとの声もありました。これを解消するには、定期的にいろいろなレベルの訓練を行うべきです。

そして、その訓練は「基本訓練」と「総合訓練」に分けて実施すべきでしょう。基本訓練で職員個人の技量を高め、総合訓練により時系列に従った施設としての全体的な対応力を高める。また、不具合や修正事項を摘出して、BCP改善に反映する。このような訓練と改善のPDCAサイクルを繰り返し、組織の感染症対応力を高めていく必要があるでしょう。

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