見出し画像

【最高すぎる】手塚治虫記念館に行け!日本漫画最高峰のパワースポットへGO!

さぁさぁさぁあああああああああああああああ…!!!!!
今回は手塚ファンにとって日本最高峰のパワースポット
「手塚治虫記念館」
行って参りましたのでその模様をお伝えいたします。

まずお出迎えしてくれるのは
もちろん神々しく光り輝く火の鳥のモニュメントであります。
当日はあいにくの雨で光り輝いてはおりませんが
存在自体が貴賓の塊のような圧倒的存在感ッ!
記念館にお越しの際にはパチリと1枚撮っておきたいポイントであります。

宝塚市立手塚治虫記念館


そしてこの火の鳥の後ろにあるプレートご存じでしょうか。

「平和を託す 2024年に開封するタイムカプセルをここに埋設する
1994年8月4日 宝塚市長 正司泰一郎」

と書かれおります。

平和を託す 2024年に開封するタイムカプセルをここに埋設する

実はこの火の鳥モニュメントの中にタイムカプセルが埋まっているんです。
しかも開封は30年後の2024年という事で、なんと来年なんですね。
来年には30年の月日を重ねて平和を託した思いが解禁されるわけでありますが一体何が埋まっているんでしょうか…。
記念館でもイベントをやるそうなのでこれは注目ですね。

しかし何で宝塚市長って思いませんか?

実はこの記念館、全国でも珍しい公営記念館なのであります。
【公営】つまり公の機関が事業経営しているってことです

こちらよく見てもらえれば分かりますが
正式名称は「宝塚市立手塚治虫記念館」になっており
つまり民間ではなく宝塚市が運営しているんです。

HPの問い合わせ先も「産業文化部 宝のまち創造室 手塚治虫記念館」になってますし正直HPもダサいです(笑)
民間ならボツになるレベルでダサいです


ディスってるように聞こえたかも知れませんが、
全然ディスってないですよ。
だって公営ってだけでとんでもない事ですからね。
もちろん市が運営しているので、宝塚市のHPにも掲載されておりますし
先ほどの火の鳥モニュメントのタイムカプセルの件も
しっかりと宝塚市のHPに記載されておりますので
興味がある方は覗いてみてください。


そして火の鳥モニュメントの存在は憲法の平和精神に基づき、
宝塚市が「非核平和都市」を宣言したシンボルとして建設されたものなのでありまして、あの阪神淡路大震災の際には
市民の復興のシンボルとしても多くの方々を勇気づけたそうです。

炎に包まれながら復活と再生を繰り返す「生命の象徴」火の鳥
まさに宝塚市の災害復興のシンボルとしてこれ以上ないキャラクターと言えますね。

ちなみに館長の一押し作品は「火の鳥」

これだけでもいかに手塚治虫という作家が偉大で、そのキャラクターたちが多くの人たちに愛されているのか認識できるかと思います。
他には現在でもバレーボール日本女子代表のキャラクターも火の鳥ですし
プロ野球球団の西武ライオンズや現ヤクルトスワローズのサンケイアトムズにも手塚キャラクターが使用されていましたし、本当に多くの愛されるキャラクターたちを生み出しています。


そして火の鳥の巨大なモニュメントの廻りの敷き石には、本場ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームよろしくの手塚キャラによる手形足型が埋め込まれております。これはキャラクターを俳優のように扱っていた手塚スターシステムらしい粋なコンテンツと言えます。
当日は雨でキレイに撮影できなくて残念ではありますが晴天の際にはゆっくりとご覧になってみてください。(動画をご覧ください)

そしていよいよ記念館の中に入っていきますと
宝塚歌劇にインスパイアされた『リボンの騎士』にちなんだ王宮風のホール手塚先生の顔面を踏みしめて入場です。

エントランスの天井

そして入ってすぐ左に向かうとカプセルに入った手塚先生の原稿や遺品、
貴重な展示物がズラリと並んでおります。
ここはもう本当にまさに記念館と呼べるレアアイテムばかり


特に幼少期に描いたとされる展示物は圧巻!
マンガ以外の展示物もあるんですけどそのどれもが異次元のクオリティで
幼少期からすでに常人を遥かに超えた凄まじい才能を炸裂させていた事が
ビンビンに分かります。
こんなんマジで10歳やそこらで描いてたら学校の先生ビビりますよ。
写真かコピーかって目を疑ってしまうほどぶっちぎった完成度です。

大好きな昆虫の絵を描いた画

ここら辺はピカソと一緒で、ピカソも変な絵やデフォルメされた絵を書いているから一見すると「誰でも書けんじゃん」って感じになるんですけど
いざ書いてみると絶望するくらい難しいことに気づかされるんですね。
手塚キャラも簡単そうに見えてむちゃくちゃ難しい。
あれだけシンプルの極みのようなペンタッチですが
未だに完璧に手塚タッチをコピーした画を見た事がありません。
そのくらいに実は難しいんですね。
実際に多くのプロ漫画家たちもその難しさを語っており表面上では捉えきれない技術の高さに驚いたという声が多数聞かれます。

そしてデザインだけじゃなく
手塚治虫の凄いところの最重要ポイントにスタンダードの評価があるんですけどこれは、マンガ表現のほとんどのスタンダードをやっちゃってるので
その凄まじさがとても伝わりにくいと共に至極伝えづらくもあります…。
マンガにおけるすべての技術が手塚治虫発信と言っても過言ではないと
言えてしまうほど色んなスタンダードを作っちゃった人
源流を辿るとほぼほぼ手塚治虫に辿り着いちゃうんじゃないかってくらいマンガにおける色んなものに顔を出している変態的作家、、、
それが手塚治虫なのです。

日本がなぜこんなにマンガに身近になれたのか?

大袈裟でなくこれは手塚治虫のおかげです。
今では教育の場でもマンガ表現が使われているほどマンガの文化レベルを押し上げた大功労者、その功績は尋常じゃないです。
マンガというエンタメの領域を遥かに越え、日本の文化レベルをも塗り替えてしまった偉人の記念館。

自身をマンガ好きアニメ好きと語る輩は間違いなく来た方がいいです。
むしろここに足を運ばずしてマンガ語ってはダメです。
モグリです。

「マンガの神様」と呼ばれた男の足跡をぜひ生で体験して欲しいですね。

さてそんな見どころ満載の手塚治虫記念館でありますが
一般的な館内紹介は多くの方が紹介されているのでこの辺にしておきまして…

ボクが足を運んだ時には
「リボンの騎士 3人のサファイアの物語」という企画展が開催されておりましたのでその模様をお届けしていきたいと思います。

結論から言いまして、めちゃくちゃ良かったです。
どのくらい良かったかと言うと手塚治虫に全く興味のなかったカミさんが
「リボンの騎士」を読み始めたくらい人生を変えうるポテンシャルのある企画展でした。

直筆原稿展示は当然として
ガイドさんの解説がすこぶるいい。
ガイドさんのお話聞いているとテンションバカ上がりするんで
マジでめちゃくちゃ良かったです。

宝塚市観光大使リボンの騎士サファイアのお姉さま方

これはひとえに宝塚市が宝塚観光PRのシンボルとして「リボンの騎士」をアピールしている背景がありまして、そのサファイアに扮したお姉さま方のご高説賜ることができるという企画であります。
当たり前ですけどまぁ「リボンの騎士」に関してめちゃくちゃ詳しい。
ちょっと棒読みのところもありましたが(笑)、でも素晴らしかったです。
私共みたいな雑兵レベルからするとゴールドセイントとブロンズセイント並みの知識差があってさすが「観光大使サファイア」と言わざるを得ないクオリティでありました。

なんといっても
主人公のサファイアはガチの宝塚市民で「観光大使」にも任命されておりましてその事はしっかりと宝塚市のHPにも記載されておりますから
宝塚市挙げて「リボンの騎士」を盛り上げております。

「観光大使」サファイアのその他の活動はこちら ↓


そもそもシンボルキャラクターの観光大使に扮しておきながら
実は手塚素人なんて言ってたらガチファンにド突かれますからね。
そこはしっかりとサファイア研修されているんだろうと思います。

本当にマジもんの手塚ファンが来ても十分に納得できるレベルでしたし
この解説を聞くためだけに行く価値あるクオリティと企画でありました。

その証拠に
明らかに「リボンの騎士」のゴリゴリのリアルタイム世代と思われるご高齢のご夫人が最前列でガイドさんの解説を聞いておられたんですけど
もうね、、
解説の度に首がもげるんじゃないかって勢いで頷いているですよ。
ヘビメタライブのヘッドバンキングか野球の首振り人形かってくらい「グワングアン」首振ってるんです。

イメージ画


その姿はひときわ美しく、神々しさすら感じる有様なんですけど
もうね、笑いが抑えきれないんです(笑)。
いや、、いかんいかん。
凝視してはいけない。そう思いつつも気になってしょうがない。

そのご夫人からすると「そうそう…そうなのよ」的に青春を思い起こしておられているんでしょうけど
その光景のエグさがハンパじゃないんで、もう、、、、
ウチのカミさんも横でずっと笑いこらえてる姿見てると余計おかしくなって…完全に「笑ってはいけない」みたいになってました。

でも、それほどまでこの作品に
心を奪われた読者が多かったかってことですよね。

1953年ですからわずか戦後8年ですよ。8年。
戦後復興まもなく
娯楽もほとんどなくて、女の子たちもオシャレなんてできないような時代に
眩いばかりの輝きを放つエンターテイメントが目のまえに飛び出してきたわけですから、そりゃあ当時の女の子は度肝を抜かれた事と思います。

さらに言えば女性はおしとやかになんていう時代に男装して
剣を振り回す姿は、最高に痛快だったと思います。
それこそ日本中の女性たちのくすぶっていた野生に手塚治虫が火をつけたんじゃないですかね。

華やかでゴージャスで強く美しい
それまで見たことのない煌びやかな光景を目の当たりにしたわけですから
日本中の女の子がひっくり返えるのも必然と言わざるを得ません。
そのくらい手塚治虫が少女漫画に与えたインパクトは計り知れないほど巨大だったってことでしょう。

そんなリアル世代のゴールドエクスペリエンスしたご婦人ですから
そりゃあ首がちぎれるんじゃないかってくらい興奮しますよね(笑)
マジで歌舞伎の連獅子がそこにいるかってくらい乱れてました…。

そして
今回の展示で素晴らしかったのはなんと言っても対比展示です。

「リボンの騎士」とは、
当然ご存じと思いますが4バージョンあります。
手塚先生にとっても4度も描いているのは珍しい方でやはり相当の思い入れがあるまさに宝塚へのノスタルジアから生まれた傑作です。

オリジナルは1953年の「少女クラブ版」

その次が1958年の『なかよし』版

次に少女クラブ版の続編でサファイアの子どもの話の「双子の騎士」

そして最後に1963年の「なかよし」版のリメイクの4作となっており
一般的に「リボンの騎士」と言いますと、
この最後の「なかよし」版を指しております

このそれぞれの作品がどう変化したのかを
比較対比として展示されておりました。これが素晴らしい。

設定は同じなのにセリフや表情が違ったり、線のタッチが違ったり、
構図が違ったり様々な違いを比較してみることができます。
(サファイアガイドの解説も最高!!)

手塚先生のリメイクって細かすぎて指摘されないと気づかない事なんかザラにあるんですけどそれを生原稿を通して、比較できるってこれは素晴らしすぎる神企画です。
まさに記念館ならではと言える素晴らしい企画でした。

なんせ手塚治虫の生原稿が残っている事自体が貴重ですから、
いかにこの企画が素晴らしい事であるか
ファンならヨダレを垂らして分かってもらえると思います。

大胆なコマ割りとその変化
お得意の映画のようなアングル、新しい表現技法と擬音
そしてキャリアを重ねた後の変化
まさに息をのむ対比展示でありました。

バージョンを重ねるごとに変化する様は見ていて胸の高鳴りが抑えきれません。シンプルに技術の変化や精神性の変化を直筆原稿から感じて堪能できる
この上ない贅沢な時間であります。

「リボンの騎士」はまさに宝塚歌劇ディズニーとの競演とも言える作品なのでありますが対比原稿を見ていくと
初期のディズニーに憧れていた作風から徐々にオリジナルへと進化していく過程が見て取れ、影響下にあるんだけどより日本的にアップデートした様が伺えてめちゃくちゃ良かったです。

この手塚治虫のオリジナリティが後の日本漫画界の発展に大きく影響を与えていきます。なによりディズニーが居ながら本国アメリカで「マンガ」が
流行らなかったのは間違いなく手塚治虫が居なかったからでしょう。
手塚治虫が生み出した「マンガ」の技法、表現、物語などは
日本人の生活様式を一変させる影響力を持ち
なにより日本の「マンガ」というそれまで片隅にしかなかった娯楽を
一躍時代の中心に持ってきたわけですから、その煌めきとパワーは
日本の歴史上でも最大級の偉人と言えます。



そんな偉人が描く作品の対比展示、これはまさに一見の価値ありでした。

これぞマイナーがメジャーになった瞬間。
その切り取った時間を体験できる貴重な企画展です。
この興奮こそ思わずご婦人がヘッドバンキングしちゃうくらいの衝撃ではないでしょうか。
この企画展においてボクも少し味わえた気がします。

そんな手塚治虫の本当にすごいところ、画期的だったところ
「マンガ」という新しい表現方法や、デザインを記号化したところなど
本当に語り尽くせないくらい沢山あるんですけど、
それらを網羅した記念館
それが宝塚市立手塚治虫記念館であります。

手塚治虫の積み上げた散らかした、これぞ天才という所業の数々をぜひ目に焼き付けて欲しいと思います。そしてマジもんの天才とはこういうこういう事なんだと言う事をまざまざと見せつけられちゃってください。

お土産コーナー最高!


マンガ好きなら一度は行く価値。
手塚ファンならガチでオススメ。
…っていうか行け!
以上宝塚市立手塚治虫記念館のご紹介でございました。

最後までご覧くださりありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?