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ブラック・ジャックSHOP@金沢 香林坊に行って来た!

今回は「ブラック・ジャック」連載50周年記念
【BLACK JACK LIMITED SHOP】@金沢 香林坊大和店に行って参りましたのでそのご報告をしたいと思います。

石川県金沢市にある香林坊大和にて手塚先生の代表作「ブラック・ジャック」の連載50周年を記念してのイベントが開催されました。
第一回目の横浜に続いて、2回目は石川県金沢市での開催
開催期間が2023年4月29日(土)~5月7日(日)とGWの短い期間でしたが
GWの機会に行って参りました。

まずは
ズラリと並んだ「ブラックジャック」の生原稿
何度見ても美しい手塚治虫の曲線美
本当に惚れ惚れするラインです。

おそらく日本漫画界の歴史の中でもフリーハンドでの曲線美
右に出る者はいないだろうというほど完璧なタッチです。

でもブラックジャックは1970年代の作品なので
1950年代60年代のペンタッチとは大きく異なっているのが大きなポイントとなります。

1950年代
日本中の全人口がマネしたとも言える流行った「手塚タッチ」

ブラックジャック展にアトムの生原稿がありました



マンガと言えば…手塚タッチと
誰もが勘違いしてしまうほどの反則級のデザインは
その後のマンガのテンプレートを確立させると共に
日本中に手塚クローンを増殖させました。

しかしその反動で
60年代には「反手塚」が主流となり「手塚タッチ」が駆逐され
「手塚はダサイ」「手塚は時代遅れ」と呼ばれる時代が到来。
手塚先生にとっては地獄のような冬の時代を迎えるんですね。
奇しくも狂ったように流行ったことで、アンチ勢も狂ったように発生し
とうとう時代の中心から追い出されてしまうんですね。

この頃の60年代ペンタッチは自身のタッチを模索していて
めちゃくちゃ試行錯誤している作品が多数ありますので
意識して見てみると面白いです。
従来の手塚タッチか、はたまた劇画か?
時代に置き去りにされた天才が悩み苦しんでいた時代がこの時代です。
ちなみに「きりひと讃歌」が新しい手塚タッチの方向性を決定づけた
ターニングポイントになっていますので興味がある方はどうぞ。

まぁそんな事考えて見学している奴なんて誰もいないんですけどね。

話を戻しまして…
今回の舞台は石川県金沢市。さすが歴史とアートの街だけあって
GWには金沢市で様々な展示会が催されておりました。
あの21世紀美術館では大人気マンガ「キングダム」のキングダム展


国立工芸館ではポケモンと工芸が合体した「ポケモン×工芸展」


金沢エムザでは「昭和の漫画家作品展」
(こちらは手塚先生の作品なかったですけど)
そして香林坊大和の「ブラック・ジャック」展示会


そのすぐ隣では
モンスターズインクなどで有名な「ピクサー」の展示会
などなど多数の展示会が金沢市で開催されておりました。

その中でも恐るべきは「ブラック・ジャック」展のすぐお隣の
「ピクサー」展ですよ。
なんすか。この人気!
お子様連れからカップルまで大大大大盛況の「ピクサー」展!
ちょっとケタ違いのディズニーブランド集客力を見せつけられました

その反対に(隣のブースで)
世界に誇る手塚治虫ブランドの人気のなさ(笑)

見てこれ。
ガラガラですやん。
マジで!

ハンパないくらい人気ない。

ほぼボクの貸し切り状態
どうゆこと?
どうゆことよコレ?
マジで見る目ない。

世間の手塚治虫への認知度、知らなさすぎ度、
アンド興味なさ度にアゴが外れます。(頼むわ)
古いと言われればそれまでですけど
それ言っちゃあディズニーだって古いし、
ほかにも色んなオールドスタイルの作品もあります。
古いというのは理由にならない。

これって単純に古いとかそういった類の原因じゃないと言いたい!
今回「ブラックジャック」以外の展示物を見て回って思ったのは
圧倒的なマーケティングの差を感じました。
「ピクサー」然り「キングダム」展などはしっかり広告してますし
見たくなるような演出の工夫が人気の展示会からは感じました。
「キングダム」展はめちゃくちゃ大盛況で大人から子供までごった返すほどお客さんで溢れていましたからね。

日本って世界中が喉から手が出るような強力なIPコンテンツを沢山持っているのにその使い方が気が狂うくらいヘタと言われています。
つい最近では、スーパーマリオの映画が世界でバズりましたけど
そのくらい、日本のIPって破壊力があり世界では価値が高いんです。
なにかの調査で今の日本のIPの中で一番価値が高いのが
「ドラえもん」と「サンリオ」だそうで
世界基準でもめちゃくちゃ価値高いのに結構放ったらかしになっているんですって。
もったいないですよね。

その中において手塚治虫なんて超ド級のIPコンテンツですよ。
日本の文化資源レベルのコンテンツです。
(気づけよ日本国民!)
認知が低いだけならまだしもビジネスがヘタ、お金儲けがヘタという理由で優秀なコンテンツが埋もれてしまう危機。
お金がない事で作品を守ることもできず貴重な権利すら失いかねないという
非常事態になっちゃうぞって声を大にして言いたい…

ここら辺はしっかり文化遺産を守るという意味でも
しっかりマーケティングをして広く認知を高め集客をして収益を稼ぐ。
そしてそれを再投資して資産を守っていくということをやっていかないと
マジで手塚作品なくなっちゃうんじゃないかと思ったりもしました。
(ほんと頼むよ)

だから展示会もしっかり運営して利益取って欲しいのですが
今回の「ブラックジャック」展示会は
展示会というよりグッズだけ販売に来ました!
…みたいな感じがしてやる気があまり感じられなかったんですよね。。。。

展示物よりグッズ売り場の方が広い


いや…もちろんグッズも買うよ。
買うけどさぁ
あくまでも展示がメインでその延長でグッズじゃないですか。

明らかに今回はグッズがメインで展示がサブになってますやん。
展示を見た後にグッズを買いたくなるって流れにしないと
結局どっちつかずというかグッズも売れなくて収益も上がらないっていう
本末転倒な展開になっちゃいますよ。(…てかなってる)

この格差は
「ブラック・ジャック」展が入場無料
「ピクサー」展や「キングダム」展が有料だったという違いも
あると思いますが…いやいやいや、それなら有料にすればいいと思います。

展示会の本質はお金を払ってでもみたいと思わせることなんで
無料だから手を抜いていいってことは別の話。
資金が不足ならお金を取ればいいですし、その資金でお客さんを満足させる事が本来のあるべき姿だと思います。
なにより遠方より足を運んだ来客者にとっては、その場所に来るだけでもコストをかけている訳ですし、たとえ無料であっても手を抜いていい訳ではありません。手を抜いていなかったとしても来客したお客さんを喜ばせる努力
後悔させない努力は必要最低限だと思います。
その目的のために足を運んでいる方々は少なからず移動や時間のコストを払っていますから期待値はどうしたって上がるんです。
その期待値を下回るパフォーマンスを続けるくらいならやらない方がマシです。むしろやればやるほど固定客は減少していきますから。
世界に誇る強力なIPコンテンツ「手塚治虫」
もっと真剣に考えた方がいいと思います。

なんか最後の方はディスっちゃいましたけど
これは単純に一ファンの純粋な思いがこぼれちゃったってことで
もし関係者の皆様がこの投稿を見ておりましたら
少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。

では。


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