ブラックジャック高額報酬ランキングベスト5
今回は「ブラックジャック高額報酬ランキングベスト5」
お届けいたします。
ブラックジャックと言えば法外な治療費を請求することでおなじみですが
これまでの全作品の中から最も高い請求額はいくらだったのかのベスト5を
発表していきたいと思います。
請求額が本当に法外なものなのか
それとも適正、または格安なのか
生命の倫理観と併せてブラックジャックの軌跡を楽しんでいただければと思います。
それでは本編いってみましょう。
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(注)まず集計にあたって
作中の請求額はドル表記もありましてその場合1976年当時ですと
スミソニアンレートで1ドル308円と現代とかけ離れた相場になっております。しかもこの時は相場の変動が激しく1978年10月には176円まで円高が進んでおり相場が安定していない時代であります。
なるべく連載された当時のレートでの円換算として算出しておりますが
少々の細かいズレはご了承ください
また作中の注釈にある円換算は当時のレートと違うものがあり
これは単行本再販時に修正さええたものと思われますが
雑誌連載時のレートに統一して集計しております。
ですので
明らかにおかしいものはお詫びいたしますが
あくまでひとつの参考価格として楽しんでいただければと思います。
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それでは高額報酬ランキング
まずは第5位から行きましょう。
「短指症」300万ドル 9億円
これいきなりなんですけどこれは連載終了後に描かれたもので
話数表記がないエピソードになっております
世界的な外科医の誰も治せないと言われた難手術を
依頼されたブラックジャックですが
誰も手を出せないとは不思議と思いながら依頼を受けることに。
すると「手術をやめないと殺す」とチンピラが現れ脅されるんです。
どうやら誰も治せないのではなく
誰も手を出せないという脅迫だったんですが
ブラックジャックはお構いなしで手術を成功させます。
そしてチンピラを捕まえ黒幕の元に向かうと黒幕は
なんと患者の父親でした。
なぜなら患者の息子は自分の子じゃなく妻が浮気してできた子だから治ってほしくなかったというんですが
患者の息子とその父親には指が短いという珍しい共通点があり
それは優性遺伝と言って必ず親から伝えられるもので
実は自分の息子だったというオチです
ラストの膝から崩れ落ちる父親の姿が印象的な感動的なエピソード
本編を見ると300万ドルと表記されており
注釈には8億円と表記されておりますが
当時レートだとおよそ9億円相当
堂々の5位でした。
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それでは高額報酬ランキング
続いて第4位
第114話「U-18は知っていた」300万ドル 10億5000万円
病人の管理、診察、手術などすべてをコンピュータ管理しているサイバー医療センターであるときコンピュータが暴走し
コンピュータは自分を病気だと言い、患者を人質に取り、ブラックジャックを呼べと要求します。
設計の生みの親であるワットマン博士は自らの責任を感じ、
全財産をはたいてでも治してほしいとブラックジャックにお願いします。
ブラックジャックは相手が人間じゃないことを知るも
自分を信頼し体を預けくれたコンピューターに
誠意を見せるために治療を承諾。
コンピューターの電源を切るとすかさず廻りの人間は破壊しろというのですがブラックジャックは患者として渡さないと最後まで治療をやり切ります。
そして手術は無事終了、
助かったコンピューターとの感動のラストを迎えるわけですが…
これはAIの暴走とも言うストーリーで
もちろん当時はAIなんて概念すらない時代です
そんな時代に人間とロボット、AIの尊厳に触れたドラマは驚くほど先鋭的ですよね。
コンピュータであれ自分を頼るものには手を指し伸ばし
敬意を持って治療に臨むブラックジャックの姿が胸を打ちます。
こちらは5位と同じ300万ドルですが
セリフの中で10億円と明記されております
今回は9億円として換算ですが
プラスして経費で15万ドルかかっていると言っているので
約5000万円で計9億5000万円で第4位でした。
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それでは高額報酬ランキング
続いて第3位
第135話「あるスターの死」500万ドル 約15億円
ビバリーヒルズの大女優マリリン・スワンソンを映画に起用するために
製作会社社長は、新作映画への出演の交渉を申し出ると、
スワンソンは“お断りします!”と激怒します。
なぜなら
30年前にすでにその美貌は失っておりスワンソンは老婆になっていました。
名前だけの客寄せ出演に女優のプライドが許さず
年老いた姿をスクリーンの前で見せることができなかったのです。
けれども本当は出演したかったスワンソンは
自分の財産をすべて継ぎこみブラックジャックに若返らせて欲しいと依頼します。
その額なんと500万ドル
しかし老婆の無茶な要求を断るも
自殺未遂を図るほどの執念に負けついに手術を決行。
見事に若返ったスワンソンでしたが
撮影に向かう途中に交通事故で死んでしまいます。
「死んでも出たかった」とつぶやいていたスワンソンの思いを組んで
ブラックジャックは遺骨に肉付けをし、
見事映画に「出演」させ思いを叶えるというお話
大女優スワンソンの美に対しての執念、
そして
法外な治療費も最後は治療費を全額、患者の夢をかなえるために使うという
義理堅いブラックジャックの素晴らしいエピソードです
治療だけが医療じゃないというブラックジャックの真骨頂が味わえる
まさにヒューマンドラマの極みとも言うべき傑作です
請求額15億円で第3位でした。
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続いて同率の第3位
第155話「失われた青春」同じく500万ドル 約15億円
石油王ゼット・リングは、
失われた青春を取り戻そうと、ブラック・ジャックに依頼して、
全くの別人となる手術を受け、伝言を残し姿消します。
しかし実は青春を取り戻すためではなく
ある男を殺すために姿を変えたのでした。
復讐を果たすも元の姿に戻れず
その後は殺人容疑として射殺されてしまうというストーリー
これは元に戻す2回目の分として遺体に2回目分の手術代を返してしまうので500万ドルなんですが
さっきの500万ドルもときもそうだったんですけど
ここら辺の律義さがたまらなくカッコイイんですよね。
お金にガメつそうでいて相手が死んでしまっても
正当な報酬以外は受け取らないというね。
うーん。シブイです
ちなみにこちらは全集版未収録作品ですが
文庫版などでご覧いただける比較的入手しやすい未収録作品であります
同じく15億円で同率の第3位でした。
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続いてのランキングをご紹介する前に
ブラックジャック大解剖という本にこの高額報酬ランキングが
載っているんですけど
今からご紹介するエピソードが入っていないんですよね
それはこちら
第181話「通り魔」というエピソードです。
こちらの請求額は1000万ドルです。
日本円だと約30億円
これはある町でおきた連続殺人事件の正体が
近隣のミサイル実験場によるかまいたち現象による公害であることを
ブラックジャックが自ら犠牲になることで突き止めその治療費、慰謝料しめて1000万ドルになっています。
しかし請求額を発表したところが最後のコマなので
実際にもらっているのか分からないから
ここに記載されていないんですかね?
そういう曖昧なものって
結構あったりするんでそれも含めて請求対象としてほしいんですけどね。
「おばあちゃん」の回でも請求額は最後のコマでしたから…
この本の単なる集計ミスなのか分かりませんけど
一応補足しておきます。
ですので事実上、請求額30億円で堂々の2位でございます。
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さぁそれではいよいよ高額報酬の1位の発表です。
第73話「こっぱみじん」150億円
ぶっちぎりの1位でした。
報酬額もケタ違いながら手術内容もケタ違いの神業を炸裂させております。
ある国で泥沼の戦争の中、
独裁者の妻が「主人がいつ死んでも治して欲しい」と
ブラックジャックに依頼します。
報酬額はなんと150億円
そして「こっぱみじんにならないかぎりは」助けるという条件で
ブラックジャックは仕事を引き受けます
しかし
常に命を狙われている独裁者は宮殿内を爆破され重傷を負ってしまいます。
その時ケガで運ばれてきた子供40人も一挙に並べブラックジャックが一人で
40人と独裁者の手術するという荒業に出ます。
結果は40人の子供たちは助かり独裁者だけが死亡
実はこっぱみじんになった独裁者の体の一部を子供たちに移植させ
子供たちを救ったというお話、
こっぱみじんになった独裁者との契約も守り
40人すべての子供も助けるという神業
そしてラストに「初めて人の役に立った」という決めセリフ
最高に爽快なラストです。
というわけで1位は「こっぱみじん」で150億円でした。
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という訳で今回は「ブラックジャック高額報酬ランキングベスト5」お届けいたしました。
ブラックジャックは
お金の価値、命の価値そして「生きる」ことへの覚悟が描かれているんで
単に高額請求だから難しい手術であるとかそういう
表面的な価値観では表現されていないところがいいですよね。
そしてそれが多くの読者を惹きつけてやまない魅力のひとつでもあります。
これをキッカケに
数十年も前の作品であるにもかかわらず
一際眩い輝きを放っている名作漫画を今改めて読むキッカケになれば幸いです
ありがとうございました
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