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『アイ・アム・レジェンド』 別エンディングだって? デザートを変えてもメインディッシュの味は変わらない。

評価 ☆



あらすじ
2009年にクリピン博士はがんの治療薬を開発することに成功した。その治療薬は20000人に投与。しかし、5000人に異常が発生した。まるで狂犬病のようにひとを襲い、唾液により感染が広がるというもの。検査によって新種のウィルスが治療薬によって発生していた。



ウィル・スミス主演の『アイ・アム・レジェンド』は2007年公開映画。監督はフランシス・ローレンス。アリシー・ブラガなども出演している。僕はオリジナルを観ていない。この映画は何度もリメイクされている。原作はリチャード・マシスンの小説「I Am Legend」。



1971年のリメイクである悪評高いチャールストン・ヘストン主演の『地球最後の男 オメガマン』が比較的好きなので、正当な評価ができないかもしれない。だけど、映画の中盤まではなんとなく楽しく観ることができた。



『オープン ユア アイズ』の冒頭のように、都市で人間がひとりもいないという風景は映画的だった。『地球最後の男 オメガマン』を小4くらいにテレビで観たけれど、その時も誰もいない都市の景色がそれだけで印象的だった。いまも強烈に記憶に残っている。人間のいない都市というモチーフは、写真、映画、マンガで何度も反復されていて食傷気味ではあるが意外と好きだ。



映画にはゾンビ的人間が登場する。シーカーと呼ばれ、人間らしいコミュニケーションができずに動物みたいな人間たち。ゾンビほど歩くのが遅くなくて、わりと速い。太陽が嫌らしい。そいつらが夜になると襲ってくる。なぜかはよくわからない。ウィルスのせいにしている。ウェルズの小説『タイムマシン』に登場する地下怪物からモチーフを得たのかもしれない。



主人公は科学者。シーカーではなくて人間のままなので、なんとかウィルス撲滅方法を考えようとしている。そのわりには昼間にうろうろしたり、ゴルフしたりしている。もっと真剣に人類を助ける方法を考えろよ、と突っ込みを入れたくなる。



全体としてはゾンビ映画(僕は嫌いです。恐怖というよりも、気持ち悪いだけでワンパターンだから)なので、そういうのを好きな人はどうぞ。もっと真剣に作れば面白い映画になったのにね。後半はいったい何をいいたいのか、全然わからなかった。



それから無駄にペットを殺しちゃダメだよ。なんかよくわからない映画でした。



それにラストが異なる別バージョンのものもあるようだ。ラスト変えたからと言っても内容は変わらない。当たり前である。デザートを良くしてもメインディッシュの味は変わらない。もちろんコースの印象は変わるけど、だいたい。帰宅した頃になると「やっぱりメインの料理はまずかったな」となることが多い。そう思いませんか?



初出 「西参道シネマブログ」 2010-05-02



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