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『友よ、静かに瞑れ』 予告編が素晴らしくかっこいい。大人の男とはこういうもんだ。

評価 ☆



あらすじ
ある新聞で沖縄にいる旧友、坂口が逮捕されたことを知った中年医師の新藤剛は、東京から沖縄の多満里地区にあるホテル「フリーイン」に向かう。しかし、地元の住民からフリーインの場所を聞いただけでも嫌な顔をされ、怪しげな男たちがホテルの周囲に多くいた。



ハードボイルド作品を久しぶりに観た。ハードボイルドをどう定義するかという問題もある。もともとは「固く茹でた卵」の意味だから、頑固な男の、頑固な話であればハードボイルドになるのかもしれない。今度暇な時に考えてみよう。



1985年に公開された『友よ、静かに瞑れ』は崔洋一監督作品。藤竜也が主演。共演が倍賞美津子、林隆三、原田芳雄など。沖縄が舞台となっている。周囲から立ち退きに応じないという理由で、孤立している古いホテルにひとりの男がやってくる。彼はそのホテルのオーナーの古い友人だという。



全体的には芝居を見せられているような雰囲気。途中でいくつか眠くなるシーンもあるけれど、それもまた愛嬌だ。オススメできる作品ではないが、不思議な映画である。観終わった後に独特の感覚が残った。



出色なのは音楽。梅林茂の音楽こそがハードボイルドだろう。監督は崔洋一。この人の映画は面白いとあまり思わないが、今回はわりといい。それにしても予告編がものすごくカッコいい。当時の角川映画のコマーシャルはどれをとっても本当にかっこよかったです。



原作を読もう、という気持ちにさせてくれた。原作は北方謙三の小説。タフで無口で行動力のある男はかっこいいね。僕も十分に中年なのでベラベラ喋るのをやめて、そういう男を目指したい。実際は無理かもしれないけどね。そういう意味で「憧れ」を抱きたくなる映画でもある。



中年は中年なりの「憧れ」がある。その対象は衰えていく容姿を含めて、女性との恋愛とかだけじゃない。大人の男の復権をみせてくれる作品でもあった。



初出 「西参道シネマブログ」 2009-02-02



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