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『ランブルフィッシュ』 実験的青春映画。モノクロでオフビートだが奇妙な魅力がある。

評価 ☆



あらすじ
ビリヤード場で不良のラスティが玉を打っていると敵方のビフから組同士の決闘の申し込みがきた。ラスティは行方のしれない兄のバイクボーイにケンカを止められていた。兄は伝説の男として知られていた。数年ぶりの組の決闘が始まろうとしていた。周りの仲間への面子もあって、ラスティは兄との約束を守ることはできなかった。



『コヤニスカッティ』を彷彿とさせるような、インサートカットの多いモノクロの映像、聞きにくいミッキー・ロークの台詞、わかりにくい構成。これが、あの『ゴッドファーザー』を作り上げた稀代の監督フランシス・F・コッポラの作品なのかと信じられないような思いで観た。



最初は映像に魅せられるが、次第に退屈なオフビートの世界に入る。なんともいえない虚脱感。批判をしているのではない。個人的には『アウトサイダー』より魅惑的で実験的な青春映画だと感じている。それが『ランブルフィッシュ』だ。1983年公開で、出演はマット・ディロン、ミッキー・ロークなど。



映画の魅力はミッキー・ロークとデニス・ホッパーのふたりに尽きるだろう。彼らの演技は奇妙としか言いようがない。ダイアン・レインの美しさもいいのだが。こういう映画を観ていると、もう少し僕の周囲にも美人がいてよかったんじゃないかなと思ったりする。若い頃(中学、高校時代)に美人と言われる女性と付き合えるかどうかは人生の、かなり大きな要素なんじゃないのかと思ったりもする。そんなことないかな。



それにしても、このキャストはなんだ。マット・ディロン、ミッキー・ローク、ダイアン・レイン、デニス・ホッパー、ニコラス・ケイジ、ローレンス・フィッシュバーン、ヴィンセント・スパーノ、クリストファー・ペン、トム・ウェイツなど。豪華であると同時に狂っているとしか言いようがないキャスティングである。まぁ、「その後」とか言って集めたりができないメンツではある。



カルトでオフビートな作品であるし、内容も微妙である。評価は高くない。でも、なぜか心に残る映画であることは間違いない。



ちなみに、この映画が流行していた頃、僕も皮ジャンを着て、サングラスをかけていた。意外と似合っていると周囲は言っていたし、本人もわりとそう思っていた。でも、まぁ、そういう時期もあるのだ。



初出 「西参道シネマブログ」 2008-07-21



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