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『みんなのいえ』 プレストン・スタージェスを彷彿とさせるコメディ。三谷幸喜監督作品の中で最高な仕上がり。

評価 ☆☆



あらすじ
バラエティ番組の放送作家である飯島とその妻の民子はマイホームを建てることにした。飯島は妻に、設計は民子の父親である長一郎にお願いしようというが民子は反対。長一郎に頼むと古臭い家になりそうだし、モダンな家にしたいという。



人生には「暇な時間」がある。好むと好まざるに関わらず。いつも計画通りにいくわけじゃない。しかし、この暇な時間をいかに有効に過ごすかが後の活動に大きく関わってくる。僕は当分ひまなので『みんなのいえ』を観ました。



『みんなのいえ』は2001年公開の映画で、三谷幸喜が監督をしている。出演は唐沢寿明、田中邦衛など。三谷作品は一応、全部見てることになるけれど(現時点で)、正直『みんなのいえ』が一番面白いのではないだろうか。最高傑作といっていい。



最近の彼の話は笑える反面、やりすぎというところもある。映画よりも芝居の方が数段面白いと言われているし、あまり映画に向いていないのかもしれません。



さらにいってしまえば、『みんなのいえ』は三谷幸喜氏のシャイな部分がサラリと出ていて好感の持てる。品が良い。初期の小津映画を彷彿とさせるような感じ。コミカルで、さらりとしてて、少し毒がある。黒澤明が登場する以前の日本映画にはそういうのが多かった。スクリューボール・コメディですね。プレストン・スタージェスに似ている、といったら誉め過ぎかもしれないけど。



登場人物たちも愛すべきキャラクターばかり。特に田中直樹、八木亜希子のふたりが良い。チョイ役ながらも中井貴一が相変わらずの微妙なキャラを見せてくれている。これには笑ってしまった。このひとのコミカルな演技はいい。三谷作品を観たことのないひとは、この『みんなのいえ』から始めるのが良いと思う。



追記



この後、三谷幸喜は多くの監督作品を撮影した。でもやっぱり『ラヂヲの時間』とか『みんなのいえ』みたいな映画が僕は好きだ。また、テレビドラマでは『鎌倉殿の十三人』が面白い。でも、これって三谷幸喜版『ゲーム・オブ・スローンズ』ですよね。



初出 「西参道シネマブログ」 2010-02-23



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