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『アマルフィ 女神の報酬』 ひどすぎる。悪いのはプロデューサーだろう。凋落のフジテレビらしい。
評価 ☆
あらすじ
外交官の黒田は、これまで何度か日本の危機を救ってきた。黒田はG8外相会談がローマで開催されるため、イタリアにいた。G8の準備で忙しい日本大使館だが、そこに一本の電話が入ってくる。日本人の娘が行方不明になったというものだった。
好き、嫌いだけで映画を評価することは誰でもできる。そこには客観的な理由などいらない。「あの役者が好きだから、彼(あるいは彼女)の映画はいい」なんて誰でもいえる。幼稚園児だっていえる。
つまんないからと御託を並べるのも興ざめである。いちゃもんつけることは幾らでもできる。映画じゃないですか。「面白くない」ものを何で目くじら立てて「この映画はつまらん!」といわなければいけないのか、よくわからない。
つまらないならば紹介しなければいい、というのが僕のスタンスです。誹謗中傷する、非難するのはその映画に対して愛情があるからだ。本当に愛情のない相手に対しては悪口など言わない。無視するだけ。
2009年公開の『アマルフィ 女神の報酬』は、監督が西谷弘、出演は織田裕二、天海祐希など。ネットでは酷評しているひともいるが僕は「もったいない」と思う。料理を食べて「この魚はきっと新鮮で活きが良かったんだろうな」と感じるのに似ている。素材は良い、でも料理方法が間違っている。そんな感じだ。
こういう映画は厄介である。面白くないのならば面白くないでいいのに中途半端に可能性を示している。だから続編も作られるし、テレビドラマにもなるけれど、あまり当たらない。
キャスティングも悪くない。織田裕二も頑張っている。捉えどころが難しい黒田役をうまくこなしている。天海祐希も素晴らしいとまではいかないけれどいい。スタッフも、カメラも悪くない。照明もいいし、録音だって美術だって良い仕事だと思う。監督に才能がないわけではない。
だが、中途半端が目立つ。イタリアのアマルフィを題材にした観光映画ではないとしながらも、ちょいちょい観光映画的なカットが無駄に出てくる。思いつきのパンニングもある。
黒田というキャラクターももう少しスマートでいいんじゃないかな。敵ももうちょっと考えて動こう、御都合シーンがちょっと多いよ、というようにいろいろ出てくる。
そういうマイナス点を考慮したとしても、僕は『アマルフィ 女神の報酬』をある程度は評価したい。もっと脚本をブラッシュアップすればいい。そんなに完成を急ぐ必要があるのか。それとも料理の方法がうまくないのか。
問題があるとすればプロデューサーだろう。じっくりと腰を据えて作り上げることも大切だろう。フジテレビやプロデューサーは映画をヒットさせればいい。そのためにはもっとブラッシュアップするべきだった。その方が絶対リピーターは増えるのだから。目先の金儲けだけで仕事しちゃだめだよね。いや、本当にもったいない。
焼き畑的なビジネスをやってたら、絶対にうまくいかない。フジテレビの凋落を象徴化しているような映画だった。いまさら日本のテレビ業界に誰が興味を示すのか? いや、日本の大手映画界に誰が興味を示すのだろうか?
初出 「西参道シネマブログ」 2011-07-19
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