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『マイアミ・バイス』 テーマ曲はかっこいいが、マイケル・マン監督らしからぬ仕上がり。こういうこともあるのか?!

評価 ☆



あらすじ
マイアミ警察の刑事ソニーに情報屋のアロンゾが電話をかけてくる。アロンゾの動揺が激しく、ソニーは何を言っているのかわからない。アロンゾは妻のことをよろしく頼むとそれだけいって電話を切ってしまう。ソニーはFBI特別捜査官だったジョン・フジマに連絡を取る。



敬愛してやまない映画監督が何人かいる。その中のひとりがマイケル・マン。『ヒート』『刑事グラハム/凍りついた欲望』『ラスト・オブ・モヒカン』などで知られている。『刑事グラハム/凍りついた欲望』は、トマス・ハリスの名作「レッドドラゴン」の初映画化作品であり、レクター博士を初めて映像化したものだ。面白い。映画『ヒート』の銃撃シーンは本当に迫力満点。『ヒート』という題名とは裏腹に非常にクールで冷めた映画だった。



ところが『マイアミ・バイス』では、彼のスタイリッシュな映像が見えるもの物語があんまりよくない。2006年に公開されたこの映画は、監督はマイケル・マン、出演はコリン・ファレル、ジェイミー・フォックスなど。



1984年から1989年にオンエアされた『特捜刑事マイアミ・バイス』のリメイク。テレビシリーズの際に、マイケル・マンが脚本や製作総指揮をしていたらしい。



ラブロマンスがメインになっているから仕方がないけれど、あれだけ愛だの恋だのいうこともないんじゃねぇ? とツッコミを入れたくなる。もともとは有名TVシリーズだから、そっちのカラーに引っ張れられてはいるのだろう。



マイケル・マン監督も、やりたくないけどしょうがないかな、生活のためだから、なんて感じでやってるんだろうか? それとも彼の本当にやりたいことはこっちなのかな? よくわからない。



マイアミが舞台しかも潜入捜査の刑事という設定だから、ある程度の女性との絡みは仕方ない。でもさ。あの描き方はないんじゃない? というより、この映画は何をしたいの? という感じ。この監督はラブロマンスを撮るべきか? うまいとは思えないのだが。



もともと映画に関して「何をいいたいの?」なんて疑問を投げかけること自体、無粋なのはわかっている。それにしても。犯罪なんでしょ。巨大麻薬組織なんでしょ。オチはそれかよ、って感じだった。



ダメダメが多い中で許せたのはコン・リーが綺麗に撮影されているところだ。コン・リーって顎と唇のラインが微妙で、角度によっては変な顔に見えることがある。美しかった。



コリン・ファレルも太り気味だし、ジェイミー・フォックスもあまりカッコよくない。



強いていえば音楽がいい。この「マイアミ・バイス」はTVシリーズが有名でその時のテーマ曲も良かった。TVシリーズの方はヤン・ハマーによるものだが、今回のラップの曲も良い。以前の映画でもタンジェリン・ドリームと使うとか、マイケル・マンは音楽センスがありますよね。



映像と編集センスは相変わらず素晴らしい。マイケル・マン監督にはもっと頑張って欲しいものです。



追記



『マイアミ・バイス』の続編として『トウキョウ・バイス』が制作されたらしい。本当に? いろんな意味で驚きだ。



初出 「西参道シネマブログ」 2010-01-17



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