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『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』 バブルの跡地がロケ地になっている。景気は悪いより良い方がいい。
評価 ☆
あらすじ
2007年、日本は財政破綻直前になっていた。この壊滅状態を阻止するために、官僚の下川路は友人の田村真理子をドラム式洗濯機を改造したタ
イムマシンで17年前の日本に向かわせた。ところが真理子が行方不明となる。そこで娘の真弓を再びバブル期の日本に向かわせた。
年齢がわかってしまうけれど、僕らが大学生だった頃はバブル景気だった。友人たちはこぞって不動産会社、銀行、金融関係に入社。確かに金余りとしか思えないような状況だったし、僕も恩恵にあずかった。マスコミ関係だったからね。かなりメチャクチャだった。
でも、時は流れる(当たり前か)。バブルは崩壊して友人たちの中で職を失ったものも大勢いる。それもまた人生だね。
いろんな懐かしさなどが手伝って、『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』を観る。2007年に公開されたこの映画。監督は馬場康夫。出演は阿部寛、広末涼子など。
ジェネレーションギャップを楽しむというのも悪くない。登場人物たちに「すごいファッションだよね」「いま見るとあり得ない金銭感覚だな」と突っ込みを入れることもできる。でも、この映画を観ているうちに、いまの若い人たちに対して「そういえば、彼らはバブルすら体験していないんだ」と感じるようになった。意外と寂しいことかもしれない。
バブル景気の頃と現在との差は、社会そのものが浮かれていたというか、気分的な部分が大きかったように思える。バブルによって泣いていた人も多くいたし、バブルの恩恵を受けていない人だって大勢いた。でも、現在よりも多くの人が気分の恩恵を受けていた。
当時はあまり感じなかったけど、社会状況だって今ほど悪くなかった。ワーキングプアは少なかった。そして、何よりこんなに自殺するひとが多くなかった。どこかに希望があったからだろう。
映画としての『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』は多くの人の指摘通り、基本は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』である。アイデアとして斬新なものは感じられない。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』へのオマージュとして作られただろう『サマータイムマシンブルース』の方が数段面白い。
1980年代、90年代を統括して考える時期に来ているのかもしれない。『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』には哲学性などカケラも感じられないが、でも、「時代を読みなおそう」という意欲は感じられる。
さりげなく「家族」という意味を持たせようとしたところに「ホイチョイとしてどうなの?」って突っ込みを入れたくなる。そんな集団だったっけ? ホイチョイも年を取ったということかもしれない。
面白いかどうかはよく分からない。でも、バブルは再来するのか? という難しい質問ですが、僕は再来すると思う(キッパリ)。理由は聞かないでね。気分だから。
ちなみに僕はバブルの頃に「銀行なんて破産するし、不動産会社なんて落ち目になるよ」と公言して、友人たちから思いっきり笑われた経験があります。だって、本当にそう思ったんだから。
追記
この原稿を書いてから、プチバブルはやってきたけど、すぐ消えてしまった。さらに日本の社会はどんどん悪くなっているような気がしています。大丈夫か、この国。
初出 「西参道シネマブログ」 2007-12-20
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