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『ナショナル・トレジャー』 ゲームみたいなご都合主義。タートルトーブ監督もお金に目がくらんだ?

評価 ☆



あらすじ
1974年、アメリカのワシントンDCにベンというひとりの少年がいた。好奇心旺盛なベンは自宅の屋根裏部屋で、ある年代物の書籍を発見。祖父であるジョンにこの書物に関すると、祖父はある歴史について語り出した。それは、1832年のことだったという。



ジョン・タートルトーブ監督は『クールランニング』、『あなたが見ている間に……』、『フェノミナン』など、良質な映画を撮ってきたことで知られている。



しかし、2004年公開の『ナショナル・トレジャー』は違っていた。出演はニコラス・ケイジ、ダイアン・クルーガーなど。財宝を探すアドベンチャーものとは聞いていたが「うーむ。なんだかなぁ」って感じで、本当につまらなかった。



宝探しものの映画といえば『レイダース/失われた聖櫃』を超える作品がなかなか現れない。この映画の設定も、展開も悪くないのだが、手がかりが見つかると、またそこに手がかりがあってというストーリー展開はゲームみたいな感じ。ちょっと手の込んだ双六みたいでもある。



小学生の息子はこういうのが好きみたいで「面白かった」と言っている。困ったものである。いや、困る必要はないのかもしれないし、謎解きがいっぱいつまった宝探しは少年心をくすぐる。



彼の中には「あの映像は」とか「あの台詞の意味は」という深さはまだない。フリーメーソンとか、独立宣言書とか、さまざまな歴史的な単語に興味を持ってくれたのはうれしいのだが。この映画も、そういう観客対象に作られているようだ。



こういう題材はゲームでやってください。映画でわざわざやることに意味があるんだろうか。そんな複雑なこと考えずに「要は儲けることができりゃいいんだよ」って感じで現在のハリウッドで作ってるんだろう。それでもものすごく面白ければそれも許せるのだが。



タートルトーブ監督もお金に目がくらんじゃったのかな? このお金儲けありきがハリウッドの悪いところ。そっちに行っちゃうのかな。タートルトーブ! お前もか! と叫びたくなった映画だった。



追記

この後、『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 』という続編が製作されて、これが大ヒット。第3作も用意されているという。シリーズものに成長してます。ハリウッドの映画ビジネスというか、ディズニーの戦略って凄いです。



初出 「西参道シネマブログ」 2005-11-22




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