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説明を再現して解答まで辿り着け

お世話になります。ドリームラーナーズの石原です。鳥取県倉吉市で進路指導と学習法指導の塾を運営しています。学習指導は中学生・高校生・大人、英語の指導は小学生から対応しています。LINEなどを活用して、遠隔地でも進路指導・学習指導に対応しています。

今日のお話は「基礎を完璧に(説明可能に)しよう!」です。

結論は

質の高いインプットをたくさんやり、頻繁なアウトプットを確実にこなす

ですが、納得していただくために読んでいただければと思います。

大半の中学生・高校生は、やるだけで覚えようとしてない

ほとんどの中学生・高校生は、見てるだけ、読んだだけ、わかった気になっただけ、で「理解している」「覚えている」と思っています。

しかしながら、そこまで精密に文章を読もうとしたり、綿密に覚えなくても、コミュニケーションでは困らない(人とは話せる・通じ合える)ので、そこまでやりません。

本人は、あくまで、わかってる、思い出せる、大丈夫だ、と思っているんです。で、テストになって初めて気づき、すぐ忘れ、テストで気付き…の連続で、本番までたどり着きます。

せめて、これだけでも暗記しろ!と言いたくなるようなひどい有様が、特に高校受験の競争率の低い地方には展開されています。それでも受かってしまう高校があるのが悲しいところですが、要因はこの環境だけでなく、家庭や学校など様々でしょう。

前置きはこれぐらいにしまして、本題の「基礎を完璧にする」ために何ができるかを考えていきましょう。

低頻度のテストでは、細かい復習は果たせない

何を覚えてないかを自覚させるために、定期的に進度に合わせたテストをしてあげなければいかんのです。しかし、例えば学校で行う定期テストは期間が空きすぎている上に量が多く、同じ範囲は一度きりしかやらないです。

定期テストにおける「評定値」以外の重要な要素は、生徒からしたら、「その時の自分の達成度がわかる」ぐらいで、しかもそれを再度認識するのは2・3ヶ月後です。

単元テストで覚えるまで何度もトライする、到達度テストが頻繁にある、みたいなのがきっちりできれば良いのですが、それだと教員側の負担が大きいのですかね。問題作成を自動化できれば良いのに、と思います。

ドリームラーナーズでは、毎週のようにチェックテストを行うプランを用意していますので、他の学習と並行しながらも、英単語をきっちり覚え切るところからやってもらいます。

「どう頭に入れれば思い出せるか」を徹底的に検証する

覚えなければ意味がないので、覚えるまでやるしかないです。そのためには、以前の記事でも言及しましたが、基本的には「チェック」を強化するしかありません。

一方で、インプットのそのものの質や精度は、取り組み方による個人差が大きいです。知識を丁寧に整理整頓するだけで思い出せる人もいれば、「人の話を聞く」というスタイルでは覚えられない人、「本」では勉強できない(識字できない)人もいます。映像授業も、人が映っているもの、テキストだけのもの、など様々な種類があります。

自分がどのようにすれば覚えやすいか、理解しやすいかを試行錯誤して試しましょう。ただし、基本的には先人たちの真似をするのが早いでしょう。

質の高いインプットをたくさんやり、頻繁なアウトプットを確実にこなす

「白紙再現」が全ての基本

その一方で、「ただ覚えているかどうか」をチェックするのは難しい、あるいは適切ではない分野の勉強もあります。それは、解答の導出にあたり記述や論述を必要とするタイプの問題です。

ただ覚えているだけではなく、暗記強度を強くしていかなければ、難関大入試には対応できません。近年は、共通テストをはじめとして、どの科目も必要な読解量が増えています。「単語を覚えているだけの稚拙な読解」だと対応できないような問題も多いです。

入試のような、自分の頭しか持ち込めず、かつ、高度な読解・説明技術を要求される対応する訓練として、すぐにでも取り入れられるのは、「白紙再現」です。

白紙再現:問題文「だけ」を読んで、解答解説を一切見ずに、完璧な解答が書ける。

白紙再現が有効なのは「数学」「理科の説明・論述問題」「地歴公民の論述問題」などの、問題文が短く、説明主体となる問題が中心です。

「英語」「古文」などの「解釈」を問う問題でも有効です。単語をただ置き換えて並べ直すだけではダメです。

こう言った「説明の暗記」を「丸暗記(理屈抜きの暗記)」で済ませようとする人がいます。それでは通用しませんので、答案が書ける!と思ったら、自分よりもわかっている人にお願いして「わかってなさそうなポイント」を指摘してもらってください。

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見たことあるものとのマッチングは「考える」ではない

見覚えがあるかないか、ぐらいの解像度でしか文字が読めない(読もうとしない)人は残念ながら数多くいらっしゃいます。別に良いんですよ。好きなものを読んだり、気楽に人と話しているときまで、「文字通り」読むことを強要されることはないのです。

ただし、「資格」を出す類の問題(大学入試は、「うちで勉強して良いよ」という資格を与えて良い人かどうかを判断するための試験)でそれをやると資格を出す側からすれば要件に合わない(資格を与えたくない)のです。

パターンマッチング自体は、下でも説明している「考える範囲を絞り込む」上では役に立ちますから、それ自体がダメではありません。ただあくまで範囲の限定でしかありませんから、「このパターンだ!」と思った人を誘い込むような引っ掛けを作ってくる大学も数多くあります。

そういう出題がなされる大学(というか共通テストがそれなんですが)は、パターンマッチングだけで済ませようとする受験生は要らない、と言っているに等しいのです。

一方で、世の中にはあまりに一般人向けに作り込みすぎている、空気が読めないと解けない、ハイコンテクストすぎる問題もあります。運転免許の学科試験がそれです。大学入試や他の難関資格試験に特化したような方で、運転免許の学科試験が解けない(正解できない)人もいるようです。

ちなみに「見たことのあるパターンを増やして、それっぽい解答を導き出す」のは「機械学習」という、機械がまるで人間のように問題を判断して解答しているかのように見せかける情報処理手法で同じことをやっており、この分野で人間がコンピュータにかなうわけがないので、この思考で仕事をしているのならば、AIに仕事を消される人の代表格になるわけです。

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書いてあることから考える(行間ではなく、行を読む)

相手の要求に字面通りに答えることが、こう言った試験で要求されていることなので、あくまで「そこに書いてあること」だけから論理的に導けることだけを考えて欲しいです。

この場面で重要なのが「考える範囲の絞り込み」です。普段の勉強では、単元ごとの学習が中心なので、「今何の話をしているか」は明確な場合が多いです。難しい問題でも「今は指数対数の単元だから」「今は関係代名詞だから」というのがとっかかりで解けたりするでしょう。

しかし、入試問題をやってみるとよくわかるのですが「考える範囲が明らか」なものばかりではありません。数学であれば「図形問題」ということはわかっても、「ベクトル」「三角比」「図形と方程式」「平面図形」など、使う候補が様々にあり、それをどのように使うのかは自分で判断しなければいけません。

そこでヒントになるのは「問題文」だけしかないのです。そこから、どのようなことをやって欲しいかは読み取れるように設計してあるのです。

試験問題は、無限の範囲から考えることを要求してはいません。「問題文に書いてあること」が「思考を限定し、解答に導くためのヒント」なのです。ですから、見たことがある、ない、ではなく「何が書いてあるから」「何を考えろと言っているか」を頼りに、自分の思考の範囲を限定して普段学習している時に発揮できる知的能力を活かせるように練習しよう。

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大半は「暗記ができる」というラインにも立ってない

そして、大事なことなので繰り返しますが「そもそも暗記すること自体ができていない」という中学生・高校生がほとんどです。まずは必要な知識・用語・公式を、「試験で聞かれる形式」に沿って答えられるように練習しましょう。

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