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子供は親の鏡/子供に期待をするな/どんな気持ちか聴こう/同じことをするのが唯一の正解ではない

昔、公式な場で書いたにもかかわらず、もう該当場所からは見れなくなっている文書のサルベージをしています。noteに集約させていきます。

お世話になります。ドリームラーナーズの石原です。鳥取県倉吉市で進路指導と学習法指導の塾を運営しています。学習指導は中学生・高校生・大人、英語の指導は小学生から対応しています。LINEなどを活用して、遠隔地でも進路指導・学習指導に対応しています。

これは某所で大学受験の指導担当者をやっていた頃のメッセージです。50人ぐらいの生徒と、毎月30分から1時間程度は面談して、学習法や進路について話をしていました。決まってない生徒とは一緒に考えてあげたりしていました。

そんな中で、受験生の子供を応援する上で持って欲しい気持ちを綴ったものです。保護者向けです。

では、本文をどうぞ。生徒に対して書いたメッセージも後日掲載します。

保護者の方へのメッセージ

私から保護者の方に向けるメッセージは、次の4つです

1. 子どもは親の鏡です
2. 子どもに期待をしてはいけません
3. 子どもがどんな気持ちで日々を生きているのかを聴こう
4. 人と同じことをするのが”唯一の正解”ではない

子どもは親の鏡です

これは、「子どもは親に教わった考えにもとづいて行動する」という意味ではありません。

「親の普段の行動が、子どもに反映される」という意味です。

うちの子は何を考えているかわからない、わからないところを質問しない、将来のことを全然考えていない、という保護者の方は少なくありません。

しかし、それはほとんどの場合、保護者の方の行動を見て真似をしているに過ぎません。

つまり、何を考えているかわからない、わからないところを質問しない、というのは、保護者の方が、自分がどう考えているかを相手にわかってもらおうとする努力を普段からしていないからです。

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以心伝心、という都合の良い言葉があるおかげで、「子どもと私は以心伝心」「子どもは私のことをわかってくれている」「いつも近くにいるんだからわかってくれるはず」といった都合の良い期待をしてしまいます。

以心伝心、というのはともに行動する・考える目的があってこその話であります。そもそ も親と子どもでは、生きる目的は大きく違います。別々の行動理念で動いている人同士が、考え方を共有する、とは考えられません。

そして、これから子どもが生きる年代は、子どもにとっては未知である一方で、親御さん にとってはすでに生きてきた年代であり、ある程度「こう考えていたらよかった」「こう 考えてきたから今の自分がある」というような確証があるという、情報が片方だけに不足 している状態があります。

将来のことを全然考えていない、という印象を保護者の方が持つのは、こうした「情報の非対称性」から生じるものです。

「これからどのように生きていけばよいか」 なんていうことは、本質的にはわかることはありません。子どもの気持ちになってみれ ば、わからないところに、コンクリート製の道を親から提示されて、それだけで安心して その道を歩むことを決断できるでしょうか?

親が生きてきた「若者時代」と、これから子どもが生きる「若者時代」とは全く異なりま す。 親が提示したコンクリート製の道も、今の時代にはそぐわないものかもしれません。 あくまで子どもは親とは別の人格です。 子どもにとってどんな道が望ましいのか、一緒に考えてみてはどうでしょうか。

子どもに期待をしてはいけません

私が考える、子供に対してしてはいけない期待と、して欲しい「期待」があります。してはいけない期待とは、親の幸せのイメージを押し付けることです。

子どもに必要な期待とは、子供は親とは違う生き方、幸せのありかたを持つのだと予想し、覚悟すること。それらを、子供と一緒に見つける練習をしながらも、最終的には、子供が自分の目と頭と体で考えていけるよう願うことです。

親と子どもは似ているかもしれませんが、全く違う基準で生きています。まずはそのことを認めてあげてください。親の期待、つまり親の幸せなイメージを押し付けることは、子どもを苦しめるだけです。

ましてや、親の期待通りに動かないことで、怒ってはいませんか。

子どもに「親の期待通りになりたい」という意識を植え付けようとしていませんか。

そして、親の期待通りに動かない、期待通りの発言をしないときには耳を貸さないように なってしまっていませんか。「そんなことは言っては・訊いてはダメだよ」という封殺です。

そうして育てられた子どもは、親がそう行動する通り、「自分の期待していない知識・環境」には目を向けなくなります。「わからないこと」は、自分の期待していないことであるので、「わかっていること」との区別がはっきりとつかなくなります。こうして「何を質問してよいかわからない」という子どもに育ちます。

本当は世の中は未知にあふれていて、知らないことだらけで気持ちが悪く、いろいろなことを知りたいと思うのが常だとは思うのですが、なまじ長く生きてきた大人が「知っていることにだけ目を向けるだけ」という姿勢でも生きることができる大人の姿勢を見ていれば、これでいいのか、と子どもが思うのもまた常です。

必要なのは、これからの未来を子どもと一緒に考えることです。今を生きるのに必死なのは、親だけではなく、子どももそうです。お互いが必死に生きています。

親の生きてきた通りに、あるいは親の理想と思うように生きることが、唯一の正解ではありません。今、 考えていかなければいけないことです。 そしてもう一つ必要なのは、何かあったときに手助けをする準備がある、だから一生懸命生きなさい、という声掛けです。そうして安心して頑張らせていきましょう。

子どもがどんな気持ちで日々を生きているのかを聴こう

子どもたちが毎日どんな気持ちで学校に行くのでしょうか。 子どもたちは一生懸命、学校で楽しんできています、気持ちが乗らずに勇気を振り絞って 行く子どももいます。中には、嫌な先生や友達がいて行きたくない、という子どももいる でしょう。 

どんな先生や友達がいるにしろ、それを「ダメな先生」「ダメな友達」とレッテル貼りをすることで何か問題が解決するとか、自分たちに非はないとか、そうした思い込みはありませんか?

子供から見えているものは何なのか、考えたことがありませんか? 親に言うことが全て本当なのでしょうか? 信用しながらも、実際に何があったのか、状況確認をしてください。

ただのケンカだった、注意されて不満だった、ぐらいの軽いイライラモヤモヤがそうしたことをさせることだってあります。

先んじて被害者ポジションを取ろうとすることは、ずる賢く生きる処世術の1つなのでしょうが、そのことが本人の資質向上につながるとは私は思えません。子供が自分の気持ちを客観視する手伝いをし、相手から見たらどのような状況で、自分の嫌なことが起こったのか、冷静に把握し、とるべき行動を判断しましょう。

私たちは、相手の立場を考えてものを言いなさい、とよく言われますし、保護者の方ならきっとそのように子どもに言っているでしょう。しかし、我が子のことでトラブルが起きてしまうと、親御さんたちは子どもを守ろうとしてか、安易で拙速なレッテル貼りをし、その人を生活圏から排除することでで事態を終わらそうとしています。

人間は、それぞれの考え方にもとづいて、合理的な判断をしながら日々を生きています。 これは、親や子どもだけでなく、誰もがそうです。つまり、人の言動には、彼らにとって合理的な意味があるからこそ、一見非合理的に見えても、やっているのです。

どういう気持ちで、どういう意図があって、そのような行動をとっているのか、訊いてみてはいかがでしょうか。また、そのときに、どういう意図があって、こういうことを訊くのか、ということを子どもに伝えてみてはいかがでしょうか。

1つ、補足します。

子どもは、考えていることを「ことばで」伝えるのに慣れていません。たいていは、問題 行動をおこして「かまって」とアピールします。この前提に立ってください。

しどろもどろになりながら、何かを伝えようとしているときには、最初から「何が言いたいの」と糾弾するのではなく、「何がいいたいのかしっかり聴いてあげる」親の姿勢が必要です。

人と同じことをするのが”唯一の正解”ではない

人と同じようなことをするのが正解だと思っていませんか。 大学に行かせることが、人生の唯一の道だと思い込んではいませんか。あるいは、兄・姉 がたどった道を妹・弟もたどることが正解だと思い込んではいませんか。

安定した職業に就職することを、推奨しすぎていませんか。

安定した職業、というものが事実として存在するのかどうか、本当に考えてみたことがありますか。あ

自分の人生の歩み方が唯一の正解ではありません。兄弟で同じ歩み方をすることが正解で はありません。子ども一人ひとりが、彼らが思う道を見つける手助けをしてあげるのが親 の役割であり、そうした道を見せることができる師や友がいるようなところに導いていく のが親の役割であります。

子どもが、勉強に興味を持てない、その事自体は問題があるのでしょうか。それを家庭の外からやってきた何かに取り憑かれているからといって済ませようとしていませんか。

「親」という漢字のとおり、木の上で立って見て声掛けをするだけならまだしも、降りてきて無理矢理引きずり回すような真似はしてはいけません。

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以上です。


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