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本栖湖キャンプ場の思い出

本栖湖キャンプ場は、湖畔の佇まい、山中湖から本栖湖に向かうまでの風景の移り変わり、そして夏場の涼しさ、広さ、キャンプ場の整備、そして価格
中々に理想に近いキャンプ場だと常々感じる。

そして本栖湖には懐かしい思い出があります。

話は私が小学校低学年の頃にさかのぼります。今から何十年前とかはあまり詮索しないでくださいw
両親は子供達もちょっと大きくなったので、キャンプでも始めてみようと思い立ったようです。

その場所が本栖湖キャンプ場でした。当時料金は取っていなかったと思います。赤松の林の中は草ぼうぼうで、それでも結構な人がキャンプしていた記憶があります。

その頃まだ家にはテントがありませんでした。
父は家にあったロープを松の木の間に渡し、そこにシートを掛けて裾に紐を張って簡易テントを作りました。
シートといってもブルーシートがまだない時代で厚いカーキ色の帆布でした。

当然ながら小さい三角の方は空いていて、風通しががよくて涼しいと言えばそうですが、外からは丸見えで蚊にも刺されまくりです。
食事は飯盒でご飯を炊いて缶詰のおかずというものでしたが、初めて自然の中に泊まることに興奮してなんでも物珍しく、そして粗末な食事でも十分に美味しかったものでした。

思えば、その頃が日本で一番最初のキャンプブームだったように思います。
父は2人の娘の為に、丸見えだったことを反省したのか新しいテントを買いました。
すぐたわむ重い綿の三角テントでした。
街のスポーツ店は、1階の一番いい場所がテント用具と登山用具で占められていて、2階にはバレーボールや野球の道具、バスケットボールやサッカーボール、テニス道具などは取り寄せの時代でした。
遠い所は知りませんが、記憶にあったテント場は本栖湖キャンプ場、山中湖のみさきキャンプ場、道志はまだ整備されてなくて、自由にどこでもキャンプできました。
西丹沢はまだ三保ダムのなかった時代で、道志よりさらに未開の地みたいな記憶でした。

ふとそんなことを思い出して、夏のとある日の本栖湖キャンプ場です。
道の駅なるさわで買ったトウモロコシはとてもおいしくて夏の定番です。
お肉を焼いたり、野菜を炒めたり子供時代とは雲泥の差で、豪華なキャンプ飯をいただきます。

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夜中に一度目が覚めてトイレに行きますが、ここは街灯がなくてほんとに真っ暗です。
確かこの辺りと思って歩きますが、テントに帰り着くことができませんw
ちょっとあせって、それでも湖畔の道路が見えてなんとかあたりをつけて、自分のテントに戻ることができました。
広いキャンプ場はちょっと夜は迷子になりますね。
昼間何度も歩いていても、街灯も月あかりもないと別世界でした。

今年の冬のことです。
例年だと、11月末で終了の本栖湖キャンプ場ですが、
お客様のご要望ということで新年1/15まで延長で営業されてます。

受付は閉まっていて、係の人が徴収に回ってきてくれます。
その時にごみ袋もいただけるので、ほんとうにありがたいです。
ちなみにトイレはバンガローの方にある1か所だけで、ホット便座で暖房も入っているので暖かです。水場は受付の前の一か所です。

年末年始と過ぎたので、キャンプ場はガラガラです。
ここはただでさえ敷地が広いので、どこでも張り放題!
ですが目移りしてしまうものですね。

結局、日当たりのいい端っこに張ることにします。
トイレからは遠いですが、なんとキャンプ場から出た少し先に公衆トイレがあるので、結構便利!
(朝10時~17時あたりまでであとはクローズします)

しかし家から持ってきた分だけでは薪が足りません。
そしてここのキャンプ場はきれいに整備されていて木の枝が落ちてないんです。なので車で辺りを回って森のお掃除屋さんしてきます。
一杯かき集めてきたので、さあ、焚火し放題です。

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冬期は8時から開いているので、いつでも張っていてくださいとのことで、
帰りの時間も特にうるさくないので、2日間丸々焚き火三昧です。

富士山の周辺は、たいがいどこも気温が低くて寒い思いをするのですが
今年はさほど気温も下がらず寒さを感じません。

焚き火優先で、ひたすらお正月からのだらだらを引きずっている訳で。。。

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今回は王岳から烏帽子岳まで長男が縦走するので、毎度のことながらアッシーとして使われます。
長男の山の話を聞くこともまた楽しいので、こんなことで親子の会話も弾みます。こうして親子3代へとキャンプの楽しさが引き継がれて、それはなんだか家族の歴史を感じます。

20時過ぎには南東の空にすばらしい冬のダイヤモンドが瞬きます。
写真に収めなくても、この目に焼き付けておくのも、それはそれで趣が深いということです。
深夜にはハマグリのおぼろ月が浮かびます。

昔の人は、眉の月、弓張月、蛤月、満月と実に風流に月を呼びます。

季語の中にも、秋の名月から晩秋にかけては趣の深い月の呼び名があって、
また星たちも季節によって、すばらしい言葉があり、いずる星を知る上でもとても参考になります。

闇夜の中の星の煌めきに、それぞれ言葉で息吹を与え、愛でる古(いにしえ)の日本人
これは遠いギリシャ神話の神々とのお話とはまた違って、
血なまぐさくない、あくまでも空との会話なのだなあと。

家族との思い出や悠久の歴史に思いを馳せることができるのも、外に出て直接自然と触れ合うことで、いろいろと呼び覚まされるのだなあと感じるわけです。



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