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鍋割山(1272.5m)

表丹沢県民の森~二俣~鍋割山~小丸手前~
ミズヒ沢・四十八瀬川本沢中間尾根~二俣~表丹沢県民の森

バリエーション周回

この日は塩水橋からとあるバリルートを行く予定で家を出たが、塩水橋に着いたとたんにざざ降りになってしまった。
天気予報では朝に上がる予定だったのが、なんだか朝から降り始めてしまいうまくいかない。

「今日の山はだめだね。」
とせっかく早起きしたのにすごすご来た道を帰ることにする。
と、秦野駅近くまで戻るとなんだか雨が上がりそうな気配。

ならば鍋割山なら登れるかもと急遽、表丹沢県民の森に向かう。
こんな天気でも駐車場には5台程が止まっていた。

山の紅葉はもう二俣あたりまで下って来ている。
ときどき雨がぽつぽつと落ちてくるが歩くのに支障の無い程度だ。

稜線に上がると丹沢特有のなんとも幻想的な霧につつまれ、
これがあるから天気が悪くても山歩きは止められない。

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はるかシダンゴ山も雲の中から浮かび上がってきた。雨山から檜岳、伊勢沢ノ頭へと続く稜線も裾野に紅葉をまとい徐々に姿を現す。

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ニノ萱の下あたりまでなごりの紅葉があった。

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山頂にたどりつくと再び霧におおわれる。鍋割山荘の中には2組のお客様と水のボッカの男性が。

もう上がってくるお客様もなく、草野さんも厨房から出てしばし談笑。
名残惜しくはあるがおいとまする。

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山頂からは小丸方面に向かっていく。
落葉のじゅうたんが季節の変わり目を私たちに告げる。

今回は小丸尾根の1本手前の本沢とミズヒ沢の間の尾根を下る。
尾根の始まりがあまり顕著ではないので、探しながらだった。
下り始めるとすぐ左手に小丸尾根が確認できる。

しばらく下るとちょっとヌタ場っぽい所に1匹の雄のニホンジカがこちらをじっと凝視している。

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もう冬毛に生え変わり角の様子から見て推定3歳というところか。
普通は人が近づけばさっと逃げていくのだが、
10m程間合いが迫ってもいっこうに逃げる気配がない。
それどころか、どっかりと腰をおろしてなにやらむしゃむしゃと反芻しだすではないか。

小丸の北斜面は鳥獣保護区であり、こちらの南斜面にもハンターから狙われる可能性はない。
あまりにものんきな鹿でしかたなく私たちは鹿を避けて大きく回りこんで下って行く。それをじっと観察する鹿であった。

いくつかの小さな支尾根の分岐があるが、コンパスをきっちり使うことでOK、古い赤テープもあった。標高1100mあたりはかなりな急斜面だった。

標高を下げていくと、向こう尾根の紅葉が美しいのだが、この天気ではあまりきれいに写らない。
標高1000mを切ると若いブナの紅葉はまだこれからのようだ。

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P928の手前はやせ尾根状になり、四十八瀬川本沢の沢音もだんだん大きくなってくる。

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本沢の沢登りの詰めは非常にハードなやぶこぎと沢ガイド本にあったが、この尾根からも本沢の支沢にときどき出合ったが、どのあたりがハードなのだろう。かなり上部の方かな。

この尾根はそんな場所はなかった。
杉の植林地は少し荒れ気味で尾根もちょっと広めになる。
本沢の上流に行かないように、右手の崖に出ないように、うまくコンパスを合わせて下っていった。最後はぴたりと四十八瀬川本沢の渡渉点に出た。

2008.11月

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