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カルティスト・クルセーダー

 それはさながら、氷漬けにされた蛙であった。
 ガコンプシューという音と共に、解凍が始まる。間もなく、蛙面の男が目を覚ます。
 「時が来たか。あれから何年経った?」
 「500年です、偉大なる預言者様」
 男のそばには、何人もの蛙面が跪き、ある者は感涙を隠そうともせず、またある者はしきりに喉を鳴らしている。
 すぐに預言者にふさわしい威厳ある装いと、その権威を示す奇妙な三重冠が用意される。手早い準備の後、男は惑星全土へ向けた放送を始めた。
 
 「同胞がこの不毛の惑星に移住を強制され早500年。だが、銀河帝国最後の皇帝は凶弾に斃れ、帝国は崩壊した。今こそ、我らディープ・スペース・ワンが地球へ帰る時が来た!」
 男が手を振り上げると、そこには惑星の奇怪な巨大魚類を機械改造したおぞましい宇宙戦艦が幾列も並んでいた。
 「預言の書『ネオ・ネクロノミコン』に著されし星辰正しき刻は今!偉大なるものよ、ルルイエへの征途、照覧あれ!」

(続く)

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