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連れてってよ京阪電車

初めての一人旅日記、2日目です。
1日目は姫路城に行きました。

さて、日記を書いていこうと思うのだけど、ホテルで朝起きたとこから始まると思っただろ?

違います。この2日目は私が目を覚ました夜中の3時から始まります。

正直寝る前からベッドのマットレスの感じが自分に合わなそうだなとか、早割的なのでホテルを予約したらシングルもダブルも値段が同じだったのでダブルをとったけど広すぎて落ち着かないなと思っていた。

だけど二日酔いを抱えながらもあんだけ歩いたし、もう疲れちゃってるからそんなの気になるわけがない。

はずなのに夜中に目が覚めて、YouTube見たりラジオ聴いたりしながら結局私は起床時間まで入眠できなかった。

起きる時間になりベッドを出た。あまり眠気は感じない、おそらくアドレナリンが出まくっている。鏡の中の私の目はギンギン。

今日は京都の祇園あたりから出町柳あたりをぐるぐるして、そのあと大阪に戻り美術館に行く。

京都に行くのはお礼参りと聖地巡礼目的だ。去年、実は大阪に観に行ったライブの遠征ついでに兄と京都に来ていた。今回もそのときとほとんど同じルートを回る。迷子になる心配はあまりない。

去年の兄との京都散策で私は安井金毘羅宮に行った。恐れるでない、私は縁切りというより縁結び目的で行ったのだ。

ちょうど一年前、大学を留年して5年生だった私は卒業まで残り少しという所になっても就職先が決まっていなかった。やりたいこともなかったし、正直一年くらいはフリーターかなと思いつつ、就職への希望も捨てきれないでいた。そんなとき、ちょうど遠征に行く予定だったのと、安井金毘羅宮の神様がえぐいという話をよくTwitterで見かけていたので、いっちょ職場を結んでくださいなで参拝。とにかく私は人間関係で悩まない職場を力一杯お願いし、縁結びの小さな赤いお守りを買った。

大学の卒業式の日、卒業式が終わって駅ビルの銀だこで飲んでいると、一件だけ面接を受けに行った会社から採用通知が届いた。今まさに働いている職場だ。「明日仕事行きたくない」っていう日が今まで数えるほどしかないくらい可愛がってもらっている。これはきっと安井金毘羅宮さまのおかげである。ちゃんとお礼を言って、お守りを返しに行く。

そして聖地巡礼。
数年前、アニメ『四畳半神話体系』にどハマりして、森見登美彦さんの作品を何冊か読んだ。去年の兄との京都散策でも聖地巡礼は多少したけど、やはり思う存分は回れなくて不完全燃焼に終わっていた。今回は、付き合ってくれた兄を気遣うこともなく、心ゆくまで堪能してやる。

朝、通勤通学の人でいっぱいの京阪電車に乗る。「京阪電車に乗る」という事実だけでもう胸がどきどき。

乗換案内で何度も確認した祇園四条で降りる。まだ8:30だ。早すぎだろ。

安井金毘羅宮は人気だし、人が少ないうちに行きたいのもあって、駅を出てすぐに歩いて向かった。前来た時も思ってたけど京都は寒い。体を温めるためにも少し早歩きになる。

結局迷子になりかけたが着いた。境内には木の手入れをしている作業員さんらしき人たちと、数人の参拝客だけだった。そうそうにお礼をしに手を合わせ、授与所が開くまで少し待つ。

同じ年くらいの女性が一人で来ていて例の碑をうんしょうんしょとくぐっていた。こういう時に考えるべきことじゃないけどさ、どんだけいやなことがあって縁切りたい!って思ったのかやはり引っかかってしまう。なんなら慰めてあげたい。飲みに行こう。まあ私と同じように縁結び目的で来てる人もいるだろう。勝手に想像してて気持ち悪いとか思われても仕方ないよ。こういう考えをしてしまう人はきっと他にいるよ。

授与所が開いたので、お守りを返したいんですけど、と伝えると受け取られてあっさり終了。ミッションコンプリート。

そのあとせっかくなので近くの八坂神社目指して歩いた。

大通りに面しているからか、八坂神社はまあまあ賑わっていた。表から境内までの道にはおでんやら甘酒やらの屋台がまだ準備中だった。甘酒を飲みたかったけど私が来たのが早すぎたな。あったかい甘酒、飲みたかったなー。

参拝して、なんとなくおみくじひいた。なんと凶だった。なんか開ける前からそんな気はしていた。いや、まじで。凶は修学旅行で行った浅草寺以来だ。ちなみに浅草寺のおみくじはほとんどが凶らしい。

隅から隅まで読むことなくすぐに結びに行った。怖くなって足早に神社を出た。

スムーズに進みすぎてまだ朝9:30だ。もうこの時点で2神社回れている。とても寝れてない奴とは思えない。あまりに早い気もしたが、ランチどきを避けるためにもご飯を食べることにした。

御蔭通りのケニアという店でご飯を食べると決めていた。これも森見登美彦さんの作品に少しだけ登場する場所だ。

八坂神社の最寄駅からケニアの最寄駅である元田中駅まで、叡山電車が出ている。普段の私なら歩きたい距離なのだが、なにせ叡山電車。叡山電車に乗るという経験をしたい。たった一駅だけど、叡山電車に乗りたい。

念願叶って叡山電車に乗車。これを日常で乗っている人たち、羨ましー。叡山電車で寝落ちしてえ。何度だって言うよ、叡山電車。叡山電車。叡山電車だあ。わー。ほんの数分だけど叡山電車。

元田中駅に着いた。水尾さんの最寄駅。はあ、最高にウキウキする。今回の京都散策はひたすらニヤニヤするのを必死に堪えていた。叡山電車は路面電車みたいに街を走るものだとは本で読んでいたけど、たしかにまじで路面電車みたいだ。断言したいくらい路面電車だ。

この日記、この調子で進みます。引き返すなら今です。

元田中駅から歩いてケニアへ。臨時休業だったら咽び泣いてやろうと思っていたけど開店していた。

常連さんらしき先客が2組ほどいた。席についてメニューを見る。飾磨が食べていたハンバーグ定食を食べたかったけど、まだお腹の調子はよくない。ポンカラ丼を注文した。

唐揚げがのった丼らしい。

だって美味しそうじゃん!ここ以外で食べられなさそうじゃん!うるせえな!揚げ物だけどなんだよ!

ポンカラ丼、もう一回食べたい!唐揚げにポン酢やらマヨネーズやら海苔までかかっている。この海苔がかなりいい味出している。うまい、腹の具合はよくないがパクパク食べてしまう。いつか家でも作ろう。さらにサラダも漬物も味噌汁もついている。私の大好きな赤味噌。愛してんぜ。

居座っててもなんだか公民館な雰囲気を邪魔してしまうような気がして席を立つ。お会計なんと550円。やっすい。「おおきに」と言われ(嬉しい!)店を出る。

店を出ると、ほんの少しの小雨だった。小雨にも満たんくらいの霧に近い雨。傘を買うと負ける気がするし、なんだか傘を刺してる人が一人もいない。郷に入ってはなんとやらなので耐える。

Googleマップで下鴨神社を検索する。食後の運動にちょうどいい距離だ。叡山電車の踏切に引っかかり、叡山電車を見送り、線路を横断しててくてく歩いた。

地図を見ていると私を示す青いポッチが目的地である下鴨神社にどんどん近づいている。ついに鳥居が見えたところでスマホを閉じた。

下鴨神社に一直線で向かうつもりだったが、手前にある神社で足をとめた。「日本第一美麗神 河合神社」と書いてあった。女性守護という字も見えた。なんだかべっぴんにしてくれる予感。

授与所と隣には厨房的なやつがあって、ほんとにちょっとした厨房。かりんの蜂蜜と御神水で作られた美人水というメニューだけを販売している。なんか飲めば綺麗になれそう。ちょうどあったかいものが飲みたい。

美人水を受け取って、外の椅子に出る。まだ霧状の雨が降っていて寒いが、このくらい寒い方が、あったかい飲み物はうまい。甘いけどすごくあっさりしててぐいぐい飲んでしまいそう。一生飲めるくらいあっさりしている。

美人水に使われているかりん蜂蜜が小瓶に入れて売ってあったので買った。今思えば3個くらい買えばよかった。家で飲んでも変わらない美味しさ。京都に行く方はぜひ私にあの蜂蜜を買って来てたもーれ。

河合神社で参拝をしていよいよ下鴨神社へ。糺の森を通っていく。

下鴨神社に行くまでも鳥居があったりお賽銭箱があったり、とにかくたくさん神様がいるらしい。その中でも縁結びの神社にだけ参拝した。私にいい人つれてこいー。

下鴨神社の境内へ。干支ごとに分かれてる特徴的な本殿で参拝して、お守りを買いに行く。いつもは地元の神社でひとつお守りを買うのだけど、下鴨神社でお守りを買うために地元では買わないでおいた。ハート型の葉っぱのようなデザインのお守りと、縁結びのお守りもしっかり買った。 2024年は2個でいかせていただきます。

写真もたくさん撮って、満足して最寄駅まで歩くことにした。出町柳駅目指しててくてく。

少し歩くと、抹茶やらぜんざいやらの写真がついた看板を見かけた。旧三井家下鴨別邸という、三井財閥の別荘だった場所らしい。見学もできるし、ちょっとした喫茶があるらしい。

京都に来たのに、京都っぽいもの食べてないし、と思って寄り道することに。見学の受付と一緒に喫茶の注文もするシステム。メニューはセットになったものが4種類ほど。私は抹茶が唯一食べ物の中で苦手なので、問答無用でぜんざいとほうじ茶のセットにした。ぜんざいはまじで大好き。

古くて貴重らしい浴室を見たり、なんだかレトロで可愛く見える台所を見たり、ぐるっと回ってぜんざいをいただいた。ここも混雑はしていなくて、お庭を見ながらゆっくり食べた。昼寝くらいまでしたかった。

時計を見ると12:30くらいだった。もう思い残すことはない、来年もまた京都来たいな。

大阪に向かう京阪電車に乗るべく、出町柳駅に向かった。

京阪電車は2階建てになっている車両が一つだけある。4号車だけは2階席だということを聞いた。改札を通って4号車の列に並ぶ。平日のお昼で、出町柳駅が始発なので椅子取りゲームにもならなかった。

無事2階席に着いた私は景色を楽しんだ、と言いたかったよ。しかし考えてもみておくれ、今日の移動で1時間も座れるのは今だけだ。

寝た。あんまり眠くなかったけど音楽を聴いて無理やり寝た。

降りる20分前くらいになって目が覚めた。車内が混雑してきた気配を察知したらしい。大阪に着いたあとの乗り換えを調べながら、停車駅を待った。

京橋駅で降りて、乗り換え。あと今日のメインイベントは中之島美術館に行くことだ。

半年前、地元の美術館に大阪市立美術館所蔵作品の展覧会があった。その中で私は、島成園さんの作品に心を奪われた。

美術もすごく知識があるわけじゃないし、特に日本画はいままでほとんど見てないジャンルだったけど、島さんの作品の色使いなのか、描き方なのか、ものの好きに理由はいらんのだけど、とにかくぐいーんと引き込まれるなにかがあって、もっと島成園さんの絵が見たい!と思った。しかし、ネットで探しに探せば見つかるものの、図録みたいなのは見つけられなかった。くやしい!もうおそらく見ることはできないと思っていた。

そんなんでこの旅行の計画を立てているとき、せっかくだから都会でしか観れない展覧会に行こう!と思って調べていると、なんとあのときめきを感じた島さんの名前が。詳しく調べるとなんと40作品近く出るらしい。まじかよ。運命じゃん。島成園さんが私を呼んでいたとしか思えない。呼んでいた以外考えられない。

またあのときめきを味わえるんだとルンルンで美術館へ歩く。
中之島美術館は外観もおしゃれだと聞いていた。向かい側にはテレビ局もあって、地元にはないような規模の美術館。都会だなー。すげえ。でけえ。なんか宇宙服みたいなの着たでかい猫もいるー。

館内のチケット売り場に進んだ。券売機で買わされるスタイル。美術館ではこんなの初めて〜。

贅沢していいときしか使わないオーディオガイドを借りていよいよ展覧会へ。最初の部屋に島さんの作品がずらりと並んでいる。

ひとつひとつの感想はまたいつかラジオトークで話すと思います。とにかく島さんの作品をこんなに沢山見れたのだけでもう感無量だった。私が地元で見たかなり印象的だった『伽羅の薫』にも再び会えた。会いたかったよ。

すっかり堪能しきって、ショップでポストカードも大量に買った。図録は重いから買うのをやめたが買っておけばよかった。これだけすごく後悔している。こんなに貴重な展覧会なのに!図録買えよ!ばか!!

この日やりたいことは、残すは後わなかを食べることと、元気があれば飲みに出ることだ。ホテルに戻って荷物を置こうと思い立ち、電車に乗ってホテルへ戻った。

ホテルで一呼吸ついて、わなかの場所を調べた。わなかは絶対に食べたいから先に食べて、そのあと飲みに行こう。わなかもあるし、一番居酒屋が多そうという理由で心斎橋のホテルから道頓堀へ向かった。18時を回ろうとしている。

道頓堀に近づくにつれ、人の行き来が激しくなる。道が狭いせいで轢かれるんじゃないかってレベルですぐ横を車が通っていく。もう嫌だ。こわい!帰りたい!帰ってYouTube見たい!!!

しかしめげずにわなか目掛けて歩く。メインストリートに着くともう溢れんばかりの人である。もうわなかを食べたら帰ろう。人酔いまでして飲みに行きたくない。わなかだけは食べさせてくれ。

わなかに着いてネギ塩ポン酢とハイボールを注文。まだお酒飲みたいと思わないのにたこ焼き食べるとなると反射的にハイボールを欲するらしい。

人の少ない2階席へ。大阪で初めてソースのかかってないたこ焼きを食べたとき、うますぎてぶっ倒れそうだった。粉物ってソースを食べるために食うもんだと思ってたけど、出汁があまりにうますぎる。さすが本場。久々の再会が嬉しすぎて貪り食う私。これが毎週食えたらな。ハイボールを飲んだらめちゃくちゃ濃ゆくしてあった。いつもの私なら大喜びですが今回ばかりは許しません。

もう道頓堀はたくさんだ!人混みを掻き分けそそくさと帰った。

コンビニに寄って次の日の朝ごはんを調達して1日終了。行きたいとこは全部回れて大満足。21時には床に就いた。

2日目の日記もかなり長くなりました。余計なこともたくさん書かせてもらいました。ここまで辿り着いたみなさんに大拍手を送ります。ありがとう。最終回となる3日目もそのうち出します。

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