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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【3月10日㈬~3月16日㈫】

東日本大震災から、この3月11日で丸10年が経ちました。あの日は会社から徒歩圏内だった取引先に素材のテープを納品するため、会社を出て権之助坂を目黒駅に向かって登り始めたところでした。目黒新橋で信号待ちをしていた14時46分、大きく地面が波打ち、立っていられず、その場にしゃがみこんでしまいました。

揺れがおさまったのでそのまま取引先へ。その会社の入っているビルまで来ると、一時避難で屋外に出てきた大勢の人だかり。その中に担当の方はいらっしゃいました。その時は当然「凄い揺れでしたねぇ」と言い合ったものの、東北に甚大な被害をもたらすことなど思いもよらず、都内でも帰宅困難者が続出するほどの大きな影響があるとは思っていなかったので、その場で素材を手渡して、普段通りに納品書にサインをもらって再び権之助坂を下り帰社。会社に戻ると、倉庫スペースに並んでいたスチール棚がドミノのように横倒しになっており、その時初めて地震のデカさを実感したのでした。

そして10年。14時46分に黙祷する以外、毎年この日に何か特別なことをすることはありませんでしたが、今年はK's CINEMAで開催中の瀬々敬之監督特集の中の1本として、瀬々監督がプロデューサーに名を連ねているドキュメンタリー『石巻市立湊小学校避難所』がこの日限りで上映されているので、せっかくの機会なので観に行ってきました。2012年の初公開時は申し訳ないことにノーチェックの映画でしたが、配給を手掛けたムヴィオラのT社長から作品の存在を教えてもらい、you tubeで予告を見て俄然興味が湧きました。半年間、避難所での人々の暮らしに密着した、とても人間臭くて温かみのある映画でした。観て良かった。

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上映後は劇場内スクリーン前で瀬々監督が司会進行の下、藤川佳三監督が石巻からリモートで登壇され、映画の中に登場する方も一名加わり、今の湊小学校とその周辺の様子を伝えてくださいました。「震災は終わっていないのだなぁ」というのを実感することが出来る素晴らしい企画でした。

翌3月12日からは、昼過ぎの新幹線に乗って大阪へ。予定通り、大阪アジアン映画祭に参加して参りました。一年ぶりの出張で気が高ぶっていたのか、慌ててしまい、券売機で座席を確保する際に判断ミス。新幹線は去年の同じ頃に比べるとガラッガラということもなく、左側の3席続き、通路を挟んで右側の2席続き、両窓側の席は全部埋まっていて、3席続きのほうの通路側席もポチポチと埋まっている感じ。私も3席続きの通路側の席を、真ん中を空けて取るべきだったのに、うっかり2席続きのほうの通路側を取ってしまいました。皆自発的に1席空けて距離を取ろうとしているのに、わざわざ私は他人の隣に席を選んでしまった、ということ。だったら、空いている3席続きの通路側席に移動すればよいのですが、3席の窓側の人にも「誰もいなかったのに」と思われそうで勇気が出ません。幸い隣のサラリーマンは不快そうな素振りは見せませんでしたが、「なんで混んでもいないのに隣に座るかね」とは思っていたことでしょう。でも、その方は名古屋で降りたので、そこからはやっとくつろぐことが出来ました(と、チョー自分本位な物言い)。

新大阪に到着後、そのままアジアン映画祭の会場の一つである梅田ブルグ7に直行、15:50からの上映作から私の映画祭はスタートしました。続けて18:00の回を観て、その日は2本。20時過ぎに外に出て、どこかで夕飯を食べようと思っていたのですが、すでにほとんどの店が、店内にお客さんの姿は見えても、「準備中」の札を下げて閉店していることが判明。緊急事態宣言は解除されたものの、飲食店は基本的に時短で21時閉店というのは事前に分かっていたのですが、速攻で店に入れば大丈夫だろう、とタカをくくっていました。店を探しているうちに、店がどんどん閉まっていく…。最終的にその日はコンビニ弁当を買って、ホテルにチェックインして部屋で食べることになってしまいました。コンビニスイーツだって買ってやったぜ。でも、なぜ大阪に来てまで…。

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そして翌土曜日。朝から1本観て、その後街へ出てお昼は無事お好み焼きを食べることが出来ました。初外食!(笑)そしてまた劇場に戻り、夜まで2本。昨夜と同じく20時終映。今日こそはどこでもいいから速攻で居酒屋に入るぞ!!と地下街を抜けて地上に出て、繁華街を小走り。しかし開いている店はどこも混んでいて、外から見ると「密」なので躊躇しているうち、またしてもどんどん閉まり始め…。結局2日目の晩は吉野家の牛丼のテイクアウトとなりました(泣)。せめてもの贅沢で大盛り。でもなぜ大阪に来てまで吉野家…。

開けて日曜日は、ABCホールで続けて2本。今週のトップ画像は、ABCホールの前を流れる堂島川。良いお天気で気持ちよかった!肝心の食事(笑)は、16時に映画が終わり、19時の帰りの新幹線まで3時間あったので、早夕飯でゆっくり串揚げを食いました!…って夕飯難民の話に終始した今回の通信でした。

あまりにもどうでもいいことを書き連ねてきましたが、私の狭い狭いストライクゾーンに、直球ストレートで入った素晴らしい映画との出会いもありました。配給できるかどうか分かりませんが、観れて良かった!大阪、来た甲斐がありました!

                      texte de Daisuke SHIMURA


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