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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【11月9日㈬~11月15日㈫】

コロナ禍で厳しい状況に陥った全国のミニシアターを応援する“MINI THEATER PARK”の活動でお世話になったり、今年6月公開のザジ配給作『三姉妹』をとても気に入って、個人的にご友人に薦めまくって布教活動を繰り広げて下さったり、常日頃、何かと我々のような小規模配給会社のことを気にかけて下さっている俳優の渡辺真起子さんが、4年ぶりに舞台に出演。俳優の大倉孝二さんと脚本家・演出家のブルー&スカイさんのユニット、ジョンソン&ジャクソンの作・演出によるお芝居「どうやらビターソウル」を、初日9日に下北沢ザ・スズナリに観に行ってきました。

笑った、笑った!思わず「くだらねー!」と声に出してしまいそうなほどのくだらなさ(褒めてます)。ここまでテーマが無い芝居ってなかなかありません(褒めてます)。渡辺さん扮する人気スターの“ユキコ”が、ソロデビューする際に裏切る形になった、かつて所属したグループのメンバーたちに、再結成を申し出るために会いに行く…みたいなストーリーは、あるにはあるのですが、それはあって無いようなもの(笑)。出演者の皆さんの絶妙な間合い、シュールなセリフのやり取りを楽しめばそれでオッケー、という感じ。1時間50分余りの上演時間中、客席からは終始笑いが起っていました。この面白さを言葉でお伝えするのは至難の業なので、ご興味を持たれた方は、東京は20日まで下北沢ザ・スズナリで、11月25日からは大阪・ABCホールで上演されますので、ぜひご自分の目でお確かめ頂ければ。東京も若干の当日券、大阪はまだまだがあるみたいです!皆様、ぜひお出かけください!

特にお気に入りの劇団や演出家がいるワケでもなく、友人、知人が出演する舞台を観に行くのがメインで、年間の観劇本数は片手で数えられる程度の私ですが、生の舞台は非日常感を味わえるので大好きです。今までで一番、非日常感が強かった観劇体験は、2015年5月にロンドン・バービカンシアターで観た蜷川幸雄演出による藤原竜也主演の「ハムレット」。半年近く前にオンラインでチケットを確保して、カンヌ国際映画祭出張の帰りにロンドンに寄り道して観ました。

振り返ってみると、共演は平幹二郎、鳳蘭、満島ひかり、満島真之介…豪華キャストでした。

何故わざわざ観に行ったのかというと、俳優を生業にしている中学時代からの友人が(小さな役ではありましたが)出演する晴れの舞台だったから。元々子供の頃から俳優を志していたその友人ですが、20代前半大学を卒業し、自分の劇団を立ち上げてから30数年後、ロンドンの舞台に立つ日が来るとは…と感無量でありました。終演後楽屋口で待って合流し、深夜のチャイナタウンで祝杯をあげたのは、もう7年も前になるのですね…。

ちなみに(前にもどこかで書いた記憶がありますが)その友人が立ち上げた劇団の35年以上前の第一回公演に「役者が足りない」ということで、ド素人の私も俳優として参加しています。人生最初で最後の舞台出演(笑)。その初舞台の小劇場は、なんと会社から徒歩数分の場所に今も存在しています。学芸大学、引っ越しの際には特に感じていませんでしたが、実は私にとって結構縁のある街なのかもしれません。また役者として舞台に立つという話ではありませんが(笑)。

渡辺真起子さんの舞台の話題から、映画とは関係のない自分語りの思い出話になってしまいました。本来の通信の主旨(配給作品の宣伝!)に戻しますと、アニエス・ヴァルダ監督作『冬の旅』は、渋谷シアター・イメージフォーラムで好評続映中。鳥取・jig theaterでは、「SHE by HER 彼女による彼女」と題し、『冬の旅』に加えてバーバラ・ローデン監督『WANDA ワンダ』シャンタル・アケルマン監督『ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』という魅惑のLINE UPを回替わりで上映中。こちらは20日まで!

今週は、12月24日㈯から渋谷シアター・イメージフォーラムでスタートする“ピエール・エテックス レトロスペクティブ”上映作品の、プレス向け試写が2日に渡って開催され、各回多くのライター、クリエイティブ関係の方々にご来場頂きました。エテックス初体験の方も多数。皆さん「楽しかった!」と口々におっしゃって下っていました。こちらも公開に向けて盛り上げていきますので、どうぞよろしくお願いします!

texte de Daisuke SHIMURA






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