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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【5月29日㈬~6月4日㈫】

今週も、先週に引き続き9月公開の配給作品の作り込み作業の真っ最中。メインビジュアルは既に完成済みで、海外のアプルーバルを待っているところ。今はチラシ裏面の文字要素を書き上げてデザイナーさんに託し、ラフデザインの出来上がりを待ったり、予告編ディレクターさんからのラフを待ったり。ビジュアルに関しては、公開決定のニュースと共に来週末には皆さんにお届け出来る予定です。もう少々お待ち下さい!

一方の『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』も、新ビジュアルのお披露目、本チラシ(B5二つ折全カラーの豪華版になります)の配布開始、本予告の上映開始を、同じく来週末を目標に準備を進めています。引き続き新ビジュアルも濃いです(笑)。そして、そのタイミングで、お待たせしておりましたBunkamuraル・シネマ渋谷宮下での上映形態も遂に(!)明らかになります。これで、この夏のご鑑賞の具体的なご予定も立てて頂けると思います。よろしく頼んだ!

『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』のワンシーン。迫力!

今週のトップ画像は、先月出版されたばかりの映画評論家/ジャーナリストの大森さわこさん著による「ミニシアター再訪〈リヴィジテッド〉」(アルテスパブリッシング刊)。まだ読んでいる途中なので、全部読み終えてからのほうが良いかな、とも思ったのですが、600ページにも及ぶ大著で、まだ時間がかかりそうなので、いち早くご紹介させて頂いちゃいます。

元々は2013年から2014年に芸術新聞社のホームページに掲載されていた連載企画(その後2020年にウェブマガジン「cinemore」に転載)で、私は当時からこの連載のファンだったのですが、その後大幅に加筆、大部分を書き下ろして今回の書籍となったそうです。1980年代初頭、シネマスクエアとうきゅうが誕生したミニシアター勃興期が第一章、シネマライズで上映された『トレインスポッティング』を始め、次々と大ヒット作が生まれた1990年代が第二章、シネコンが上陸し、興行街に大きな変化が起こった2000年代が第三章。“劇場や配給会社など、当時の関係者の証言を交えて、都市と映画についての「物語」をたどる渾身の書(公式サイトより)“で、コロナ禍に起こった事象、パンデミック後の展望についても触れています。

この80年代初頭から現代まで、というのが、一映画ファンとしてミニシアターに通い始め、その熱が高じて配給会社を興し、以来35年間この仕事をしている身にとっては、全部自分が辿ってきた道、というかめちゃめちゃ身近なお話なので、読み応えあり過ぎです。「あぁ、シティロードのアルバイト募集に2回応募して、2回とも落ちたよな」とか、「アルバイト終わりで、横浜からシネヴィヴァン六本木に『シテール島への船出』を観に行ったら、満席で入れなかったよな」とか、極めて個人的で些細な記憶もよみがえってくるし、次から次へと業界の見知った方々や、既に亡くなられているお世話になった方々も登場するので、懐かしさはもちろんなのですが、さまざまな感情が押し寄せてきて、淡白に読み進めることが出来ません。

そして読み進めながらヒシヒシと感じ入るのは、先達の方々の偉大さ。この方々がいらっしゃらなかったら、私はこの仕事に就くことはなかったよなぁ、と有難くも強く思うとともに、「それに比べて私はどうなの?35年もやっててパイオニアと呼んでもらえるようなことは何もしてないじゃん…」と余計な感情も湧いてくるのでした。

そんな私の面倒な感情はひとまず置いといて(笑)、映画と映画館、都市と映画館、映画館と観客の関係について、これほどまで語られている本はなかなか無いと思うので、映画好きな方は、ぜひ読んでみて下さい。

それにしても考えなければならないのは今後のこと。ミニシアター文化の灯を絶やさないために、配給の末席に身を置く者として、これからの時代、どう考え、どう実行に移していけば良いのか?本書の中に、きっとヒントがあるのではないかと思います。しっかり最後まで読んで、またご報告出来る機会があれば!

ナゴヤキネマ・ノイさんから、クラファンのリターンが届きました\(^o^)/

さて。各地の映画館も頑張ってます!3月16日のオープンし、間もなく3か月が経とうとしているナゴヤキネマ・ノイさん。オープニングの日以来、ご無沙汰してしまっているのですが、クラウドファウンディングのリターンのTシャツとトートバッグが到着しました。いやぁ、めちゃめちゃカワイイです♡ 夏が来るのが楽しみになりました。見栄張って“S”を注文してしまったので、体絞らなくてはなりません。

ナゴヤキネマ・ノイさんと同じ時期にクラファンに参加した横浜ジャック&ベティさんからは、リターンの鑑賞券が届いているので、近いうちに横浜にも遠征しなくては!

texte de daisuke SHIMURA

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