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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【3月15日㈬~3月21日㈫】

3月10日から19日まで行われていた第18回大阪アジアン映画祭に、予定通り後半の16、17、18の2泊3日の日程で参加してきました。事前に申請して席を確保していた映画は8本。初日は昼過ぎの到着だったので2本、中日はせっかくの大阪なので、お好み焼きランチの時間を確保するために昼の一枠を空けて、最終日は大阪から戻って翌日は朝5時起きで板橋cityマラソンを走るので(チョー個人的な理由)夕方早めの新幹線に乗って帰京するため、これがマックスの本数でした。ちなみに去年はもっとビッチビチにスケジュールを組んでいて、申請しておきながらチケットを無駄にしてしまった映画が出てしまい、その反省も踏まえました。

大阪に向かう前日、毎日新聞が運営する映画サイト「ひとシネマ」“映画人がこぞって行脚 コロナ禍の功名? 存在感急上昇〈大阪アジアン映画祭〉”という記事がアップされました。実はこれ、『セールス・ガールの考現学』のプレス試写をご覧になった毎日新聞の記者さんとよもやま話をしているうちに生まれたもので、その後記者さんが独自に映画祭プログラミング・ディレクター氏や、去年初めて参加した劇場の編成担当者の方に取材して下さって、『セールス・ガール~』の買付、配給に至ったエピソード、作品紹介も絡めた記事にして下さいました。ぜひ読んでみて下さい。

今回映画祭で観た映画の内訳は、香港3本(シンガポール合作を含む)、台湾2本、インド1本、インドネシア1本、ジョージア1本。さてさて、この中からはたしてザジフィルムズが(4年連続で大阪アジアン映画祭で出会い)買付、配給することになる映画はあるのでしょうか?ちょっとだけお教えすると、スタッフの皆に観てもらいたいな、と思った映画があったので、セールス会社にコンタクトして試写用のリンクをもらおうとしているところです。そこから買付に進むか否かは、まだ何とも…。「候補にあがっているのはあの映画かな?もしかしてこの映画かな?」と想像しながら、結果を気長にお待ち頂ければ幸いです。でも、買付に進めばいずれお伝えする時が来ますが、進まなければ、その話は立ち消えて、何も情報は流れて来ませんのでその点ご了承下さいm(__)m

グランプリ受賞作『ライク&シェア』上映後の監督のトークの様子。

映画をたっぷり観られて、お好み焼きも食べられて(笑)、いつもながらの楽しい楽しい大阪アジアン映画祭出張だったのですが、戻ってきて日曜、板橋cityマラソンで辛い42.195キロを走った翌月曜日、ツイッターで映画祭が炎上していることを知りました。日曜の日本映画の上映後のQ&Aで、その映画の監督に対してとても失礼で無礼な質問(というか感想?)を言ったお客さんがいた、とのこと。とても残念なことですし、その質問者には憤りを感じます。

が、私はその場にはおらず(その質問者を容認するムードも少なからずあった、という主旨のことが、そのツイートには書かれていましたが)、会場の雰囲気を実際にいたらどんなふうに感じたのか分からないので、これ以上のことが言えません。しかしここ数日、この件に端を発して映画祭を全否定するような語気強めなツイートが数多く流れてきて大変辛いです。あぁ、私の愛する大阪アジアン映画祭が…。ここは事務局さんには、今後同じようなことが起こらないよう、指針なり改善策なりを表明して頂ければなぁ、と願っています。

日々こうして使っている“言葉”ですが、“言葉”というのは本当に難しい。口語もそうですが、文字はなおさら。特にツイッターは刺激の強い極端な言葉を敢えて選ぶことによって(たとえば“クズ”とか“クソ”とか)目に留まることも多くなり、ツイートが一人歩きしてしまうこともあるので慎重にならねばなりません。今回の炎上でそんなことを改めて感じつつ、昨日の祭日は自宅で“言葉”をチェックする作業、秋に配給する映画の字幕に関して、仮ミックス(翻訳家の方が翻訳した字幕、台本で言うところの“初稿”を映像に入れ込んだもの)を見ながら、一つ一つ吟味する字幕チェック作業を行いました。そして今朝は、社内の皆でそれぞれがチェックを入れた箇所を持ち寄って照らし合わせ、翻訳家の方に修正をお願いする箇所を絞り込むための会議を行いました。

基本的にベテランの翻訳家の方が制作した字幕に、素人であるところの私らが修正を希望する箇所が多いワケではないのですが、素人であるがゆえに「より分かり易い言葉にしてもらえないだろうか?」と思える部分が出て来たりするので、翻訳家の方と相談しながら作業を進めていくことになります。言葉選びの一つ一つに翻訳家の方のこだわりがあるので、当初の翻訳のまま進める場合もありますし、こちらの意見を採用してもらい言い換える場合もあります。今回の作品は、哲学者の言葉の引用なども多くて、どこまでを理解出来る言い回しに替えて、どこからを「字数の関係もあるし雰囲気さえ伝わりさえすりゃいいか」とあきらめるか、悩ましい箇所もたくさん。翻訳家の方には、もうひと踏ん張りして頂き、最終的な字幕は4月中旬に完成予定です。

秋公開の映画なのに、なぜそんなに早いタイミングで完成させなくてはならないか?については、近々別方面から情報が解禁される予定ですので少々お待ち下さい(思わせぶりで申し訳ありません!)。けど、最後に一つお伝えしておきます。PCで映画を再生させながら字幕チェックをしていたのですが、ラストで私は涙を禁じ得なかったのでした。あぁ、なんと素晴らしい映画なのでしょう(とどめの思わせぶり!)

texte de Daisuke SHIMURA





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