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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【6月23日㈬~6月29日㈫】

『わたしはダフネ』の公開まで、残すところあと3日となりました。2020年2月のベルリン国際映画祭で出会ってから数えると、2年と4ヶ月半あまり。コロナによる1年1ヶ月の公開延期期間を経て、やっとここまでたどり着きました。公開直前はどの映画の時もいつもドキドキですが、今回は長い時間関わってきた映画なのでなおさら。どうか一人でも多くのお客様に観て頂けますように…。

先週行われたオンライン試写に続いて、6月28日には特別先行試写会が開催されました。ダウン症の理解と普及を目的に活動しているNPO法人「アクセプションズ」の協力で、ダウン症のお子さんをお持ちのご家族の方にもご来場頂き、スクリーンでは本邦初の上映。上映後には、北イタリア、エミリア=ロマーニャ州(州都はボローニャ)にお住まいのダフネ役、カロリーナ・ラスパンティさんがご自宅からオンラインで登壇、40分に渡りたっぷりお話を聞かせて下さいました。

映画の上映が終わる10分ほど前には、zoomに入って頂く予定になっていたのですが、なかなか現れず。先週の予行演習には、ほぼ約束の時間通りに入って来てくれたので心配することはない、と思いつつ、ハラハラしましたが、数分遅れで登場!一同ホッと胸をなでおろしました。

ティーチインでは、出演のきっかけや、初めてカメラの前で演技をしたことについての感想など、映画にまつわるお話はもちろんですが、普段の生活(映画と同じくスーパーマーケット勤務。食品の賞味期限を管理する部門の主任だそうです)についてもいろいろ語って下さり、途中ご本人のお母様もサプライズで参加。愛娘カロリーナさんについて、目を細めてお話しして下さいました。今回はお父様はご不在でお目にかかれませんでしたが、カロリーナさん、ご両親の愛情を一身に受けて明るく育ったのだなぁ、とこちらも温かい気持ちになるトークでした。コロナさえなければ、カロリーナさんにはご両親、監督と共にイタリア映画祭に合わせて来日して頂く予定だったのに、つくづく残念です。

ご鑑賞頂いた皆さんには、アンケートも実施。「ダフネの自由さ、明るさに魅せられた」「ダフネが隣にいてくれているよう、というか、いて欲しい」「前向きな気持ちになれた」、「素晴らしいセリフがいっぱいあった」…と大好評でした。皆さんの口コミが拡がっていくのを願ってやみません。

岩波ホール、7月3日の初日には、フェデリコ・ボンディ監督のオンライン登壇が決定しました。今回は日中、5回上映して下さるので回と回の間の時間があまりないため、昼間の回の上映後の登壇は時間的に厳しく、18:30からの最終回の上映後となります(20時過ぎから30分ほど)。正直なところ、通常、最終回は一番お客さんが少ない回なので、夜のご予定が無い方はぜひ最終回にご来場くださると嬉しいです!

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『わたしはダフネ』以外のトピックスとしては、昨夜行った“オンライン飲み会”について。英語が得意ではないので、外国人との“zoom飲み”なんてやったことない、というかやるという発想がなかったのですが、同業他社の方から「こないだオンラインでロンドンのMさんとHさんとJさんと繋がってお茶したんだけど、ザジのS(私のこと)はどうしてる?って話になったので、次回は参加しませんか?」と誘って頂きました。

そのロンドンの3人、それぞれ別の映画のセールス会社に勤めていた方々で、かつてカンヌやベルリンでミーティングを重ねていた仕事相手。今は皆セミリタイアのような形でフルタイムの会社勤めはしておらず、映画祭などで会うこともなくなっていて、特に3人の中の1人、Jさんとは、10数年ぶりの再会でした。2010年4月のカンヌ出張の帰り、アイスランドの火山噴火でヨーロッパじゅうの空港が全面閉鎖されてしまい、ロンドンで1週間の足止めを食らった時、コンタクトしたのが最後。ロンドンに友人がおらず、仕事の場以外では会ったことがなかったけど、食事の相手でもしてもらおうと携帯に電話したところ、あいにくロンドンにはおらず。「何か困ったことがあったら、遠慮なくパートナーに連絡して」と、その方の電話番号を教えてくれ、数日後にはその方が「問題はない?」と電話してきてくれたりしました。昨日聞いたら、そのパートナーの方は2年前に亡くなったそうで、一度もお会いすることはありませんでしたが、今もそのやさしさには感謝しています。

画像、ボカしていますが、大きく写っている髪の長い女性は毒舌なMさん。前に「Sはイギリス映画では何が一番好き?」と訊かれて、「小さな恋のメロディかなぁ」と言ったら、「イヤぁねぇ~。そんなイギリス人は誰もいないわよ。他の日本人からも聞いたことあるわ。日本人になぜあんなにウケてるのか意味が分からない」と言い切られてしまったのを思い出します。顔を赤くしていたので、「なぜ照れているんだろう?」と思った記憶があります。もしや何か想い出が?彼女にも火山噴火の足止めの際、電話をしましたが、その時は「今夜、シネクラブでサイレント映画の集いがあるから来れば?」と言われて、ただでさえ貧しい英語力なのに、そんなコアコアな人たちの集いでコミュニケーションを取れる自信は全くなかったので遠慮しました。昨夜その話をしたら「つまらないことを良く覚えてるわね~」みたいなこと言われてしまいました(笑)。

ロンドンで皆で会って、街角のパブでビールが飲める日が、早く来ますように。実際に会って話したほうが、オンラインよりも、もう少し会話の内容を聴き取って理解できると思うし。正直なところ、昨夜は話している内容の、たぶん5割も分かってなかったです(笑)。

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