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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【6月16日㈬~6月22日㈫】

先週の当通信で「今までの配給作とは全く異なる世界を描いた、衝撃的な映画を公開します…」と、チョー思わせぶりに触れた映画が先ほどネットで情報解禁になりました。一昨年のラテンビート映画祭で上映され、ご覧になった方の多くが驚嘆したという、南米コロンビアの作品で、『MONOS 猿と呼ばれし者たち』という邦題で10月公開になります。

世間から隔絶された山岳地帯の高地を舞台に、ゲリラとしてアメリカ人捕虜の女性の監視と世話を担う8人の少年少女が、極限の状況の下で裏切り、対立、暴走して行く様を描くドラマで、海外評では“『蝿の王』と『地獄の黙示録』が出会った”と称されることも多かったようです。何と言ってもロケーションが圧巻で、標高4,300メートルの山頂や、手つかずのジャングル地帯での「いったいどうやって撮影したんだ?」というシーンも多々。音も重要な要素の一つで、自然の生み出す音のリアリティに加えて、『ジャッキー/ファーストレディ最後の使命』でアカデミー賞にもノミネートされたミカ・レヴィによる無限音階を用いた不穏な音楽も鮮烈です。

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今回、本作を掘り起こしてきたのはStaff O。一昨年のサンダンス映画祭で評判になり、その直後のベルリン国際映画祭でも上映されましたが、私は見逃していました。Staff Oは、レンタルビデオ店に並ぶ、いわゆるジャンル系(アクションやホラー、SFなど)の劇場未公開映画の発掘、買付けを主に担当しているのですが、本作を観て「これを劇場で公開しないのは勿体なさ過ぎる」と、私に進言してきたのでした。オンラインでさっそく試写してみると、これがホントに凄い。「こりゃ大画面で観るべき映画だよね…」ということで、トントン拍子に買付け、劇場公開が決まり、パートナーとしてインターフィルムさんが入ってくださることも決まりました。

…とは言うものの、ザジフィルムズで配給したことのないタイプの映画であることは確か。作品を絶賛しているのが、ギレルモ・デル・トロ監督だったり、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督だったり、ダーレン・アロノフスキー監督だったり…、今までのザジフィルムズのLINE UPとは無縁そうな監督ばかり。たとえば、7月3日に公開が迫っている弊社配給の最新作『わたしはダフネ』とは真逆の映画と言えましょう。しかしながら、チャレンジする価値のある映画である、ということで全社員一致。一丸となって宣伝していく所存ですので、ぜひご期待ください!

その『わたしはダフネ』は、公開まであと10日あまり。先週当通信で予告した通り、主演のダフネ役カロリーナ・ラスパンティさんと先日zoomで顔合わせを無事済ませました。

いや、最初は無事ではなく…。画面は表示され、こちらの音声は聴こえているようなのですが、カロリーナさんご自身の音声が入りません。リモートで入ってくださっている通訳の方が、イタリア語で「“音声”をONにしてください」とお願いすると、「ONにしてますよ」とおっしゃってる様子。なので「一度退出して、もう一度入り直してみて」とお願いしたり。なかなか声が入らず、我々はハラハラ。私は別のPCからカロリーナさんのマネージメントをしているイタリアのスタッフの方に連絡を取ったりして、皆慌てふためいていたのですが、カロリーナさんはただ一人焦る様子もなく、「大丈夫、大丈夫。焦らないで」とジェスチャー。結局、いろいろ試してくださって、10分ほどで音声も繋がりました。

「わたしはダフネ」sub3

もうそのお姿は映画の中のダフネのままでした。今回は予行演習ということで、ご挨拶のみのやり取りでしたが、28日に行われる試写会後のトークでいろいろお話が聴けるのを楽しみにしています!またご報告しますね!また、先週末から今週にかけては、オンライン試写会も行われ、多くの方々から「ダフネに励まされた」「心が洗われた」「涙があふれた」…というツイートを頂いています。早く皆さんに観て頂きたいです!

最後に。『ファンタスティック・プラネット』は、渋谷HUMAXシネマでの上映は予定通り17日で終了してしまいましたが、25日からアップリンク吉祥寺での上映が決定しました!全国でもジワジワ上映中。金沢福岡での上映は25日の金曜日までとなりますが、大阪京都仙台では今週末以降も続映決定!25日からは広島、26日からは福井で新たに上映が始まります。ぜひ皆様、お見逃しなきよう!

                     texte de daisuke SHIMURA

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