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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【1月25日㈬~1月31日㈫】

1月31日に渋谷東急本店が閉店。オープンが1967年11月だそうなので、55年と3ヶ月あまりの歴史に幕を閉じたことになります。私は元々東京の人間ではないので、打ち合わせによく使っていた5階の麻布茶房が無くなってしまうのがこの先ちょっと困るぐらいで、正直言って特に思い入れはないのですが、子供の頃から慣れ親しんでいた東京生まれの同業、同世代の友人たちの中には、最終営業日に別れを告げに行っていた方もいたようです。

隣接する複合文化施設Bunkamuraもオーチャードホールが土日祝日を中心に営業を続ける以外は、4月10日から長期休業に突入するそうで、既報の通り、ル・シネマは渋谷東映プラザ内の、昨年末閉館した渋谷東映跡に移転し、「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」として初夏から営業を再開する予定だそうです。ザジフィルムズがル・シネマで新作を上映したことは実はまだ無いのですが、Bunkamuraのオープンが1989年9月、ザジフィルムズの創立が1ヶ月後の10月で同い年、ということで、共に育ってきたという気持ちを(勝手に)持っています。現在のル・シネマは閉館ではなくあくまで休館で、本店跡に4年後の2027年、無事36階建てのビル(街の景観が変わっちゃうよなぁ…)が建った後に再オープン、ということだと思うので、ザジをそれまでちゃんと存続させて、楽しみにその日を待ちたいと思います。もちろんル・シネマ 渋谷宮下にも通うつもりです!

現ル・シネマでの休館前の上映作品、最後の作品の1本手前、という位置づけになるのでしょうか?2月23日から上映される『逆転のトライアングル』が、先週日本時間の24日夜に発表になった第95回アカデミー賞のノミネーションで、3部門の候補になりました。本作にパブリシティで参加している弊社宣伝スタッフは、夕方からメディア各社に「候補になったら取り上げて下さいね」と、せっせと電話をかけてプロモーション…しつつも、競合作品が多いゆえ自信満々というワケには行かず…。私も22時頃から始まる発表を待たずに帰宅して、自宅で「ドリー・デ・レオンさん、助演女優賞に入ったらいいなぁ…」みたいな心づもりで待機していました。

『逆転のトライアングル』の一場面。いったいクルーたちは何でこんなに盛り上がってるのか?

が、しかし!作品賞、監督賞、脚本賞の主要3部門ノミネート、という嬉しい結果に(助演女優賞は残念!)。会社で発表を待っていた宣伝スタッフも、その後の各所とのやり取りで大忙しとなったようです。配給元のギャガさんの宣伝部は、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『TAR ター 』『逆転~』と、3作品が主要部門にノミネートされたので、大忙しどころの騒ぎではなかったかもしれません。それにしても『エブエブ』の、最多10部門11ノミネートは凄い!ちなみに日頃から“略語”(クレジット・カードを“クレカ”とか)を使うことに抵抗を感じる古いタイプの私でも、その“略語”(『エブエブ』)を使わざるを得ない長い邦題はズルい、っていうか上手い(笑)。日本時間、3月13日の授賞式、楽しみです!

さてさて。先週情報解禁になったGW公開作『セールス・ガールの考現学』ですが、上映劇場でのチラシの配布が始まっています。新宿シネマカリテヒューマントラストシネマ渋谷にお立ち寄りの方は、どうぞゲットして下さい!そして昨日は、いよいよ作り込み作業の大詰め、年明けから制作に入っていた予告編のナレーション録りに立ち会ってきました。今回は女性のナレーターの方にお願いして、主人公の明るく前向きな感じを出してもらいました。完成後「イイ感じに仕上がった!」とディレクターと言い合ったのですが、さてどうでしょう?ポストプロダクションが済み次第上映劇場でかかり始めます。ウェブでの解禁も来週には出来る予定なので、どうぞお楽しみに。

『恋する男』の一場面

そしてそして!先週は、渋谷シアター・イメージフォーラムで野崎歓先生のトーク、京都シネマシネ・リーブル梅田で小柳帝さんのトークが開催され、各回とも盛況となったピエール・エテックス レトロスペクティブ”ですが、なんとなんと!2月3日㈮で終映の予定だった渋谷での上映が、またまた延長されることが決定しました!2月4日㈯以降も16日㈭までの13日間、引き続き4回の上映なので、1日で全作品をコンプリートすることも可能です。リピーターの方も、見逃していらっしゃる方も、ぜひぜひご来場下さい!昨年末、クリスマス・イヴから始まったレトロスペクティブは、最終的に8週間のロングランとなり、2月17日から同劇場で始まるエテックス出演作もLINE UPされている“オタール・イオセリアーニ映画祭~ジョージア、そしてパリ~”にバトンタッチ!という形になります。なんとまあ素敵な流れでしょうか。

texte de Daisuke SHIMURA





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