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映画『ハッピー・オールド・イヤー』公開記念 リアル引っ越しドキュメント③「使わない、ってことは、つまり不要ってことでしょ?」

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前回の記事はこちら☞ 連載②「VHS用だ」「その言葉、久しぶりに聞いた!」
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断捨離のノウハウ本を読んだことは無いのですが、断捨離を決行するにあたって、俗に“3年着なかった服は、もう着ないとみなして処分したほうがよい”みたいなことが言われてますよね。提唱する人がファッションに敏感な人なら、その「3年」が「そのシーズンに着なかった服」になったり、物持ちの良い人だと「5年」に変わったりしますが。

弊社引っ越しに向けては、住居ではないので箪笥にうなっている服を整理しなければならない、ということはありませんが(映画のタイアップTシャツはたくさんあります。その話はまた別の機会に)、使ってないのに処分せぬまま収納スペースを圧迫している不要物が次から次へとで出来ます。画像は上から「電動タイプライター」、左が「ワープロ」(書院!)、あとの二つは出張用の小さめのノートPC。リサイクルマークが付いていないものは、メーカーも引き取ってくれないし、家庭用ではなく業務用に使っていたものなので、厳密には区の廃品回収サービスは利用出来ません。そうなると民間の廃棄業者さんにある程度の金額を支払って引き取ってもらうしかない…。と、いろいろ調べているうちに面倒になって、結局そのまま...ということにならないよう、今回は頑張って調べます!

「使わない、ってことはつまり不要ってことでしょ?」というセリフを言うのは、主人公ジーンの友達で、内装の仕事をしているピンク。真理です。ただ、ことはそう単純ではありません。問題は、「今は使わないけど、いつか使うかも」というシロモノをどうするか?です。

今、悩んでいるのは35mmプリント。ご存知の通り、映画館で映画を上映する際、今はデジタル主流の時代になり、DCP方式での上映がほとんどです。しかし、デジタル化の波が来る前までは何十年もの間、35mmプリントで上映していたワケで、弊社も大変な量のプリントを所有していて、倉庫を借りて管理しています。が、年に一度上映の機会があるか無いか、という作品をすべて取っておくには倉庫代がかかり過ぎ。複数保有している作品や、権利が切れた作品を順次処分せざるを得ない状況です。しかしCD、配信の時代になっても、アナログのレコード盤を好む層がいるように、映画ファンにとって35mmプリントの質感は、このまま無くなってほしくない文化でもあり、35mm映写機を残している映画館も多く、上映の機会はゼロになっていません。

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海外の大手の配給会社は、もう35mmプリントでの供給はしていません。弊社はクラシック作品を多く扱っているので、ここで弊社が廃棄してしまったら、たとえば『死刑台のエレベーター』や『フレンチ・カンカン』の35mmでの上映は、もうこれから先は不可能、ということを意味します。あぁ、どの作品のプリントを廃棄して、どの作品のプリントを取っておくべきか…。

現在、『ハッピー・オールド・イヤー』の予告編を鋭意制作中なのですが、予告の中に【何を捨てて、何を取っておく?】というキャッチを、今日入れたばかりです。もう、まんま今の私の心境。共感モード入りまくりです。あまり入り込まずに、もうちょっと客観性を持って宣伝したほうが良いでしょうか…(笑)。

◆映画『ハッピー・オールド・イヤー』
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次回の記事はこちらから☞ 連載④「本は買わない。クラウドの時代よ」


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