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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【6月12日㈬~6月18日㈫】

今週は、3月から109シネマズプレミアム新宿で始まった“Ryuichi Sakamoto Premium Collection”のラストを飾る作品として、14日から上映がスタートした『ノスタルジア 4K修復版』鑑賞レポートをお送りしますが、その前に昨夜飛び込んできた訃報について…

アヌーク・エーメさんが昨日パリのご自宅で亡くなったそうです。日本では2020年に公開された『男と女 人生最良の日々』('19)での、素敵に歳を重ねた姿が記憶に新しく、2年前に亡くなった相手役のジャン=ルイ・トランティニャンよりも全然若々しく思えたのですが(実際はエーメが2つだけ年下)、今思うと撮影時すでに80代後半だったのですよね。その『男と女 人生~』が遺作となってしまいました。

代表作を1本だけ、と言われれば、やはりクロード・ルルーシュ監督の『男と女』(’66)になるのだと思いますが、ジェラール・フィリップ扮するモディリアーニの妻役を演じて一躍人気女優となるきっかけとなった『モンパルナスの灯』(’58)、それぞれ印象的な役柄を演じているフェデリコ・フェリーニ監督の『甘い生活』('60)、『8 1/2』('63  トップ画像写真)、1992年に本邦初公開(ユーロスペース配給)、その後2018年に弊社で開催した特集、“ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語”の中の1本として再公開した『ローラ』('61)のタイトルロール、ローラ役も忘れ難く…。

“ヌーヴェルヴァーグの真珠“と謳われる『ローラ』。

残念ながら現在ザジでは『甘い生活』の劇場上映権は保有していないのですが、『モンパルナス~』、『8 1/2』、『ローラ』は保有しているので(同じドゥミの『天使の入り江』は泣く泣く手放したのですが、『ローラ』は意地で契約延長していました!)、スクリーンでアヌーク・エーメさんの麗しい姿を観てもらえる機会を作れれば、と思っております。

さて。東京もあいにくの天気となった火曜日の午後、仕事を中抜けして雨に煙る歌舞伎町へ。目指すは、東急歌舞伎町タワー9F,10Fに入っている109シネマズプレミアム新宿です。昨年4月14日のオープン時、そのゴージャスさが話題となっていましたが、なかなか訪れる機会がないまま、早1年2ヵ月が過ぎてしまっていました。今回訪問のきっかけとなったのは、生前劇場オープンにあたって全シアターの音響を監修した坂本龍一氏ゆかりの作品を集めた“Ryuichi Sakamoto Premium Collection”という特集の1本として、坂本氏のお好きだった『ノスタルジア 』を編成して頂いたから。館内を見学しつつ、せっかくだから本編も観て帰ることにしました。

東急歌舞伎町タワー9F,10F。エスカレーターだと時間かかるのでエレベーター推奨。

“なかなか訪れる機会がないまま…“だった理由は、お察しの通り入場料のゴージャスさ。CLASS S席は一般6,500円、CLASS A席は4,500円。通常のシニア料金の3.5倍~5倍なので、そうそう気軽に行ける値段ではありません。

ラグジュアリーなホテルのロビーラウンジのような雰囲気。

但し109シネマズのシネマポイント会員はCLASS Sが6,000円、CLASS Aが4,000円のサービス料金。私はシネマポイント会員なのでCLASS Aなら4,000円ですが、さらに溜まっていたポイントを使えば割引になると知って、6ポイント使って2,600円でチケットをゲットしました。これならシニア料金2本分。何とか許せる(笑)。初の潜入で、当初から当通信でレポートするつもりだったのだから、「CLASS Sの料金払ってプレミアムラウンジもレポートしろよ」という気もします。ケチ臭い私をお許し下さい。

ポップコーン&ドリンクも、こんな洒落た感じ。

CLASS Aのお客が使用できるのは各階4スクリーンの扉を前に、ソファとテーブルをゆったりとレイアウトしたロビーラウンジ。そこにウェルカムコンセッションのカウンターが設置されていて、噂の“開映前のポップコーンお代わりし放題、ドリンク飲み放題“サービスを受けることが出来ます。私もさっそくポップコーンとコーラをオーダー。平日夜や週末はお客さんで賑わうだろうラウンジも、雨の平日の昼間なので静か。ガラス窓を打つ雨粒を眺めながら、一心不乱にポップコーンを食べ続ける私でありました(開映前には食べ終えたかったので。『ノスタルジア』観てる隣で、ポップコーンむしゃむしゃ食べてる人がいたら、私ならイヤですから。笑)。隣接のバーカウンターはメニューも豊富。こちらは有料で値段設定お高めですが、新宿の夜景を見ながら一杯飲むのも良いかもしれません。

雨に煙る新宿の街を眼下に。お隣のゴジラも見えます。

肝心のシアター内は、こちらもゆったり。私が観たTHEATER 5は70席。かなり傾斜があるので、前の人の気配が気になることもありません。座席はリクライニング機能付き(CLASS Sに至っては電動リクライニング!)。坂本龍一氏監修の音響も素晴らしく、『ノスタルジア 4K修復版』では特に水の音、足音、そして荘厳な音楽が際立っている感じでした。

上映案内の掲示もワンランク上な感じです。

正直、なかなか“普段使い”出来る映画館ではないけど、また何か特別な日、特別な映画を観に行ければ、と思います。『ノスタルジア 4K修復版』の上映は来週木曜日27日まで続きます。109シネマズプレミアム新宿にまだ行かれたことの無い方、ぜひこの機会に体験して頂ければ!

texte de daisuke SHIMURA










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