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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【8月18日㈬~8月24日㈫】

日曜の午後、思い立って鎌倉の川喜多映画記念館に出かけました。外国映画輸入配給のパイオニアである川喜多長政・かしこ御夫妻の旧宅跡に2010年にオープンした鎌倉市の施設で、映画に関する企画展や、座席数50余りの映像資料室で映画の上映を行っていて、緊急事態宣言下の現在も、展示、映画上映共に人数を制限して開館しています(月曜休館)。

私のこの日のお目当ては、9月12日まで《映画祭のすゝめ  ぐるり映画ポスターの旅》と題して開催されている企画展。カンヌ、ベルリン、ヴェネチア、といったメジャーな映画祭はもちろん、世界各国の映画祭のポスターやグッズ、川喜多御夫妻が参加した当時の写真、新聞記者や映画評論家、監督など、映画業界の方々の、映画祭にまつわるエッセイなどが展示されていて、コロナ禍でどこへも出かけられない昨今、束の間、世界の映画祭を巡った気分にさせてくれる展示でした。あぁ、旅に出たい。

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時間が合わず映画は観られませんでしたが、本企画展の開催期間中は、カンヌなどの映画祭に出品された作品を連日上映中。この日はジャ・ジャンク―監督の『帰れない二人』、チェン・カイコー監督の『さらば、わが愛 覇王別姫』が上映されていました。弊社からも、7月に『女と男のいる舗道』(ヴェネチア映画祭出品作)、『ノスタルジア』(カンヌ映画祭出品作)を上映して頂きました。

展示や映画上映も楽しみですが、川喜多映画記念館の魅力の一つは、そのロケーション。観光客でにぎわう小町通りを抜けると、住宅街の一角に現れる立派なお屋敷。緑豊かな敷地内には東京から移築され、当時海外からの映画人を迎えるために使用したという、旧川喜多邸別邸がそのまま残されていています(年に2回邸内が一般公開されています。私はその一般公開にはまだ行ったことがないのですが、一度は邸内見てみたいです)。

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実は私、ここだけの話ですが(笑)、リタイア後の再就職は川喜多映画記念館にアルバイトで雇ってもらいたい、と密かに願っています。切った張ったの会社運営から身を引いて、秋のある日には記念館の表を塀づたいに法被を羽織って枯葉の掃除をしたり、夏の盛りには麦藁帽を被って庭の雑草をむしったり、来場された隣駅の北鎌倉辺りにお住まいの映画好きの老夫婦のお話の相手をしたり…。一仕事終えたら、キネマ堂でコーヒーでも飲んで帰りましょう。一杯やりたい時は、周辺にはきっと気の利いたバーもあるに違いありません。

そんな妄想をする時、脳内で私の姿は笠智衆として再生されています。そんな夢を友人に語ったら、「旅館の番頭さんじゃないんだから法被は着ないし、笠智衆は番頭さんじゃなくて御前様。庭の手入れは地元の植木屋さんがやるでしょう?」と言われてしまいました。「必要とされる人材は、そんな人じゃなくてキュレーター的な役割の人でしょう?しかも爺さんじゃなくて若い人」とも。もう少し、柔らかい物言いは出来ないものでしょうか…。

ちなみに笠智衆さんと言えば、今秋11月5日から渋谷Bunkamuraル・シネマでレトロスペクティブが開催されるヴィム・ヴェンダース監督の、『東京画』の笠智衆さんの出演部分は、この川喜多邸別邸で撮影されたそうです。脳内再生をよりリアルなものにするために(笑)、スクリーンで再見しなければなりませんね!

川喜多映画記念館へのラブコールはこの辺にしといて(笑)、今週は楽しみにしていた神戸・元町映画館の「LABOモトエイ KOBEマルシェバッグ」が届きました。映画館を通じて、クリエーターの魅力を発信する、という「LABOモトエイ」企画の第二弾。弊社でも創立30周年のカレンダーでお世話になったイラストレーター Ayumi !さんによるトートバッグ。弊社宣伝スタッフ女子2名の、試写立ち会い用に2つゲットしました!

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元町映画館のオンラインショップでは、現在SOLD OUTになっています。ご興味お持ちになった方は劇場に問い合わせてみてください。

現在、各地の映画館が、積極的にオリジナルグッズを制作して販売しているのはご存知でしょうか?たとえば、弊社でもお付き合いのある横浜のシネマジャック&ベティや、目黒シネマでも様々なアイテムを展開しています。グッズの購入が、長引くコロナ禍で厳しい運営を強いられている映画館の応援にも繋がりますので、ぜひ皆さん劇場で、ネットで、チェックしてみてください!

texte de daisuke SHIMURA






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