見出し画像

Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【4月13日㈬~4月19日㈫】

4月15日の新文芸坐リニューアルオープンに先駆けて、前日14日に内覧会が開催されたので参加してきました。長引くコロナ禍で厳しい状況が続く興行街にあって、大規模な改装を施して攻めの姿勢を崩さない新文芸坐さん。映画ファンにとっても我々配給会社にとっても、頼もしくも有難い存在です。

新文芸坐らしからぬオシャレさ(笑)、とネットがざわついたというスタイリッシュに改装されたロビーを抜けて、携帯のQRコードをかざして入場。いつでもフラリと来て映画が観られる、という、古き良き時代の2本立て名画座特有のシステムから、オンラインで座席予約をする方式への転換には賛否あったようですが、“2本立て“という概念も希薄な若い層には何の抵抗もないでしょう。我々オヤジにとっても、到着したはいいけど満席で入れず、ということも無くなるので無問題です。

内覧会で、旧文芸坐の画像をバックにプレゼンテーション中の花俟マネージャー

今回のリニューアルは、4Kレーザープロジェクターの導入がメインの目的、と風の噂にお聞きしていたのですが、それに留まらず新たに独自の音響システム“”BUNGEI-PHONIC SOUND SYSTEM”を構築し、さらにスクリーンも貼り替え。驚いたのは場内の天井や壁の照明設備の新設で、LEDの照明管(というのでしょうか?)が張り巡らされ、音や画に合わせて照明演出を施せるようになっていること。内覧会で花俟マネージャーもおっしゃってましたが、この照明、爆音でギャスパー・ノエ監督の『CLIMAX』を上映して欲しい!トランスすること間違い無しです!

内覧会ではデモンストレーションとして何本かの映画の予告をかけて下さったのですが、じっくり映画本編を体験してみたくなり、会社に戻ってホームページにアクセス。リニューアルオープニング企画であるところの《4Kで甦る黒澤明》の土曜日の上映『七人の侍 4Kデジタルリマスター版』の席を、早速オンラインで押さえてしまいました。

土曜、12時10分からの『七人の侍』の上映は、260席ある場内、見た目最前列の数席を残しほぼ満席。幕間の休憩に男子トイレに長蛇の列が出来るなんて、滅多にありません。席の埋まった大盛況の映画館で映画を観るのは、やっぱり何ものにも代えがたい娯楽です。「終」の文字がスクリーンに映し出されると、拍手も沸き起こりました。4K版の『七人の侍』を観るのは初めてでしたが、画質はもちろん、音声が改善されてセリフが格段に聴き取り易くなってて、大いに楽しめました(昔観た時は三船敏郎扮する菊千代のセリフが3割ぐらいしか聴き取れなかった…)。そして、あらためて宮口精二のカッコ良さを再確認したことも、書き留めておきましょう。

《4Kで甦る黒澤明》特集上映作品の公開時のビジュアル。『天国と地獄』も久々に観たかった!

池袋は個人的にはあまり縁のないエリア。20代の頃はフットワーク軽く横浜から遠征し、2本立てを観に旧文芸坐を訪れることもありましたし、ル・ピリエに何度か友人の芝居を観に行ったこともありますが、ザジを興してからはほとんど無縁。旧文芸坐が1997年に閉館して、2000年に建て替えられたビルの中に誕生した新文芸坐には、2,3度訪れた程度です。

ここ30年余り池袋には東京芸術劇場に友人が出演する舞台を観に行ったり、奥武蔵方面で行われるマラソンの大会に出るため東武線を使う時ぐらいだったので、足を踏み入れることは年に1度あるかないか。「カンヌに行く機会のほうが、池袋に行くより多い」(4月のMIP-TV、5月のカンヌ映画祭、10月のMIPCOMと、コロナ前までは年3回カンヌ出張に出かけていました)と口にして、友だちを失くしたこともあるほどです(笑)。でもこれからは、そこに新文芸坐があるからにはせっせと通おうと思います!

新宿武蔵野館内では、1982年の日本公開時のレアコレクションの陳列も!

さて。先週末は『少林寺 4Kリマスター版』の初日立ち会いもありました(新宿武蔵野館ヒューマントラストシネマ渋谷池袋シネマ・ロサ立川シネマシティシネ・リーブル梅田他、全国各地で上映中!)。キングレコード提供、AMGエンタテインメント配給で、先週末4月15日より上映が始まっています。「ザジと少林寺に何の関係が?」とお思いになるかもしれませんが、実は弊社では長いこと『少林寺』の買付けに携わっているのでした。かれこれ20年以上になりますでしょうか。今回は4K版なので、機会があればぜひ新文芸坐でもかけて頂きたいです!

texte de Daisuke SHIMURA






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?