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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【7月5日㈬~7月11日㈫】

関東地方はここ連日35℃超えの殺人的な暑さが続いておりますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?私は、バス通勤で家からバス停まで15分、バスを降りてバス停から会社まで15分、毎朝30分歩いているので(ムダな個人情報すみません…)、朝からの炎天下、出社するだけで一日のエネルギーを使い果たしてしまっている状態。夏は始まったばかりなのに、こんなんで秋が来るまで体がもつのか心配です。

が、映画館の中は涼しいので、出張から戻った週末から早々に映画館通いを復活させています。土曜日は、6月16日にオープンしたBunkamuraル・シネマ渋谷宮下で映画を初鑑賞。7月7日から上映が始まったドイツ映画『大いなる自由』を観てきました。

ビル入口。ビックエコーやビューティスキンクリニックの看板には何の罪もありませんが…

東急本店の閉館に伴い2027年度内まで一時閉館になるル・シネマが、2022年末に閉館になった渋谷東映プラザ内の渋谷TOEI 1, 2に場所を移して引き続き営業する…という話が伝わってきたのは、情報が解禁されるどのくらい前だったでしょうか。「おぉ!その手があったか!」と渋谷エリアのスクリーン数が一時的にでも減ることにならないのを喜ぶ一方、渋谷と言っても松濤に近い閑静なロケーションにあったル・シネマが、「あのビックカメラが入っている派手派手しいビルの中に?」と、そのミスマッチに不安を感じたのも正直な話なのでした。

が、さすがはル・シネマさん!オープン前に開催された内覧会でその不安は払しょくされました。去年末までの渋谷東映時代は、オーソドックスな色柄物のカーペットが敷かれた、昔ながらのロードショー映画館然とした雰囲気だったと記憶していますが、今回はロビーの内装を一新。建築家の中山英之氏が率いる中山英之建築設計事務所が改装を手掛けているそうで、エレベーターを降りるとそこは渋谷駅前の喧騒を感じさせない、落ち着いていて洗練された空間が広がっているのでありました。

9Fのロビー。ドゥマゴ パリ プチカフェ、NADiffセレクションによる書籍コーナーも。

館内の雰囲気も素敵なのですが、個人的に嬉しい点が2点。先ずは場内。ル・シネマと言えば、座席の場所、前列に座ったお客さんの座り方によっては、お客さんの頭がスクリーンにかぶってしまうことが多い印象で(昔、勇気を出して「頭、下げてもらえませんか?」とお願いしたところ、「私も前の人の頭が邪魔で…」と言いつつ、前の人にひと声かけてくれて、伝言ゲームのように私の縦の列の頭が下がって行ったことがありました)、席選びには常に慎重さを要したのですが、渋谷宮下も場内に大きな傾斜があるワケではないものの、スクリーンの位置が高めなので、前の席の方の頭が気になることがありません。場内はほぼ手を加えていないそうなので、これは元々なのですが、ストレスフリーでとても有難いです。

加えてその立地。以前はJRの渋谷駅ハチ公口から、人の往来をかわしながら急ぎ足で劇場に向かったとしても10分近くを要しましたが、宮下は徒歩2、3分で行けそうです。また、今まではヒューマントラストシネマ渋谷イメージフォーラムで上映される映画とハシゴするには、移動に15分以上を要するので結構大変だったのですが、宮下だとそれもラクです(ユーロスペースシネマヴェーラとは離れてしまいましたが)。『サントメール ある被告』“ライナー・ウェルナー・ファスビンダー傑作選”と、今後もせっせと通うことになりそうなル・シネマ渋谷宮下、5年の仮営業という話らしいのですが(どういう賃貸契約なのかは知る由もないのですが、勝手に言わして頂くと)元々のル・シネマが再オープンした後も引き続き営業して頂き、ル・シネマ4スクリーン体制をぜひ実現させて欲しいです!

ル・シネマザジフィルムズ、実は同い年、というのは前にも書いたことがあったかと思います。ル・シネマのオープンが1989年9月3日。ザジの設立が10月16日。両者ともに今秋、35年目に突入です。今まで特集上映の中の1本に弊社配給のクラシック作品を入れて頂く、という形でのお付き合いは何度もありますが、新作の上映ではお付き合いしたことがないので、先ずは渋谷宮下で何かご一緒出来たら…と願っています(と公開ラブ・コール。笑)。

さて。渋谷シアター・イメージフォーラムで上映中の“ジョン・カサヴェテス レトロスぺクティヴ リプリーズ”は早くも3週目の上映後半戦。おかげさまで引き続き大好評で、まだまだ満席に近い回も出ているようです。ご来場下さった皆様、誠にありがとうございます。これからご来場の皆様も、オンラインでお席を確保してからご来場頂ければ幸いです。

尚、補助席を出すほど盛況となっている名古屋シネマテークでの上映は、いよいよ14日㈮まで。残念ながら閉館の決まっているシネマテークさんに私もご挨拶に伺おうと思っています。そして関西地区の皆様、お待たせしました!シネ・リーブル梅田アップリンク京都での上映も14日㈮からスタートしますので、上映スケジュールをサイトでチェックして頂ければ幸いです!

texte de Daisuke SHIMURA







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